順徳院兵衛内侍
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逸話
五十六番 左 勝 兵衛内侍
— 『冬題歌合』 建保五年
なみだ河袖ゆく水のこほるより うきねのとこの夢はむすばず
右 左衛門督忠信卿
たえぬべきみちだにつらき山どりの 尾上の霜にふしやわぶらん
右歌もことなる難侍らねど 左のことばすがた
ありがたくえおかしくみえ侍ければ 満座申可為勝之由
- 相手にも難点はないが、全会一致で勝ちに決まったほど、絶賛されたことを伝えている。
- 活動期間が比較的短く、場も限られていたため、残された作品は多くないが、『続歌仙落書』[2]に4首採られて、その魅力的な歌風を賞賛されている。
風體うつくしきさまにて見どころ侍り
— 『続歌仙落書』
霜枯の蘆まに鴨のむら鳥の遊ぶをなむみる心地する
建保四年閏六月日内裏百番歌合に 春を
花の色は盡きじと思ふもゝ敷や おほ宮人の千世のかざしに
同歌合に
夕暮はなにはのあしびたきそめて こやもあらはに立つ煙かな
承久元年七月内裏百番歌合に 冬夜月を
貴船川ゆくせの月の氷るよに うへこす玉はあられなりけり
内裏撰歌合に
忘らるゝ身はうき物と世の中に 思ひすてゝも行くかたぞなき
かものゐる入江のあしは霜がれて おのれのみこそあをばなりけれ
