魔男のイチ
日本の漫画作品
From Wikipedia, the free encyclopedia
『魔男のイチ』(まだんのイチ) は、原作:西修、作画:宇佐崎しろによる日本の漫画。『週刊少年ジャンプ』(集英社)において、2024年41号から連載中[1]。女性しか魔法を扱えない世界かつ、魔法が生き物として存在する世界で、魔法を習得した狩人の少年イチの活躍を描くファンタジー・アクション。
| 魔男のイチ | |||
|---|---|---|---|
| ジャンル | 少年漫画 ファンタジー[1] | ||
| 漫画 | |||
| 原作・原案など | 西修 | ||
| 作画 | 宇佐崎しろ | ||
| 出版社 | 集英社 | ||
| |||
| 掲載誌 | 週刊少年ジャンプ | ||
| レーベル | ジャンプ コミックス | ||
| 発表号 | 2024年41号 - | ||
| 発表期間 | 2024年9月9日[1] - | ||
| 巻数 | 既刊8巻(2026年5月1日時点) | ||
| テンプレート - ノート | |||
| プロジェクト | 漫画 | ||
| ポータル | 漫画 | ||
2026年2月時点で累計発行部数は150万部(電子版含む)を突破している[2]。「次にくるマンガ大賞 2025」コミックス部門にて第1位[3]。「このマンガがすごい!2026」オトコ編にて第4位[4]。
2025年1月4日、単行本第1巻の発売を記念してボイスコミックが公開された[5]。
制作背景
本作の制作にあたっては、原作者の西が宇佐崎に作画をオファーしたことがきっかけとなった。宇佐崎は、当時自身でもネームを執筆していた時期であったが、「別の人が描いたら、悔しくなるかも」との思いから、西と直接会って話す機会を設けた。実際に西から提供されたネームを読み、その面白さが作画を引き受ける決め手となった[2]。
本作に登場する魔法のデザインについて、原作の西は幼少期に触れた『カードキャプターさくら』や『ポケットモンスター』に影響を受けていると語っている。魔法を「集めて回るワクワク感」や、捕獲した存在が「相棒」となり共に強くなっていく関係性を重視しており、作中の魔法は「狩るべき敵」であると同時に「強力な相棒」となる存在として設計されている[6]。
視覚的なデザイン面では、宇佐崎によりモチーフ(動物など)が読者に即座に伝わるシンプルさが意識されている。魔法を「思考し言葉を話す生き物」とした上で、キャラクターとしての「いきいきした動き」を邪魔しないデザインにされている一方、「王の魔法」は概念モチーフのため、一目では正体が判別できない遠回りなデザインが取り入れられている[6]。
あらすじ
魔法が意思を持つ「生き物」として実在し、中には「反人類魔法」と呼ばれ、人類に甚大な被害をもたらす災害として牙を剥く世界。魔法を使うにはその個体が提示する「試練」を突破し、使役(習得)する必要がある。しかし、魔法に必要な魔力を持つのは女性のみであり、したがって魔法を使役し、使えるのも女性のみであった。そうした魔法を使える女性は「魔女」と呼ばれ、彼女たちからなる魔女協会が反人類魔法を倒すことで世界の秩序が守られてきた。
魔法のことをまったく知らず、山で暮らす世間知らずの少年イチは、幼少時に山に捨てられ、己の肉体と知恵だけを頼りに生き延びてきた生粋の狩人であった。ある日、イチは千年にわたって多くの魔女を退けてきた強力な反人類魔法「王の魔法」(キング・ウロロ)と遭遇する。魔法を知らずとも、ウロロを狩るべき強敵と見定めたイチは観察や罠を仕込み始める。その中、ウロロを狩ろうと「現代最強の魔女」と謳われるデスカラスが現れる。デスカラスとウロロの激しい魔法戦闘の末に、ウロロは自身の試練が「心臓を止めること」、しかし「女では心臓を傷をつけることができない」というルールを明かし、彼女を追い込む。そこに様子を見ていたイチが割って入り、ウロロを罠に掛け、心臓にナイフを立てて倒してしまう。ウロロを習得したイチは、この世界でたった一人の魔法を使える男「魔男」(まだん)となる。
イチを危険視すると同時に興味を持ったデスカラスは、彼を監視下に置くという名目で部下とする。イチは彼女の誘いを受けて、狩人かつ魔男として反人類魔法を倒す魔法狩りの冒険へと旅立つ。
登場人物
声の項は特記がない場合、ボイスコミックの担当声優。
デスカラス班
- イチ
- 声 - 戸谷菊之介[5]、藍谷早咲(幼少期)[7]
- 本作の主人公[8]。狩人の少年。マンチネル魔女協会のデスカラス班の班員。
- 幼少より単身で山で生きてきた狩人の少年。身体能力に優れ、強い狩猟本能を持ち、狩人として獲物の観察や罠に長ける。また無意味な殺しを嫌い、食料として狩る以外では、相手が殺意を向けなければ自分も殺意を向けないという「死対死」(しついし)という信条を持つ。このため、殺意に非常に敏感。野生児に近く、死対死以外にも独特な価値観や行動原理を持ち、予測不可能な行動や反応で、しばしば傍若無人なデスカラスやウロロすらも戸惑わせる。
- 第1話にてウロロを習得したことで世界初の魔法を使える男「魔男」となる。デスカラスに誘われる形でマンチネル魔女協会に所属する形となり、反人類魔法を狩る冒険に出る。やがてジキシローネによって、世界の滅亡を目指す「反世界の魔法」を倒す存在と予言され、彼らに対抗すべく、各地の魔法を習得していく。
- デスカラス
- 声 - 小林ゆう[5]
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「深淵の魔女」。デスカラス班の長。
- 「現代最強の魔女」と呼ばれる褐色肌に下がり眉が特徴の女性。自由奔放な性格かつプライドが非常に高く、同僚相手でも傍若無人に振る舞う。しかし、その評価通りの高い戦闘力を持ち、魔女教会の反人類魔法専門部隊としてデスカラス班を率いる。習得した魔法は数知れず、攻撃魔法のみならず治癒魔法や結界魔法など、あらゆる魔法を使いこなす。傍若無人な性格によってイチを振り回すことが多いが、逆にイチの予測不可能な行動に呆然とさせられることも多い。かつてリブロという弟がいたが亡くしており、反世界の魔法との因縁が示唆される。
- 第1話にてウロロを狩ろうとして危機に陥ったところをイチに助けられる形となる。イチがウロロを習得したことから成り行きで名目は下僕として彼を保護し、強い狩猟本能を焚き付けて魔法狩りの任務に同行させる。後に「イチが反世界の魔法を習得することで世界は救われるが、習得した者は死ぬ」との予言が下されると、彼のみに過酷な運命を背負わせることを良しとせず、弟子が死ねば師匠も死ぬという契約「師弟血判状」を結ぶ。
- クムギ・ハーヴェスト
- 声 - 和多田美咲 [9](2巻発売PV)
- マンチネル魔女協会の魔女候補生。魔法研究学部の研究員。デスカラス班の班員(記録役)。シラベドンナの弟子。
- 自己肯定感が低い年相応の少女。攻撃魔法の適性が低く、地味な作業魔法専門。このため最前線に出ることを恐れて後方支援の部署に入ったが、成り行きからシラベドンナの命令でデスカラス班に記録係として入ることになる。常識的な性格ゆえに自由奔放なイチ、デスカラス、ウロロ、また師匠のシラベドンナに振り回されることが多い。当初はイチを怖がるが、次第に打ち解けていく。シラベドンナからの評価は高い。
- ゴクラク・カガミ
- カガミ国の第一王子。通称「苛虐のゴクラク」。後にデスカラス班の特別補助隊員。
- 青髪で高身長、そばかすと垂れ目が特徴の青年。本来、男性には干渉できないはずの「魔法」に対し、自ら開発・装着した「魔法具」による身体改造を施すことで、物理的な干渉(攻撃)を可能にしている。その技術は独学で積み上げたものだが、魔女協会の杖工具部筆頭であるラブ・ジョーから「天才」と評されるほど高度。魔法に対して強い敵意を抱く。
- 10年前から祖国を蝕む「バクガミ」を倒すため単独で活動し、自らも魔法を習得しようと試みたが、男性には魔法の習得が不可能であったため、結果として魔法を一方的に痛めつけて回るだけとなった。この行為が「魔法狩りを阻害した」として魔女協会より「魔女協会指定危険人物」としてマークされ、「苛虐のゴクラク」の異名で知られるようになる。
- バクガミ国編にて登場し、上記の動機から当初は「魔男」になる方法を知るためにイチを拉致する。共に行動するうちに友人関係を築き、最終的にはイチの助力を受けてバクガミを撃破し祖国を救うことに成功する。その後、一度は国に残ることを選択するも、姉のリチアによる後押しによってイチの力となることを決意する。魔女協会への謝罪を経て、デスカラス班に所属する。
- 王の魔法 / キング・ウロロ
- 声 - 佐々木義人[5]
- 反人類魔法。学名「超越特化魔法」。
- 王冠を被った巨大な体躯の黒い生物。「王」の自称の通り、人にも他の魔法にも傲岸不遜であると同時に、それに相応しい戦闘力を持つ。奸智にも長け、後述の試練を達成されないルールのほか、イチの支配下に置かれた後も、イチや周りの者を唆そうとし、解放されることを目論む。
- 魔法としての能力は、どんな魔法でも修練せずとも「呪文」を唱えるだけで最大出力を引き出せる「超越特化魔法」。魔力のない男であるイチであっても魔法が使えるようになった上に、直後に強力な魔法を放つことが出来た。しかし、使用すると3日間眠り込むというデメリットがある。試練は「心臓を止めること」。
- 能力が破格の上に、反人類魔法として能動的に人の殺戮を好む存在ゆえに古くから魔女たちの魔法狩りの対象となってきた。しかし、「心臓を止めること」という試練に対して、「女は心臓を傷つけられない」というルールを設定することで1000年に渡り魔女を退け、伝説の魔法とも呼ばれる。ところが第1話にてイチに試練を突破されて支配され、彼が「魔男」となるきっかけを作る。
- イチの支配下にあるものの、他の使役される魔法と違って、主人の意思とは無関係に外に姿を表すことができ、他者と意思疎通ができる。この場合は魔法を使うことはできないものの、言葉巧みに甘言を弄して周りを操作しようとするが、イチには通用せず空回りする。また、物語の進展に伴い、魔法狩りの経験を積むことでイチに魔法の主人としての才覚が芽生え始めていることを危惧する。
マンチネル魔女協会
魔女
- マネーゴールド
- 声 - 丸山美紀[5]
- マンチネル魔女協会の長。二つ名は「黄金の魔女」。
- 協会の長として所属する魔女や候補生達を統率し、司令を行う落ち着いた魔女。デスカラスを始め自由奔放な魔女たちの振る舞いに苦労する。
- シラベドンナ
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「追究の魔女」。魔法研究学部の統括責任者。クムギの師匠。
- 常にテンションが高く、研究対象に対してはタガが外れてしまうマッド・サイエンティスト気質な魔女。その分析能力は仲間から信頼され、自分が「正しい」と判断したことは森羅万象「正しい」と自称する。
- チクトゲ・トゲアイス
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「銀雪の魔女」。
- 冷静沈着で冷然とした堅物の魔女。氷系魔法のスペシャリスト。見た目通り規律を重視し、候補生時代からの同期で性格が正反対な自由奔放なデスカラスとは反目し合う。ただし、プライベートでは「デスちゃん」「トゲちゃん」と呼び合う仲。極度の方向音痴という欠点がある。
- イチを魔男として協会に受け入れるにあたって教育して規律を教え込むべきと考える。そのための試験としてイチに魔法狩り勝負を挑む。
- アマドロ・リボンキャンディ
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「弾丸の魔女」。
- 短髪にサングラス、コルセットの男前な魔女。魔女会議に出てこない自由人。
- オトギリ・ウツネ
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「激音の魔女」。
- 司教冠のような帽子を被った朗らかな魔女。魔女会議に出てこない自由人。
- フランケン・デスシー
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「猛食の魔女」。
- 小心者で狼狽しているギザ歯の魔女。魔女会議に出てこない自由人。
- トリカプト
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「最悪の魔女」。
- 女優帽に葉巻、右目に目立つ痣のある老婆。魔女会議に出てこない自由人。
魔女候補生
- スピカ・ハーヴェスト
- マンチネル魔女協会の魔女候補生。筆頭(カピタン)の1人。調査部第一調査室の長。クムギの姉。
- 左眼に眼帯をつけた優等生然とした女性。能力は高いが打算的な性格。幼少時に妹クムギの魔法によって左目を負傷し、以降、その負い目に付け込んで妹をいいように扱ってきた。
- クムギに代わってデスカラス班の調査係に志望するがイチにキッパリと断られショックを受ける。
- ラブ・ジョー
- マンチネル魔女協会の魔女候補生。筆頭の1人。杖工具部。
- ゴクラクの魔道具技術を積極的に評価し、協会が彼を認めるよう後押しする。
- デコーラ・フリル
- マンチネル魔女協会の魔女候補生。筆頭の1人。服飾部。
- イチを前にして男性の衣装を作れることよ喜ぶ。後にゴクラクに対しても同様の反応を示す。
反世界の魔法一派
- 反世界の魔法 / 神の魔法(かみのまほう)
- 反人類魔法。真名は不明。
- 旅僧のような網代笠を被り、錫杖のような魔法杖を持つ端正な顔立ちの青年の姿をした魔法。生物無生物問わず、対象をミイラのように「変滅」させ滅ぼす能力を持つ。試練も不明で謎が多く、記録上では15年前、街2つと周辺5kmの山々を一瞬にして変滅させたとされる。魔女協会が長年追い続ける最大の敵。近いうちに世界を滅ぼすことを公言し、七星座と呼ばれる部下を従える。
- 背反の魔法(はいはんのまほう)
- 反人類魔法で七星座の一席。通称「棺」(ひつぎ)。真名は「アルファ」。
- 人間社会では高身長で長髪、細目の青年の姿で現れる魔法。言動は穏やかだが、人類と魔法の主従関係、友好関係を忌み嫌い、反世界の魔法の手足となって動く。試練は1万の死を捧げること。
- 爆蛸の魔法(ばくそうのまほう)
- 反人類魔法で七星座の一席。通称「幾」(きざし)。真名は「ガンマ」。
- 下半身が蛸という人型の魔法。子供のように無邪気な性格かつ常にハイテンション。生物の強弱を絶対の指針とし、強い者には好意的になる一方で、弱者を嫌悪する。このため弱者と分類している人類を忌み嫌い、住処のペンデュラム海域にて多くの船を難破させてきた。試練は彼の息の根を止めて完全に殺すこと。
- フヂミネ
- 反世界の魔法一派に与する魔女。二つ名は「征服の魔女」。マジキーパーに長年追われている、凶悪犯罪魔女。
その他の魔法
反人類魔法
- 雷狐の魔法(らいこのまほう)
- 声 - 伊藤節生[5]
- 反人類魔法。真名は「イナヅリ」。
- 大きな狐の姿をした魔法。雷による発火の魔法で、生物を燃やすことを好む。誕生して間もなく、いずれ雷系魔法の頂点となる野心を抱く。試練は電撃を食らわずに首玉を奪うこと。
- 当初は周辺の動物を手当たり次第に焼き殺していたが、ちょうど人間へ標的を移そうという時にイチに発見され、狐の習性を利用されて無力化され習得される。
- 氷鮫の魔法(ひさめのまほう)
- 反人類魔法。真名は「ウルワシ」。
- 宙に浮くことができる大型のサメの姿をした魔法。氷結系の魔法で、噛まれると凍結する氷の鮫を出現させる。独特の美的センスを持つ。試練は氷鮫を美しく飾り立てること。
- 辺境の村々を襲っていたところをデスカラス班の挑戦を受ける。その抽象的な試練内容でデスカラスも困らせるが、イチに美しく舟盛りにされたことで満足し、習得される。
- 菌茸の魔法(きんだけのまほう)
- 反人類魔法。真名は「マッキルベイン」。
- 手足が生えた小型のキノコの魔法。胞子を飛散させ、広範囲に大小様々なキノコをただちに繁殖させる魔法。図々しい性格で、生き物は皆キノコを神として崇め奉っていると勘違いし、また自分は無害な存在だと思いこんでいる。試練は本体に繋がっている紐状の管を切り収穫すること。
- 野放図にキノコを増やすために反人類魔法とみなされ、イチとトゲアイスの狩り勝負の標的となる。キノコの習性を知り尽くすイチに追い詰められるが、突如現れた反世界の魔法の件があり、最後はトゲアイスに習得される。
- 幸辛の魔法(こうしんのまほう)
- 反人類魔法。通称「バクガミ」。真名は「バックジャム」。
- バクの姿をした魔法。10年前、衰退していたカガミ国にてリチアに発見され、抱きしめると悲しみを吸い取って幸福を与えるとして重宝される。魔女協会からも人類友好魔法と判断され、以降バクガミ様として崇め奉れ、国名もバクガミ国に改名される。当初は子犬ほどの大きさであったが、悲しみを吸って大きく育ち、作中現在軸時点では象以上の大きさとなっている。「幸眠の魔法」と呼ばれていたが、その正体は吸い取った悲しみを倍にして返し、絶望させて死に追い込むという「幸辛の魔法」。
- 本体は手足がバクという人間の姿をしており、バクの中に暮らしている。この世界に誕生して間もなく反世界の魔法を目撃して心酔し、人類を大量殺戮して捧げれば配下にしてもらえると考えてバクガミ国を使った10年にわたる計画を進める。試練は溜め込んだ悲しみを全て受け止めること。
- 計画成就間近にイチの襲撃を受け、試練はゴクラクに受けさせるという変則ルールで返り討ちを狙う。試練を達成されそうになると抵抗を試みるが最後はイチとゴクラク双方に殴られて敗北する。イチに使役される形となるが他の魔法たちと違い、魔法心円では鎖に繋がれた形で放置される。
- 檻蜘蛛の魔法(おりぐものまほう)
- 反人類魔法。真名は「アリアドネ」。
- 鳥籠のような檻で身体が守られた大きな蜘蛛の姿をした魔法。対象を拘束する蜘蛛の糸を放出する魔法。試練は檻を破壊し角を折ること。
- 幸福の国「バクガミ」の鉱山を住処とし、3人ほどを餌食としていた。ゴクラクに襲われていたところを駆けつけたイチによって習得される。
人類友好魔法
- ジキシローネ / 予言の魔法
- マンチネル魔女協会の魔女。二つ名は「予言の魔女」。正体は「予言の魔法」。
- ピエロを思わせるメイクと衣装の魔女。戯けた言動で自由奔放だが確度の高い予言を行うため重宝されている。実はジキシローネ本人は寝たきりで、予言の魔法本体が身体を操っている。ただし、魔法心円ではジキシローネ本人の意識もおり、互いを理解し合い友好関係にある。
- 利害の一致という理由で魔法協会に協力しており、予言の共有のタイミングも自由などの待遇を受け、形式上は人類友好魔法となっている。ただし、本人は仲間になったつもりは無いとしている。「反世界の魔法」陣営からは人類に付くか魔法に付くか旗幟を鮮明するように要求され、思い悩む。
- 時操の魔法(じそうのまほう)
- 人類友好魔法。古代魔法の1つ。
- 髪にあたる部分が鳥の羽状になっている無表情の男の姿をした魔法。ペンデュラム海域にある幽霊船クロノスタシス号に住む。時を操るという破格の能力を持つ古代魔法だが、人間との接触を拒み続け、魔女に使役もされてこなかった。
- 数年前、人身御供として海に出された人間の少女ミネルヴァを救い、以降、彼女に慕われて面倒を見る。やがて愛し合うようになり、共に暮らしている。あらゆる時間操作魔法を行使できるものの、ミネルヴァとの間に子ができたせいで全盛期よりは弱っていることが示唆される。
魔女犯罪対策局
悪事を働く魔女を取り締まる組織。「マジキーパー」と読む。
- チュン
- 魔女犯罪対策局局長。伝統を重んじる。
- ヒガラシ
- 魔女犯罪対策局所属。双剣の使い手。
- ボクスター
- 魔女犯罪対策局所属。九節鞭の使い手。
- ミナカタ
- 動物の骨を頭に被った大男。イチが幼い頃に出会い、一時期共に過ごす。東の小さな島国出身とし、イチが知らなかった新しい技術を教える。
- のちに魔女犯罪対策局所属であったことが判明する。
- ザイエロ
- 魔女犯罪対策局所属。戦輪の使い手。
その他の登場人物
- リブロ
- デスカラスの弟。故人。
- しばしば言及される少年。反人類魔法による非業の死だったこと、デスカラスが魔法狩りに取り組む動機であることが示唆される。
- リチア・カガミ
- バクガミ国第一王女。ゴクラクの姉。
- 国民達から慕われる女性。10年前に幸眠の魔法(バクガミ)を最初に見つけ、母を失った悲しみを吸い取られたことで立ち直ったという過去を持つ。それは母の死という記憶自体の消失であるが自覚はない。バクガミの支配下にありつつも、弟のゴクラクのことは常に大事に想い続けてきた。
- ミネルヴァ
- 人間。時操の魔法の恋人。
- 小柄な女性。かつて生贄として虚ろ舟で海に出されたところ時操の魔法に救われる。行く宛もなかったため、そのままクロノスタシス号に居着く。朗らかな性格で、無感情であった時操の魔法に変化を与え、やがて愛し合う仲となる。時操の魔法の子を身籠る。
- マドカ
- 時操の魔法とミネルヴァの間に生まれた子供。
用語
魔女・魔法関連
- 魔法(まほう)
- 意思と人格を持つ生命体。人間は魔法が提示する試練を乗り越えることで、その魔法を習得することができる。人間に友好的な魔法とそうでない魔法が存在し、そうでない魔法は反人類魔法と呼ばれる。習得した人間が死ぬと、その魔法は自由になる。現在確認されている魔法は3185種で、そのうち402種は習得済み。
- 古代魔法(エピックまほう)
- 古より存在し、魔女たちが何度も習得に失敗し続けている強力な魔法のこと。
- 魔女(まじょ)
- 生き物である魔法を狩って習得するハンターのこと[10]。魔法を扱うために不可欠な魔力を持つのは女性のみであることから、「魔女」と呼ばれるようになった。
- 魔法心円(まじっくさーくる)
- 魔女の精神世界のこと。魔女に習得された魔法は、その魔女の魔法心円で暮らすことになる。
- 鏡渡り(かがみわたり)
- 「ミラージュ」とも言う。魔女たちは、鏡のある2地点の間を自由に移動することができる。また、鏡をディスプレイのように使ってリモート会議をすることも可能。
地名
- 首都ナタリー(しゅとなたりー)
- 人口は約30万人で、海岸沿いに栄える魔法産業の盛んな街。マンチネル魔女協会がある[11]。
- マンチネル魔女協会(まんちねるまじょきょうかい)
- ナタリーにある魔女協会。魔女の他に魔女候補生も所属しており、上級魔女候補生は魔女の補佐を務め、魔法の研究や魔法具・装備の製作など多種多様な部門で働く。下級魔女候補生は教会内部の教育機関「マンチネル魔女学院」にて魔法の教育を受けている[12]。
- 幸福の国「バクガミ」(こうふくのくにばくがみ)
- バクガミ鉱山の居住区域に広がる国。バクガミの国民の多くは、幸眠の魔法を「バクガミ様」として信仰している。元は「カガミ国」という名で、魔法具産業で栄えた国だったが、技術と若者が流出し没落。その後、現れた幸眠の魔法を御神体とし「バクガミ国」と改名。世界随一の観光大国となった。
- ペンデュラム海域(ぺんでゅらむかいいき)
- 時を司る魔法の住処がある海域。幽霊船クロノスタシス号が揺蕩っている。
その他
- 死対死(しついし)
- イチが己に課している「相手に殺意を向けられるまでは、こちらも殺意を向けない」という絶対のルール。
- 師弟血判状(していけっぱんじょう)
- 「師匠の命令に弟子が逆らえなくなるかわりに、弟子が死ぬと師匠も死ぬ」という契約書。その性質ゆえに、今や誰も使わない呪われた契約。弟子には師匠への絶対服従が課せられる。別名「奴隷契約書」。
書誌情報
- 西修(原作)・宇佐崎しろ(作画)『魔男のイチ』集英社〈ジャンプ コミックス〉、既刊8巻(2026年5月1日時点)
- 「イチ」 2025年1月4日発売[13]、ISBN 978-4-08-884402-2
- 「氷鮫の魔法」 2025年3月4日発売[14]、ISBN 978-4-08-884417-6
- 「反世界の魔法」 2025年6月4日発売[15]、ISBN 978-4-08-884580-7
- 「バクガミ様」 2025年8月4日発売[16]、ISBN 978-4-08-884611-8
- 「キミのために」 2025年10月3日発売[17]、ISBN 978-4-08-884695-8
- 「おくりもの」 2025年12月4日発売[18]、ISBN 978-4-08-884865-5
- 「跪け」 2026年3月4日発売[19]、ISBN 978-4-08-884874-7
- 「光星」 2026年3月4日発売[20]、ISBN 978-4-08-885043-6