那由他 (漫画)
日本の連載漫画
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概要
平凡な高校生の少女が、超能力を引き出す謎の「輪」を巡り、超能力者たちと宇宙人たちの秘密裏の戦いに巻き込まれていく物語。最終的に単なる二勢力の戦いのみならず、宇宙全体や人類全体を取り扱う、スケールの大きなテーマへと発展していく。原案自体は1979時点にすでに完成していたが、佐々木に初の雑誌連載の機会が与えられた際、本作ではなく『ブレーメン5』が佐々木の連載作品第1弾として採用され、その2年後に『那由他』がスタートを切ることとなった[2]。
佐々木が『ブレーメン5』を除けば短編しか描いていなかったため、制作時には物語の結末を最初に考案し、そこからあらすじ全体を組み立てるという方式をとっていた。この結末の提示こそが作者の意向だったが、実際にはそれに反し、各登場人物の顛末を知りたかったという読者が多く、そうした読者にとっては物語の結末はいささか唐突に受け止められたという[3]。アイディアの良さの一方で、キャラクター描写が全般的に足りないとの意見もあり[4]、佐々木自身も連載の難しさを感じたと語っている[3]。
2001年には、メディアファクトリーから文庫本全2巻として発売。第2巻には、佐々木が1974年に同人誌に発表した作品『テレポート』が同時収録されており、これにはテレポート(瞬間移動)能力の原理についての説明、テレポート能力者のたどる末路など、本作『那由他』と同様のアイディアが見受けられる。
2002年には、同じく佐々木の作品である「ダークグリーン」の外伝「リュオン」が執筆された際、本作の外伝も書き下ろしとして単行本に同時収録され、ソズやターンたちの本来の時代である三千年前の真実が明らかにされている。
物語
登場人物
- 柳原 那由他(やなぎはら なゆた)
- 声 - 藤代美奈子(現:藤代宮奈子)
- 高校1年生の少女。偶然キロに出会ったことで、超能力を巡る戦いに巻き込まれていく。「輪」により発揮できる超能力は、過去の出来事を疑似体験できる「過去見(かこみ)」。この能力を失った後、銃撃で撃ち抜かれた傷を数分で回復させる、意図的に心臓を止める等の自分の意思で制御できない肉体部分を自在に制御できる新能力に覚醒する。
- キロ
- 声 - 神谷明(少年時代:藤田淑子)
- ある雨の日に那由他が偶然出会った外国人の少年。元遊牧民で、八千年ほど前のUFOの遺跡から「輪」を手に入れた。輪による超能力を持つ上、輪の効果か一晩で日本語を話せるようになり、凄まじい速さで様々な知識を身につけ、超能力も日に日に増す。そしてある日を境に那由他のもとから消える。1週間後に再会したときには青年風にまで成長を遂げ、その能力は人類最強と呼んでも良いほどだった。しかし人間でありながら、なぜかアザドーの側について那由他たちを敵に回す。
- ソズ
- 声 - 吉田理保子
- 「輪」所有者たちの隠れ家の一つ、ソズ・テリトリーの中心人物。三千年前の古代文明でのアザドーたちとの戦いの際、偶然岩に閉じ込められて仮死状態となり、「輪」の効力か若い風貌のままで現代まで生き残っていた。強力なテレパシー能力者。三千歳。
- リョータロー
- 声 - 古川登志夫
- ソズ・テリトリーの一員。テレポーター(テレポート能力者)。まだ「輪」の意味もアザドーの存在も知らない那由他をソズ・テリトリーへ導き、以来、共にアザドーと戦う。
- ディー
- ソズ・テリトリー壊滅後、リョータローたちとはぐれて放浪していた那由他を助けた少女。元は孤児で、那由他たちよりずっと幼いが、生来の超能力者であり、「輪」の入手後の能力は屈強。孤児たちを集めて「輪」所有者の集団を結成し、独自にアザドーとの戦いの準備を進めていた。ただ幼いだけに性格はかなり我がままで、特にソズとの仲は犬猿。
- ターン
- かつてソズが生きていた三千年前の古代文明の少年。アザドーたちとの戦いにおいて、子供の方が「輪」の効果が高いと判明し、ターンを含む5人の子供が戦士に選ばれたが、なぜかターンは現在のキロのようにアザドーの側についた。彼はキロには劣るものの、当時最強の力を持ってしまい、やがて三千年前の古代文明は消滅に至った。