高度7000米 恐怖の四時間
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羽田空港。空港ロビーのテレビで流れる臨時ニュース番組が、強盗殺人犯・木田正太郎の逃亡を報じていた。ニュースでは、木田は左足が義足で、拳銃を所持しているとされた。
北日本航空のダグラス DC-3「大雪(だいせつ)号」仙台経由札幌行き108便が、27人の乗客を乗せ、13時50分に離陸した。その中には「石川」の偽名で乗り込んだ木田もいた。同姓のために間違って同じ座席を振り分けられたことで隣り同士になった乗客のひとり・石川和子が、左足を踏んでも反応しなかったことや、脱いだ背広の刺繍で木田に気づく。感づかれたことを察した木田は拳銃を突きつけ、騒がないように脅す。
15時10分。大雪号は仙台飛行場に着陸した。給油待ちの30分の間に和子は助けを呼ぼうとするがうまくいかず、飛行機は千歳飛行場へ向けて再出発した。盛岡付近で、大雪号は急速に発達した積乱雲を迂回しようと急旋回したため、客室乗務員の並木蓉子がよろけて木田の前に覆いかぶさる形となった。そのとき木田の拳銃があらわになる。観念した木田は蓉子を人質にして操縦席に乗り込み、行き先の変更を要求する。機長の山本桂三は八戸空港に緊急着陸することを約束し、代わりに乗客に危害を加えないよう求める。一方、警察はすでに木田が大雪号に乗り込んでいることをつかんでいた。
八戸空港には警官隊が待ち受けていた。山本はとっさに着陸を回避する。山本が警察に通報したと思い込んで逆上した木田は腹いせに操縦席の計器を撃つ。山本は木田に奥羽地方の海岸地帯での不時着を約束する一方、副操縦士の原にある作戦を吹き込む。
山本は乗客に、座席についてシートベルトを締めるよう指示する。操縦席近くで銃を抜いて立っている木田はそれに応じなかった。その後大雪号は対流圏の最上部である高度7000メートルまで急上昇し、乗客たちは呼吸ができずに苦しむ。山本と原は機体を急降下させ、その重力加速度を利用して木田を操縦席から後部の壁まで吹き飛ばして気絶させる。乗客・乗員が一斉に木田を取り押さえ、座席に縛り付ける。
大雪号は千歳飛行場に近づいたものの、木田が計器を壊した影響で、着陸脚を出すことができなくなる。山本と原は圧縮空気の系統をつなぎ変え、滑走路付近で上昇と下降を繰り返し、その衝撃で着陸脚を出そうと試みる。しかしなかなか出ず、山本は胴体着陸を決断するも、その降下時に着陸脚が出たため、無事に着陸することができた。木田との戦いで傷を負った山本だったが、飛行場の医務室で簡単な治療を受けたのち、何ごともなかったかのように次の乗務へ向かった。