2026 FIFAワールドカップ・決勝
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2026 FIFAワールドカップ・決勝(英: 2026 FIFA World Cup final)は、国際サッカー連盟 (FIFA) が主催する男子サッカー代表チームの最高峰の大会である2026 FIFAワールドカップの第23回大会の最終戦。2026年7月19日にニューヨーク近郊のニュージャージー州のイーストラザフォードにあるメドウランズ・スポーツ・コンプレックスのニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで行われ、欧州王者スペインとがアルゼンチンを延長戦の末1-0で下し、2010年南アフリカ大会以来4大会ぶり2回目の優勝を果たした。
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トロフィーを掲げるスペイン代表 | |||||||
| 大会名 | 2026 FIFAワールドカップ | ||||||
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| (延長) | |||||||
| 開催日 | 2026年7月19日 | ||||||
| 会場 | NYNJスタジアム(イーストラザフォード) | ||||||
| 最優秀選手 |
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| 主審 |
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| 観客数 | 80,663人 | ||||||
| 天気 |
晴れ 気温:80 °F (27 °C) 湿度:40%[2] | ||||||
← 2022 2030 → | |||||||
背景
ファイナリスト
決勝に駒を進めたのは直近のUEFA欧州選手権(UEFA EURO 2024)の勝者で、早くから大会優勝候補と目されていたスペイン[3]と、前回2022年カタール大会のディフェンディングチャンピオンかつ直近のCONMEBOL南米選手権(コパ・アメリカ2024)の勝者で同じく優勝候補と目されていたアルゼンチン[4]の2ヶ国。
スペインの決勝進出は、2010年南アフリカ大会以来2度目で、この時は決勝でオランダを破り初優勝を遂げている[5]。前回大会ラウンド16でモロッコにPK戦で敗れた[6]直後の2022年12月8日にU-21代表監督のルイス・デ・ラ・フエンテが監督に昇格[7][8]、UEFA EURO 2024決勝ではイングランドを下して史上最多となる4度目の欧州タイトルに導いた[9][10]。スペインはデ・ラ・フェンテ体制の下で2024年3月26日のコロンビアとの国際親善試合以来無敗を続けており、本大会の決勝進出によりイタリアの持つ「37戦無敗」の欧州記録に並び、記録更新がかかっていた[11][12]。
アルゼンチンはこれが7度目の決勝進出で、自国開催の1978年大会、1986年メキシコ大会、前回大会に続く4度目の優勝を目指す[13](準優勝となった残る3回は1930年ウルグアイ大会、1990年イタリア大会、2014年ブラジル大会)。コパ・アメリカ2024では2021年大会に続く連覇を果たし、前人未踏の16回目の優勝を果たしている[14]。ディフェンディングチャンピオンのファイナル進出は前回大会のフランスに続いて2大会連続で、1934年イタリア大会・1938年フランス大会を連覇したイタリア及び1958年スウェーデン大会・1962年チリ大会を連覇したブラジルに続く64年ぶり(16大会ぶり)3ヶ国目の「FIFAワールドカップ連覇」を目指していた[15]。
スペインとアルゼンチンは過去(1952年以降)14回対戦しており、両チームが6勝ずつで互角の戦績となっている。共に長年の強豪国ながらFIFAワールドカップでの対戦はわずかに1回で、1966年7月13日に行われた1966年イングランド大会グループ2の第1節で対戦し、アルゼンチンが2-1で勝利した。直近の対戦は2018年3月27日にエスタディオ・メトロポリターノで行われた国際親善試合で、この時はスペインが6-1で勝利している[16]。なお、両者はUEFA EURO 2024勝者とコパ・アメリカ2024勝者として2026年3月27日にルサイル・スタジアム(カタール)で行われる予定だったフィナリッシマ2026で対戦予定だったものの、中東情勢の悪化に伴い大会が中止になっており[17]、現大陸王者同士がワールドカップ決勝で対戦する初めての試合となる[18]。また、1992年にFIFAランキングが導入されて以来、大会開始直前のFIFAランキングで上位2チーム(2026年6月11日時点でアルゼンチンが1位、スペインが2位[19])がワールドカップ決勝で相まみえる初のケースともなる。また、決勝進出チームが両方ともスペイン語圏のチームであるのは、ウルグアイとアルゼンチンが対戦した1930年ウルグアイ大会以来2度目であった[20]。
会場


FIFAは2023年3月16日に決勝戦の日程を発表した[21] 。決勝戦の開催地は2024年2月4日に発表された[22]。当初は2023年後半に発表される予定だったが、計画上の困難さから延期された[23]。
決勝戦の開催地として選ばれたのは、ニューヨーク市から西に16km離れたニューヨーク州ニュージャージー州イーストラザフォードにあるメットライフ・スタジアム[24]。大会期間中は、FIFAのスポンサーポリシー(施設命名権行使禁止規定)により、「ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアム」(NYNJスタジアム)と称する[25][26][27]。メットライフ・スタジアムは、2009年のオープン以来、主にナショナルフットボールリーグ(NFL)のニューヨーク・ジャイアンツとニューヨーク・ジェッツが使用してきたスタジアムで[24]、収容人数は82,500席。2014年には第48回スーパーボウル、2016年にはコパ・アメリカ・センテナリオ決勝、2025年にFIFAクラブワールドカップ決勝が開催されている[28][29][30]。
このスタジアムでは、ワールドカップの決勝戦以外にも7試合が開催された。大会期間中は、定期運行のないシャトル列車であるメドウランズ鉄道線と[31]、3500万ドルをかけて新設されたバス専用道路が、最寄りの交通ハブであるセコーカス・ジャンクションから観客を輸送するために計画されている[24][32]。 両サービスを運営するNJトランジットは、ニューヨーク・ペン駅に専用レーンを設けて列車のチケットを150ドル、バスの運賃を80ドルで販売する予定である。これらの費用は、メットライフ・スタジアムの通常のイベント料金よりも高額であるが、FIFAやその他の助成金で補助されなかったイベントサービスとセキュリティの提供にかかる4800万ドルの費用を相殺するために発表された[33][34]。2026年5月、NJトランジットは、スポンサーシップやその他の資金調達により、運賃を150ドルから105ドルに30%削減できると発表した[35]。
決勝の開催地については、2018年6月13日の開催地決定の時点で準々決勝以降のすべての試合をアメリカで行うことが計画されており[36][37]、具体的には決まっていなかったものの、ニューヨーク市に近いことと、主要なスポーツイベントの開催経験があることから、メットライフ・スタジアムが早い段階で最有力候補に挙げられていた[38][39][40]。主な競合相手は、ロサンゼルス近郊のカリフォルニア州イングルウッドにある新しいスタジアム、SoFiスタジアム(ロサンゼルス・スタジアム)で、2022年6月に発表されたアメリカ合衆国の10スタジアムのうちの1つだった。 1994年の男子決勝と1999年の女子決勝が開催されたロサンゼルス地域の会場であるカリフォルニア州パサデナのローズボウルは、老朽化のため大会には選ばれなかった[41]。
SoFiスタジアムは主にアメリカンフットボール用に設計されたもので、フィールドの幅は69ヤード(63メートル)で、FIFAが推奨する寸法よりも狭い[42]。メディアの報道によると、スタジアムの所有者であるクロエンケ・スポーツ&エンターテインメント(KSE)もFIFAが提案した収益分配契約に不満を抱いており、ワールドカップの試合を開催する計画をキャンセルすると脅した[43][44]。2023年初頭、ダラス地域のAT&Tスタジアム(ダラス・スタジアム)が、 90,000席というより高い収容人数と、より広いフィールドに対応するための改修が予定されていることから、決勝戦の開催地として推す報道がダラスのメディアから浮上した[45][46]。2024年1月、メットライフ・スタジアムも、ワールドカップのためにコーナーの座席1,740席を撤去してフィールドを広げる同様の計画を発表した[47]。ジ・アスレチックによると、メットライフ・スタジアムの選定は地元当局にとって「サプライズ」となり、発表のために小規模な観覧パーティーが開かれた。ダラスの入札は人気があり、1月には勝者になるという噂も流れていたが、チケット収入を増やすために近隣の2つの会場で試合を同時中継することも含まれていた[48]。
試合球

2026 FIFAワールドカップ準決勝、3位決定戦、決勝の公式試合球は、2026年7月6日に発表された。これは、大会の残りの試合で使用されたアディダス・トリオンダのバリエーションで、アディダス・トリオンダ・ファイナルと呼ばれている[49]。ボールの技術的な側面は同じだが、色はグループステージやその前のノックアウトステージで使用されたトリオンダボールとは異なり、金、黒、赤の配色で、開催都市の名前が印刷されている。これは、チームガイスト[50]、ジャブラニ[51]、ブラズーカ[52]、テルスター18[53]、およびアル・リフラ[54]に続く、FIFAワールドカップ決勝戦用の6番目の特別なボールである。
審判団
2026年7月16日、スロベニア人のスラヴコ・ヴィンチッチが決勝の主審に指名され、同じくスロベニア人のトマシュ・クランチニクとアンドラシュ・コヴァチッチが副審に任命された[55]。ヴィンチッチは2010年にFIFAの審判員となり[56]、以前にはUEFA EURO 2020と2024、2022 FIFAワールドカップで主審を務めた経歴があり、UEFAヨーロッパリーグ2021-22決勝とUEFAチャンピオンズリーグ2023-24決勝でも主審を務めた[57]。大会序盤では、ヴィンチッチはグループステージのグループCのブラジル対モロッコとグループJのヨルダン対アルジェリアの試合、ラウンド32のメキシコ対エクアドルの試合を担当した。ヨルダン人のアドハム・マハドメとモハマド・アル=カラフがそれぞれ第4審判と第5審判に任命された[55]。
出席要人

アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプは試合に出席し、優勝チームにトロフィーを授与した。併せて、優勝チームには北米のスポーツリーグで使用されているものと同様のチャンピオンリングが30個贈られた[58]。
決勝戦にスペイン国王フェリペ6世、レティシア王妃、その子息たち、スペイン首相ペドロ・サンチェスは試合に出席すると発表した。アルゼンチン大統領ハビエル・ミレイは迷信深いという理由で出席を辞退した[59][60]。他の2つの共同開催国を代表するメキシコ大統領クラウディア・シェインバウムとカナダ首相マーク・カーニーは、トランプ大統領の招待を受けて決勝戦に出席した[61]。
欧州サッカー連盟 (UEFA) 会長のアレクサンデル・チェフェリンは、本大会における一連の騒動(特にフォラリン・バログンの出場停止執行猶予措置に対して)への抗議の意味を込めて、決勝戦を欠席した[62]。
注目度
政治家や王族の他にも、多数の世界的有名人が決勝戦を現地観戦した。映画界からはトム・クルーズ、マット・デイモン、ティモシー・シャラメ、ケビン・ハート、トビー・マグワイアなど、音楽界からはビヨンセ、ジェイ・Z、リアーナ、シアラなどが観戦した[63]。アメリカで最も人気のあるスポーツであるNFLのスター選手ではトム・ブレイディ、パトリック・マホームズ、オデル・ベッカム・ジュニア、ロブ・グロンコウスキー、ジャクソン・ダートなど、NBAのスター選手ではドウェイン・ウェイド、ジェームズ・ハーデン、ドレイモンド・グリーン、ジェイレン・ブランソンなど、テニス選手ではカルロス・アルカラスなどが観戦した[63]。ファッション界からはアナ・ウィンター、カーリー・クロス、アシュリー・グラハムなどが観戦した[63]。世界の億万長者や多国籍企業のトップも参列し、Google及びGoogleの親会社AlphabetのCEOであるスンダー・ピチャイなどが観戦した[64]。
決勝戦の全米平均視聴者数は6640万人を記録した[65]。スーパーボウルを除く21世紀の全米スポーツ中継で最多となり、ワールドシリーズやNBAファイナルの20世紀を含めた歴代最多記録を大幅に上回った[65]。収容人数8万人以上の巨大スタジアムが満員となる一方、平均チケット価格は1万2751ドル(約206万円)に跳ね上がり、2024年のスーパーボウルを上回るスポーツ史上最も高額な試合となった[66]。
エンターテイメント
閉会式

2026年7月14日、FIFAは本大会の「閉会式」(closing ceremony)を、決勝の試合前に行うことを明らかにし(現地時間13:30開始)、出演者を公表した[67][68]。バリッチ・ワンダー・スタジオ (Balich Wonder Studio) がプロデュースするこのセレモニーにはラウラ・パウジーニ、ニコール・シャージンガー、ロビー・ウィリアムズ、アイ・ショー・スピードのパフォーマンスに加え、トム・クルーズの特別出演もあった。
ヘッドライナーはポスト・マローンが務め、セレモニー内ではジェニファー・ハドソンがアメリカ合衆国国歌「星条旗」を歌唱したほか、アメリカ建国250周年記念行事の一環として、クリストファー・マッキオが「アメリカ・ザ・ビューティフル」を歌唱した[69]。
ハーフタイムショー

2024年9月28日、FIFAは、ナショナルフットボールリーグ(NFL)のスーパーボウルと同様のワールドカップ決勝戦のハーフタイムショーをグローバル・シチズンが共同制作すると発表した。これはFIFAワールドカップ史上初のハーフタイムショーとなった[70]。2025年3月5日、FIFAは、コールドプレイが最終出演者リストの作成に協力し、決勝の週末にタイムズスクエアでコンサートを開催すると発表した[71]。2026年5月13日、マドンナ、シャキーラ、BTSがハーフタイムショーのヘッドライナーを務め、ショーの長さは11分から15分であることが発表された[72]。このショーは、FIFAグローバルシチズン教育基金のために1億ドルを集めることも目的としていた[72]。
ショーのヘッドライナーはマドンナ、シャキーラ、ジャスティン・ビーバー、BTSだった。また、グスターボ・ドゥダメル、ニューヨーク・フィルハーモニック、シモン・ボリバル交響楽団、ビジャン・モルタザヴィ、エレクトリック・メイヘム、バーナ・ボーイ、ゲットー・キッズ、マペット、エマニュエル・ケリー、PS22コーラスによるゲストパフォーマンスや、テレビシリーズ「テッド・ラッソ」のキャラクターとしてジェイソン・サダイキスとブレンダン・ハントがゲスト出演した[73]。
ハーフタイムショーは、サッカー解説者やファンから、商業化されすぎている、試合の望ましくないアメリカ化であるとして批判された[74][75]。パフォーマンスと分析を含めたハーフタイムの所要時間は20分を超えると予想されていた[76]。成文化された競技規則ではハーフタイムは15分を超えてはならないと規定されているが、コパ・アメリカ2024決勝とFIFAクラブワールドカップ2025決勝の過去のハーフタイムショーはそれぞれ24分に達していた[75][77]。本決勝ハーフタイムは27分間続いた[78][79]。
決勝までの道のり
| スペイン |
ラウンド | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対戦相手 | 結果 | グループステージ | 対戦相手 | 結果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 0–0 | 第1戦 | 3–0 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 4–0 | 第2戦 | 2–0 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 1–0 | 第3戦 | 3–1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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順位表 |
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| 対戦相手 | 結果 | ノックアウトステージ | 対戦相手 | 結果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 3–0 | ラウンド32 | 3–2 (延長) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 1–0 | ラウンド16 | 3–2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2–1 | 準々決勝 | 3–1 (延長) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2–0 | 準決勝 | 2–1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スペイン

スペインは、カーボベルデ、サウジアラビア、ウルグアイとともにグループHに振り分けられた。チームは、プライバシーを確保し、アトランタのアトランタ・スタジアムで行われる最初の2試合に近いことから、テネシー州チャタヌーガにベースキャンプを設営した[80]。グループステージの初戦はワールドカップ初出場となるカーボベルデと6月15日にアトランタ・スタジアムで対戦したが、試合は0-0の引き分けに終わった[81]。6月21日の2戦目はサウジアラビアと対戦。試合開始早々にラミン・ヤマルが先制点を挙げ、ミケル・オヤルサバルが前半だけで2得点。後半はハッサーン・タムバクティのオウンゴールで点差を広げ、4-0で勝利を収めた[82]。6月26日の第3戦はグアダラハラ近郊のエスタディオ・グアダラハラでウルグアイと対戦。前半終了直前にアレックス・バエナがゴールを決め、これを守り切って1-0で勝利し、勝ち点7でグループHを首位で通過した[83]。

ラウンド32は7月2日にロサンゼルス・スタジアムでグループJ2位オーストリアと対戦。オヤルサバルの2ゴールと右サイドバックのペドロ・ポロのヘディングシュートで3–0で勝利し、オーストリアのGKアレクサンダー・シュラーガーの堅守を破った。BBCスポーツが「圧倒的」と評したこのパフォーマンスは、2010年大会決勝以来のスペインのノックアウトステージでの初勝利となった[84]。ラウンド16は7月6日にダラス・スタジアムでポルトガルと対戦。スペインの攻撃陣は得点の明確なチャンスをほとんど得られなかったが、交代出場のミケル・メリーノがアディショナルタイムに入った1分にゴールを決め、1-0で勝利した[85]。準々決勝は7月10日にベルギーと対戦。前半30分にファビアン・ルイスがベルギーのGKティボ・クルトゥワのこぼれ球を押し込んでスペインが先制したが、41分にベルギーのシャルル・デ・ケテラーレがヘディングシュートを決め同点に追いつく。クルトゥワは何度かセーブを見せたが、後半に負傷で退場。交代したセンヌ・ラメンスはこぼれ球を拾えず、メリーノが88分に決勝ゴールを決め、スペインが2–1で勝利した[86]。準決勝は7月14日に大会優勝候補の一つであるフランスと対戦。フランスはそれまでの6試合で相手を16-2で圧倒し、4試合で無失点を維持していた[87]。準決勝までに、チームはベースキャンプからメキシコとアメリカ合衆国で行われた試合まで12,000マイル(19,000 km)以上移動した[88]。中盤のロドリを中心としたスペインの堅固な守備はフランスの攻撃をしのぎきり、ヤマルが試合開始22分に得たペナルティキックをオヤルサバルが決め先制、その後58分のダニ・オルモからペドロ・ポロへのワンツーパスからのゴールにより2–0で勝利し決勝進出を決めた[87][89]。
アルゼンチン


アルゼンチンはアルジェリア、オーストリア、ヨルダンとともにグループJに振り分けられた。グループステージの初戦は6月16日にカンザスシティ・スタジアムでアルジェリアと対戦、リオネル・メッシのハットトリックで3–0で勝利した[90]。6月22日にダラス・スタジアムで行われた2戦目のオーストリア戦も2–0で勝利[91]。6月27日の第3戦はワールドカップ初出場のヨルダンと対戦し、MFジオバニ・ロ・チェルソの先制点でリードを奪い、FWラウタロ・マルティネスのペナルティキックで前半のうちに2点リード。後半、ヨルダンはムーサ・アッ=タアマリーのゴールで1点を返すも、メッシがダメ押し点を挙げて3-1で勝利し、グループ全勝でノックアウトステージ進出を決めた[92]。
ラウンド32は7月3日にマイアミ・スタジアムでグループHを2位で通過した初出場のカーボベルデと対戦。試合は一進一退の攻防となり、29分にメッシのゴールでアルゼンチンが先制するも、59分にデロイ・ドゥアルテのゴールでカーボベルデが同点に追いつく。試合はそのまま延長戦に突入し、92分にアルゼンチンがリサンドロ・マルティネスのゴールでリードするも、103分にシドニー・ロペス・カブラルのゴールでカーボベルデが再び同点に追いつく。最終的には111分にメッシのコーナーキックがクリスティアン・ロメロに当たり、さらにディニーの腕に当たってオウンゴールとなり三度勝ち越し、アルゼンチンが3–2で激闘を制した[93][94]。7月7日のラウンド16では、アルゼンチンはアトランタでエジプトと対戦。15分と67分に2ゴールを決められ2点リードを許す展開となるも、残り11分でロメロがヘディングでゴールを決め反撃開始、4分後の83分にはメッシがゴールを決めて同点匂い付き、90+2分にエンソ・フェルナンデスのゴールで2点差をひっくり返し、3–2で勝利した[95]。

7月11日にカンザスシティで行われた準々決勝では、アルゼンチンはスイスと対戦。10分にアレクシス・マック・アリスターが先制点を挙げるも、67分にダン・ンドイに同点ゴールを許し追いつかれる。スイスのブレール・エンボロが退場処分となり数的優位となったものの90分では勝ち越しゴールを挙げられず、同点のまま延長戦に突入すると、フリアン・アルバレスとラウタロ・マルティネスが得点を挙げ、3–1で勝利した[96]。7月15日にアトランタで行われた準決勝では60年ぶりの優勝を目指すイングランドと対戦。前半は無得点だったが、55分にアンソニー・ゴードンのゴールでイングランドが先制。しかしアルゼンチンはフェルナンデスの85分のゴールで同点に追いついた後、ラウタロ・マルティネスが90+2分にヘディングシュートを決め、2–1で勝利し、2大会連続のワールドカップ決勝進出を果たした[97]。
試合
概要
前半
試合は序盤からスペインがボールポゼッションを高め、アルゼンチンに攻撃のリズムを与えなかったものの、アルゼンチンも堅い守備で得点を許さなかった。立ち上がり4分、スペインMFラミン・ヤマルがMFダニ・オルモとのワンツーで抜け出しゴールに迫るも、アルゼンチンのGKエミリアーノ・マルティネスに足で阻まれる。16分にはヤマルがグラウンダーのシュートを放つもエミリアーノ・マルティネスがキャッチする。39分にはスペインFWミケル・オヤルサバルがロングシュートを放ち、前半終了間際にはスペインDFマルク・ククレジャが遠目からのシュートを放つも枠を外れる。この直後、アルゼンチンはDFリサンドロ・マルティネスが負傷しDFニコラス・オタメンディとの交代を余儀なくされた。前半は両チーム無得点で終了する[98]。
後半
後半開始直後、スペインはアルゼンチンのビルドアップミスにつけ込み、ボールはスペインFWアレックス・バエナの足元へ転がりシュートを放つも、エミリアーノ・マルティネスのセーブに遭う。スペインの攻勢は続き、53分にはファビアン・ルイスがオヤルサバルと連携してチャンスを狙ったが、得点には至らず。その1分後には、ダニ・オルモがククレジャを狙ってクロスを上げたが、アルゼンチンDFゴンサロ・モンティエルに阻止される。66分にはヤマルが右サイドを突破してゴールライン際に迫ってクロスを上げるも、途中出場のFWフェラン・トーレスの頭には合わずエミリアーノ・マルティネスがキャッチ、ビッグチャンスを逃した[98]。
終盤にはスペインが主導権を握るもエミリアーノ・マルティネスの好セーブに阻まれ続ける、76分にはペドリのシュート、その1分後にはパウ・クバルシのシュートを防ぎ、80分にはニコ・ウィリアムズのクロスにアイメリク・ラポルテが頭で合わせたボールも、手中に収めた。防戦一方となっていたアルゼンチンも反撃に転じ、90+3分にはジュリアーノ・シメオネがクロス気味のシュートを放つもスペインGKウナイ・シモンが難なくキャッチ。直後のカウンターの局面も、ニコ・ウィリアムズのシュートがエミリアーノ・マルティネスにセーブされた[98]。そこからのアルゼンチンのカウンターの局面で、アルゼンチンMFエンソ・フェルナンデスがスペインDFクバルシを倒しこの試合2枚目のイエローカードを提示され退場[99][100]、アルゼンチンは残りの時間を10人で戦う羽目になった。後半終了間際にはヤマルがフリーキックを蹴ったが、エミリアーノ・マルティネスに弾き返され、両チーム無得点のまま試合は延長戦に突入することとなった[98]。
アルゼンチンは前後半で90分間で1本のシュートも放てないという、ワールドカップ決勝史上初の不名誉な記録を負うこととなった[99][100]。
延長戦
後半に入ってもスペインの攻勢は変わらず、93分にはニコ・ウィリアムズがシュートを放ったが、エミリアーノ・マルティネスがセーブ。3分後には、ミケル・メリーノのプレーからボールがウィリアムズに渡り、得点したかに見えたが、メリーノがエミリアーノ・マルティネスにファウルをしたとしてゴール取り消し。その後、102分にメリーノがヘディングシュートを放ったが枠を外れ、得点できない時間が続いた。
しかし延長後半開始直後に試合が動く。スペインDFペドロ・ポロの右サイドからのクロスをゴール左でニコ・ウィリアムズが頭で折り返し、フリーになったフェラン・トーレスが左足で合わせてついにスペインが1-0と先制に成功する。113分にはカウンターからフェラン・トーレスが抜け出して1対1の局面を作り出し2点目を決めたかに見えたが、オフサイドでゴールは取り消された[98]。
試合の最終盤、アルゼンチンが猛攻を仕掛ける。115分、メッシがようやくチームの最初のシュートを放つと、119分にメッシのスルーパスに抜け出したジュリアーノ・シメオネがDFマルコス・セネシにクロスを送るが、スペインDFクバルシのクリアに阻まれる。直後のメッシのコーナーキックからジュリアーノ・シメオネがボレーシュートを放つが、枠を大きく超えてしまう。このまま1-0で逃げ切ったスペインが2回目のワールドカップ制覇を果たした。しかし試合終了後、スペインの控え選手が祝うためにピッチに入った際にアルゼンチンのナウエル・モリーナがスペインのロドリを殴ったように見え、レアンドロ・パレデスは乱闘中にエリック・ガルシアの喉を突き飛ばし、ガビを地面に押し倒すといった狼藉を働く[注釈 1]など、後味の良くない結末となった[104][105]。
結果
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試合ルール[106] |
統計
| 統計 | ARG | |
|---|---|---|
| ゴール数 | 1 | 0 |
| 合計シュート数 | 20 | 2 |
| 枠内シュート数 | 12 | 0 |
| ボール保持率 | 65% | 35% |
| コーナーキック | 9 | 4 |
| ファウル数 | 21 | 25 |
| オフサイド数 | 4 | 1 |
| イエローカード | 0 | 7 |
| レッドカード | 0 | 1 |
優勝国
| 2026 FIFAワールドカップ優勝国 |
|---|
スペイン 4大会ぶり2回目 |
挿話
- 2007年、FCバルセロナが地元紙スポルトとスポンサーだった国際連合児童基金 (UNICEF) との共同チャリティ企画で地元の子供達との写真を収めたカレンダーを制作。その際、バルセロナ在籍中で当時20歳のリオネル・メッシが沐浴させた乳児が、生後5ヶ月のラミン・ヤマルだった(ヤマルの父親が応募し当選したもの)[107]。この撮影から19年を経て、メッシとヤマルがアルゼンチンとスペインの主力としてFIFAワールドカップ決勝で相まみえることになり、メッシ自身も前日記者会見で「ワールドカップ決勝でプレーできるなんて信じられない」と述べるなど、試合前の話題となった[108][109]。
- スペインは2023 FIFA女子ワールドカップで優勝しており、男女のFIFAワールドカップを同時に獲得した最初の国となった[110][111]。
- 試合後の表彰式で、FIFAワールドカップトロフィーがFIFA会長ジャンニ・インファンティーノとアメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプによってロドリに授与されたが、2人の登場時にはラウンド16でのアメリカ代表FWフォラリン・バログンの出場を巡る騒動に絡めて、会場内からブーイングが起こった[112][113]。また、ロドリがトロフィーアップしようとしたとき、トランプはステージから降りることを拒否し、トロフィーアップの写真に写り込み、メディアからは「セレモニーを妨害した」と伝えられた[114]。
関連項目
- FIFAワールドカップにおけるスペイン代表
- FIFAワールドカップにおけるアルゼンチン代表
- 1994 FIFAワールドカップ・決勝 – アメリカ合衆国で開催された最後のワールドカップ決勝戦。
- コパ・アメリカ・センテナリオ決勝 – 10年前、アルゼンチン代表も出場したコパ・アメリカと同じ会場で行われた。
- FIFAクラブワールドカップ2025・決勝 – 1年前のクラブワールドカップと同じ会場で開催。
- フィナリッシマ2026(両チームがカタールで対戦する予定だった試合)は、決勝の4か月前に開催されたが、安全上の懸念から中止となった。