40ヤード走

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40ヤード走(40ヤードそう、40-yard dash)とは、アメリカンフットボールの選手が持つスピード及び加速力を40ヤード(36.58m)走ることで評価する指標の一つであり、NFLスカウティングコンバインのテスト項目である。

概要

純粋なスピードが求められるポジションであるランニングバックワイドレシーバーディフェンシブバックは、このタイムが重要視される。コーナーバックは敵のワイドレシーバーと正対した状態で走るため、バック走英語版のタイムが重要視される[1]

手動によるストップウォッチでの計測では0.25秒単位の誤差が出るため、現在ではレーザー光線が張られた40ヤードラインからエンドゾーンまでの純粋な通過タイムを計測する。

「40ヤード」という距離はパントキックの平均距離に基づいて決められており[2]、4.5秒(40ヤードラインからキッカーが蹴ったボールが地面に着地するまでのタイム)を切るとランニングバックワイドレシーバーディフェンシブバックはNFLコンバインの平均だといわれている。

電気計測が採用された1999年以降のNFLコンバイン公認歴代最速記録はゼイビア・ウォージーが記録した4.21秒(2024年)である[3]。                                

1999年以前の記録として1986年ダレル・グリーンの4.09秒、ボー・ジャクソンの4.12秒(4.13秒とも)などが有るがいずれも非公認記録であり、陸上のクリスチャン・コールマンが電気計測で4.12秒を記録したと主張しているが非公認記録である。

Reel Analyticsによると40ヤード走測定における歴代最高速度は2022年に歴代3位の4.23秒を記録したKalon Banes25.1mph(40.39Km/h)である。2023年以降のNFLコンバインでは公式で最高速度を計測しており、2023年以降の最高速度は2023年にケイリー・リンゴの40ヤード走4.36秒における最高速度の24.55mph(39.51km/h)である[4]

ゼイビア・ウォージーの歴代最速タイム4.21秒における最高速度は24.41mph(39.28Km/h)[5]であり、タリク・ウォーレンが記録した40ヤード4.26秒における最高速度の24.8mph(39.91km/h)のみならず、Bo Meltonが記録した40ヤード4.34秒における最高速度の24.5mph(39.43km/h)や、前述のケイリー・リンゴの40ヤード4.36秒における最高速度にも劣るなど、40ヤード走は競技性として40ヤード区間においていかに速く移動するかであり、純粋なスピードも必要だが、それよりも瞬発力や加速区間の適正が必要な種目である。そのため下記の通り、より長い距離で競う陸上競技との一定度の相関はあれど全くの別競技と言える。

アメリカンフットボールの競技性においてコーナーバックなどの一部のポジションを除くと、普段40ヤードを走る機会はそこまで多くなく、オフェンシブラインマンを始めとした10ヤードも走行しないポジションでは40ヤード走はあまり重要視されず、そのため途中経過の10ヤード地点でのスプリットタイムを計測しており重宝される。10ヤード走の公認歴代最速タイムは2008年にクリス・ジョンソンが記録した40ヤード走歴代4位の4.24秒における10ヤード1.40秒である[4]

陸上競技との相関

NFL選手で元陸上競技有力選手の記録比較
  • トリンドン・ホリデイ(2009年NCAA100m走優勝): 40ヤード4.34秒、60m走6.54秒、100m走10.00秒 
  • ジェイコビー・フォード(2009年NCAA60m走優勝、2009年当時60m走NCAA歴代2位): 40ヤード4.28秒(コンバイン歴代16位タイ)、60m走6.51秒、100m10.01秒 
  • ジェフ・デンプス(2010年NCAA60m走優勝,100m走優勝、2012年ロンドン五輪4x100mリレー銀メダル→リレーメンバーのドーピング違反により剥奪): 40ヤード4.26秒(計測法不明)、60m走6.52秒、100m10.01秒
  • タイリーク・ヒル(2012年U20世界陸上200m走3位,4x100mリレー優勝):40ヤード4.29秒(プロデイ式手動計測)、60m走6.64秒、100m走10.15秒(当時10.18秒)、200m走20.14秒
  • アンソニー・シュワルツ(2018年U20世界陸上100m走準優勝,4x100mリレー優勝): 40ヤード4.26秒(プロデイ式手動計測)、60m走6.59秒、100m走10.09秒
陸上選手で元カレッジフットボール選手および元NFL練習生もしくは元カレッジフットボール選手の記録比較
  • ジョン・カペル(2003年世界陸上200m走優勝,4x100mリレー優勝): 40ヤード4.39秒、60m走6.48秒(当時6.62秒)、100m走9.85秒(当時10.03秒)、200m走19.85秒
  • マービン・ブレーシー(2022年世界陸上100m走準優勝,4x100mリレー優勝): 40ヤード4.30秒(プロデイ式手動計測)[6]、60m走6.44秒(当時6.48秒)、100m走9.85秒(当時9.93秒)
  • ジョーダン・アンソニー(60m走世界歴代4位、2026年世界室内陸上60m走優勝): 40ヤード4.27秒(2024年1月時点での自己ベスト:計測法不明)[7]、60m走6.41秒(当時6.54秒)、100m走9.95秒(当時10.16秒)

40ヤード走の非公認記録

ダレル・グリーンは1986年のワシントン・レッドスキンズのトレーニングキャンプにおいて4.09秒を記録しており[8]非公認の史上最速記録と目されている。また40歳の時に4.24秒を記録しており、50歳の時に4.43秒を記録している。

ボー・ジャクソンオーバーン大学時代に4.12秒及び4.18秒を記録したと主張している[9][10][11]

マイアミ・ドルフィンズのJakeem Grantはテキサス工科大学時代の2016年にニューオーリンズ・セインツのスカウティングコンバインで手動計測ながら4.1秒を記録している[12]

ディオン・サンダースは1989年に4.27秒を記録している[13]

元陸上選手でラグビー選手のカーリン・アイルズはNFL挑戦に失敗した2013年にデトロイト・ライオンズのスカウティングワークアウトで4.22秒を記録しているものの[14]、2019年に自身のXで手動計測ではないが助走付きの測定方法である事を公表している。

NFLスカウティングコンバインにおける40ヤード走の公認記録一覧

電子計測が導入された1999年以降の公認記録である[15][16]

さらに見る 記録, 氏名 ...
記録氏名身長体重ポジション大学ドラフト指名年ドラフト指名チーム及び順位
4.21ゼイビア・ウォージー5 ft 11 in (180 cm)172 lb (78 kg)ワイドレシーバーテキサス大学オースティン校2024年 カンザスシティ・チーフス全体28番目
4.22John Ross5 ft 11 in (180 cm)188 lb (85 kg)ワイドレシーバーワシントン大学2017年シンシナティ・ベンガルズ全体9番目指名
4.23 Kalon Banes 6 ft 0 in

(1.83 m)

186 lb (84 kg) コーナーバック ベイラー大学 2022年 カロライナ・パンサーズ全体22番目指名
4.24Rondel Menendez5 ft 9 in (175 cm)192 lb (87 kg)ワイドレシーバーイースタンケンタッキー大学1999年アトランタ・ファルコンズ全体247番目指名
クリス・ジョンソン5 ft 11 in (180 cm)192 lb (87 kg)ランニングバックイーストカリフォルニア大学2008年テネシー・タイタンズ全体24番目指名
4.26Jerome Mathis5 ft 11 in (180 cm)184 lb (83 kg)ワイドレシーバーハンプトン大学2005年ヒューストン・テキサンズ全体114番目指名
Dri Archer5 ft 8 in (173 cm)173 lb (78 kg)ランニングバックケント州立大学2014年ピッツバーグ・スティーラーズ全体97番目指名
タリク・ウォーレン 6 ft 4 in

(1.93 m)

205 lb

(93 kg)

コーナーバック テキサス大学サンアントニオ校 2022年 シアトル・シーホークス全体153番目指名
D.J.Turner 6 ft 0 in (183 cm) 178 lb

(81 kg)

コーナーバック ミシガン大学 2023年 シンシナティ・ベンガルズ全体60番目指名
Brenson Thompson 5 ft 9 in (175 cm) 164lb

(74kg)

ワイドレシーバー ミシシッピ州立大学 2026年
4.27 Tyrone Calico 6 ft 4 in

(1.93 m)

228 lb

(103 kg)

ワイドレシーバー ミドルテネシー大学 2003年 テネシー・タイタンズ全体60番目指名
Stanford Routt6 ft 2 in (188 cm)193 lb (88 kg)コーナーバックヒューストン大学2005年オークランド・レイダース全体38番目指名
Marquise Goodwin5 ft 10 in (178 cm)181 lb (82 kg)ワイドレシーバーテキサス大学オースティン校2013年バッファロー・ビルズ全体78番目指名
Henry RuggsⅢ 6 ft 0 in

(1.83 m)

190 lb (86 kg) ワイドレシーバー アラバマ大学 2020年 ラスベガス・レイダース全体12番目指名
Lorenzo Styles Jr. 6 ft 0 in

(1.83 m)

194 lb

(88kg)

コーナーバック オハイオ州立大学 2026年
4.28チャンプ・ベイリー6 ft 0 in (183 cm)192 lb (87 kg)コーナーバックジョージア大学1999年ワシントン・レッドスキンズ全体7番目指名
Jacoby Ford5 ft 9 in (175 cm)190 lb (86 kg)ワイドレシーバークレムゾン大学2010年オークランド・レイダース全体108番目指名
DeMarcus Van Dyke 6 ft 1 in (185 cm) 187 lb (85 kg) コーナーバック マイアミ大学 (フロリダ州) 2011年 オークランド・レイダース全体81番目指名
J. J. Nelson5 ft 10 in (178 cm)156 lb (71 kg)ワイドレシーバーアラバマ大学バーミングハム校2015年アリゾナ・カージナルス全体159番目指名
Jalen Myrick5 ft 10 in (178 cm)200lb

(91 kg)

コーナーバックミネソタ大学ツインシティー校2017年ジャクソンビル・ジャガーズ全体222番目指名
タイクアン・ソーントン 6 ft 2 in (188 cm) 181lb

(82 kg)

ワイドレシーバー ベイラー大学 2022年 ニューイングランド・ペイトリオッツ全体50番目指名
ネイト・ウィギンズ 6 ft 1 in

(185 cm)

182 lb (83 kg) コーナーバック クレムゾン大学 2024年 ボルチモア・レイブンズ全体30番目指名
Maxwell Hairston 6 ft 1 in

(185 cm)

183lb (83 kg) コーナーバック ケンタッキー大学 2025年 バッファロー・ビルズ全体30番目指名
Zavion Thomas 5 ft 10 in (178 cm) 190 lb (86 kg) ワイドレシーバー ルイジアナ州立大学 2026年
4.29Fabian Washington5 ft 11 in (180 cm)188 lb (85 kg)コーナーバックネブラスカ大学リンカーン校2005年オークランド・レイダース全体23番目指名
ドミニク・ロジャース=クロマティ6 ft 2 in (188 cm)184 lb (83 kg)コーナーバックテネシー州立大学2008年アリゾナ・カージナルス全体16番目指名
Josh Robinson5 ft 10 in (178 cm)199 lb (90 kg)コーナーバックセントラルフロリダ大学2012年ミネソタ・バイキングス全体66番目指名
Zedrick Woods 5 ft 11 in (180 cm) 205 lb

(93 kg)

セイフティー ミシシッピ大学 2019年 ジャクソンビル・ジャガーズ

ドラフト外

Javelin Guidrey 5 ft 9 in (175 cm) 191lb

(87 kg)

コーナーバック ユタ大学 2020年 ニューヨーク・ジェッツ

ドラフト外

Matthew Golden 5 ft 11 in (180 cm) 191lb

(87 kg)

ワイドレシーバー テキサス大学オースティン校 2025年 グリーンベイ・パッカーズ全体23番目
4.30Darrent Williams5 ft 9 in (175 cm)176 lb (80 kg)コーナーバックオクラホマ州立大学2005年デンバー・ブロンコス全体56番目指名
Tye Hill5 ft 10 in (178 cm)185 lb (84 kg)コーナーバッククレムゾン大学2006年セントルイス・ラムズ全体15番目指名
Yamon Figurs5 ft 11 in (180 cm)174 lb (79 kg)ワイドレシーバーカンザス州立大学2007年ボルチモア・レイブンズ全体74番目指名
Darrius Heyward-Bey[17]6 ft 2 in (188 cm)210 lb (95 kg)ワイドレシーバーメリーランド大学カレッジパーク校2009年オークランド・レイダース全体7番目指名
Jamel Dean 6 ft 1 in

(185 cm)

206 lb

(93 kg)

コーナーバック オーバーン大学 2019年 タンパベイ・バッカニアーズ全体94番目指名
Jokorian Bennett 5 ft 11 in (180 cm) 188 lb (85 kg) コーナーバック メリーランド大学 2023年 ラスベガス・レイダース全体104番目指名
Darien Porter 6 ft 3 in

(191 cm)

195 lb

(88 kg)

コーナーバック アイオワ州立大学 2025年 ラスベガス・レイダース全体68番目指名
Dont'e Thornton 6 ft 5 in

(196 cm)

205 lb

(93kg)

ワイドレシーバー テネシー大学 2025年 ラスベガス・レイダース全体108番目指名
Deion Burks 5 ft 9 in

(1.75 m)

188 lb

(85kg)

ワイドレシーバー オクラホマ大学 2026年
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ポジション別の平均タイム

以下の表は2008年から2012年のNFLスカウティングコンバインにおける40ヤード走の各ポジションごとの平均タイムである。[18]

さらに見る ポジション, 秒数 ...
ポジション 秒数
ワイドレシーバー 4.48
コーナーバック 4.48
ランニングバック 4.49
フリーセイフティー 4.53
ストロングセイフティー 4.55
アウトサイドラインバッカー 4.60
タイトエンド 4.70
インサイドラインバッカー 4.76
フルバック 4.80
ディフェンシブエンド 4.80
クォーターバック 4.93
ディフェンシブタックル 5.06
センター 5.30
オフェンシブタックル 5.32
オフェンシブガード 5.37
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日本における40ヤード走記録

  • 40ヤード走日本記録は2016年3月に猪熊星也(当時立命館大学新4年生)の記録した4.32秒[19]と見なされている。
  • 日本人で史上唯一NFL練習生に到達した木下典明は40ヤード走4.40秒(計測法不明)を記録[20]
  • アメリカンフットボール日本代表である松井理己は2022年10月のNFLインターナショナルコンバインにて4.41秒を記録した[21]
  • アメリカンフットボール日本代表やボブスレー日本代表を務めた栗原嵩は2015年3月のベテランズコンバインにて40ヤード走4.54秒を記録している。

脚注

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