BMW・N53エンジン

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BMW N53エンジンは、BMWが2006年から2013年まで製造した自然吸気6気筒ガソリンエンジン。E60 5シリーズのマイナーチェンジモデルに初めて搭載され、その後3シリーズ325iなどに使用された。

BMW N53エンジン

前モデルは同じく自然吸気6気筒ガソリンエンジンのBMW・N52エンジン。N52がポート噴射だったのに対して、N53は直噴化されている[1]。また圧縮比が12.0まで高められた[2]。硫黄分の多い燃料が使われている米国、カナダ、オーストラリア、マレーシアといったエリアには、このエンジンは不適とされ、それらのエリアではN52エンジンがそのまま使用された[3]。直噴化のデメリットとして、シリンダーヘッドの容量不足により、N52が搭載していたバルブトロニック(可変バルブリフト)は搭載されなかった[4][5]。ボア・ストロークはN52エンジンと同一で、マグネシウム合金クランクケースの採用、ダブルVAMOS(可変バルブタイミング)搭載などもN52を踏襲している[2][6]。2.5リットルのN53B25と、3.0リットルのN53B30が存在する。N53エンジンは長らく日本導入が見送られてきたが、2010年7月より325i(E90、E91、E92)に搭載され、正規輸入が開始された。N53エンジンはN52エンジンから直噴化を果たしたものの、バルブトロニックの非搭載により、出力はN52エンジンに対してアドバンテージを持っていない。N52エンジンファミリーで最も高出力なのは272馬力なのに対して、N53のそれは260馬力に留まっている。また使用燃料の制限により、N52とN53エンジンも平行して製造され、双方のエンジンの生産時期は重複している。

不具合

N53エンジンは、N54エンジンなどと同じように、直噴化されたBMWの第一世代のエンジンである。エンジンルーム内部に高圧燃料ポンプ(High-Pressure Fuel Pump (HPFP))を装備するが、これの故障が頻発した[7][8]。初期モデルの高圧燃料ポンプは、1万マイル毎に故障したため、アメリカではレモン法による消費者保護対応の適応となり、故障が多発した車両をディーラーが買い戻すことになった[9]。また高価なピエゾタイプのインジェクターを採用しているが、これの故障も多かった。電気式ウォーターポンプの故障なども同時期のBMWエンジンに共通したトラブルである。

最後の自然吸気6気筒エンジンとして

N53エンジンの後継となるBMW直列6気筒エンジンは、BMW・N54エンジンBMW・N55エンジンであるが、これらはターボエンジンである。つまりBMWが設計した最後の量産車用自然吸気6気筒エンジンは、このN53エンジンである。しかしBMWによって最後まで生産されていた自然吸気6気筒エンジンは、2015年末まで製造されていたBMW・N52エンジンがBMW最後の自然吸気6気筒エンジンである(N53エンジンはN52エンジンより早い2013年に製造が打ち切られた)。

仕様

搭載車

出典

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