隣の女 (佐野洋)
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登場人物&あらすじ
隣の女
隣に住む柳田夫人に、最近夫の様子はおかしくないかと聞かれた佐伯。何か言いたげな態度が気に入らず問いただすが、自動車のセールスマンはモテるという雑誌の記事を読んだからなんとなくだという。そのことを話すと、憤慨した夫はイタズラしてやろうと「人口問題研究所」と名乗り、調査と称して彼女が正式に結婚していないことや普段の性生活、浮気癖など露骨なことまで聞き出し憂さ晴らしした。それから4,5日後、再び柳田夫人が、今度は千駄ヶ谷で夫が着物を着た美人とホテルに入って行くのを見たと伝えてくる。しかしそれが2時頃だったと聞いた佐伯は、それなら彼は自分と食事をしていたというアリバイがあったため、余裕でかわすことができた。帰って夫に話すと、噂なんてそんなものさと笑う。しかし逆にその笑いを不審に思った佐伯は、夫が柳田夫人と示し合わせたのかもしれないという疑いを抱く。そしてまた4,5日後、柳田夫人から蚊の鳴くような声で、「あなたの夫と千駄ヶ谷のホテルMにいるが、彼が心臓が痛いと言って倒れた」という電話がかかってくる。浮気の事実より、まず夫の容態を心配した私はホテルにかけつけるが、ホテルに2人の姿は無く、ホテルの従業員もそんな事実は無いと話す。イタズラをされたのだと憤慨した佐伯は帰ってきた夫と共に柳田夫人に抗議しようと隣へ行くが、そこは人だかりができており、住宅分譲会社の社員が話しかけてきた。柳田夫人は頭金だけしかおさめておらず、今日最後通牒に来たら、家はもぬけの殻だったのだという。そこで夫婦はあの怪電話が家を空けさせるためのもので、柳田夫人の狙いがタンス貯金だったことを知る。
- 佐伯
- 主人公。柳田夫人より1,2歳年下。柳田夫人の話を聞き、夫の浮気を疑ってしまう。
- 柳田夫人
- 佐伯の隣の家の女性。化粧が派手。本当は二号さんらしいが、「主人は土木関係で、月に2,3回しか帰ってこない」と主張する。
- 佐伯の夫
- 自動車のセールスマン。同年代のサラリーマンの2倍半ほどの稼ぎがあり、結婚5年で分譲住宅を買うことができた。欠点はほとんどないが、人の金を集めて商売をしていると銀行や証券会社を嫌って信用していない。柳田のことを色っぽいと褒める。