Claude
Anthropicによって開発されたAIチャットボット
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要
Anthropic社は、数あるAI企業の中でも特に倫理的なアプローチを重視しており、本AIが善悪を見極め適切なやり取りを行えるようにするために、「憲法AI(Constitutional AI)」と呼ばれる原則をシステムとして搭載している[3][4][5]。
「憲法AI」の原則は国連の世界人権宣言やGoogle DeepMindなど他のAI企業が提案するガイドラインを基に構成されており、生命、自由、個人の安全を尊重し、不適切、無神経、嫌悪感を与えるコンテンツを避けるよう設計されている。Claudeは、人間からの直接のフィードバックの代わりに、これらの原則に基づいて別のAIモデルが生成した回答例を使用して訓練されている[3]。
- 2026年1月、Claudeが守るべき原則文書は大きく改定され、「Claude's Constitution(クロードの憲法)」として一般公開された[6]。
モデル
モデルランク
| モデル | 位置づけ | 特徴 |
|---|---|---|
| Opus[7] | 最上位 | 高度な推論・長文解析・エージェント実行 |
| Sonnet | 標準 | バランス型、日常業務向け |
| Haiku | 高速 | 低レイテンシ・大量処理向け |
履歴
| バージョン | リリース日 | ステータス | 知識のカットオフ |
|---|---|---|---|
| Claude | 2023年3月14日 | 廃止 | |
| Claude 2 | 2023年7月11日 | 廃止 | |
| Claude Instant 1.2 | 2023年8月9日 | 廃止 | |
| Claude 2.1 | 2023年11月21日 | 廃止 | |
| Claude 3 | 2024年3月4日 | 廃止 | |
| Claude 3.5 Sonnet | 2024年6月21日 | 廃止 | 2024年4月 |
| Claude 3.5 Haiku | 2024年10月22日 | 廃止予定 | 2024年7月 |
| Claude 3.7 Sonnet | 2025年2月24日 | 廃止予定 | 2024年11月 |
| Claude Sonnet 4 | 2025年5月22日 | 稼働中 | 2025年3月 |
| Claude Opus 4 | 2025年5月22日 | 稼働中 | 2025年3月 |
| Claude Opus 4.1 | 2025年8月5日 | 稼働中 | 2025年3月 |
| Claude Sonnet 4.5 | 2025年9月29日 | 稼働中 | 2025年7月 |
| Claude Haiku 4.5 | 2025年10月15日 | 稼働中 | 2025年2月 |
| Claude Opus 4.5 | 2025年11月24日 | 稼働中 | 2025年5月 |
| Claude Opus 4.6 | 2026年2月5日 | 稼働中 | 2025年8月 |
| Claude Sonnet 4.6 | 2026年2月17日 | 稼働中 | 2025年8月[8] |
| Claude Opus 4.7 | 2026年4月16日 | 稼働中 | 2026年1月[9] |
Claude
2023年3月14日に公開された最初のモデル。「有益かつ正直で無害なAIアシスタント」としてAnthropic社によって開発された[4]。
Claude 2
2023年7月11日に公開。パフォーマンスと安全性が向上し、より長い回答を生成できるようになった[10]。また、Claude 1.3の米国司法試験の選択問題の正答率が73%だったのに対し、Claude 2では76.5%に向上し、北米の大学院進学試験であるGREの読解・作文テストで上位10%の成績を収めた[5]。
また、2024年1月16日にLifePromptが日本の大学入学共通テストを3つの生成AI(GPT-4、Bard、Claude 2)に受験させる実験を行ったところ、GPT-4が合計得点率66%で7科目中数学1A、数学2B以外の5科目で受験者平均得点率を上回ったのに対し、Claude 2は合計得点率51%で英語リーディング、世界史、日本史の科目で受験者平均得点率を上回り、Bardは合計得点率43%であり英語リーディング以外の全ての科目と合計得点率で受験者平均得点率を下回る結果となった[11]。
Claude 3
2024年3月4日に公開。上位からOpus、Sonnet、Haikuの3種類がある[12][13]。
テレビ番組のプロデューサーのマキシム・ロット[14]がノルウェーのメンサのIQテスト[15]を実施したところIQ101を記録した。これによってClaude 3 Opusはマキシム・ロットが試した中では一般公開されたAIとしてIQ100を超えた最初のAIになった。なお、この調査は専門家による論文発表ではなく、非専門家のテレビ番組プロデューサーがブログに書いた内容である[1][16]。
| AI | IQスコア | 35問中の平均正答数 | ランダム回答に勝つ確率 |
|---|---|---|---|
| Claude 3 Opus | 101 | 18.5 | 99.999999%+ |
| ChatGPT-4 | 85 | 13 | 99.9986% |
| Claude 2 | 82 | 12 | 99.9911% |
| Bing Copilot | 79 | 11 | 99.9314% |
| Gemini(normal) | 77.5 | 10.5 | 99.8212% |
| Gemini Advanced | 76 | 10 | 99.5894% |
| Grok | 68.5 | 7.5 | 87.9402% |
| Llama-2(Meta) | 67 | 7 | 80.3278% |
| Claude | 64 | 6 | 56.3155% |
| ChatGPT-3.5 | 64 | 6 | 56.3155% |
| Grok Fun | 64 | 6 | 56.3155% |
| ランダム回答 | 63.5 | 5.8333 | 50% |
Claude 3.5

2024年6月21日に中位モデルの Claude 3.5 Sonnet を発表した。上位モデルの Opus と下位モデルの Haiku も後日リリース予定。Claude 3 の最上位モデル Claude 3 Opus の2倍の速度で動作し、ベンチマークスコアは中位モデルでありながら Claude 3 Opus を上回った。開発している Anthropic はベンチマークスコアの平均点において、Claude 3.5 Sonnet は GPT-4o や Gemini 1.5 Pro を上回っていると主張している[17][18]。
Claude 3.7
2025年2月24日に推論モードを備えた Claude 3.7 Sonnet の提供が開始された。拡張思考モードでは、Claudeの思考プロセスを未加工の状態でユーザーが確認できる[19]。
Claude 4
2025年5月22日に開発者会議「Code with Claude」において Claude Opus 4 と Claude Sonnet 4 が発表された。上位モデルのOpus 4では、数千ステップに及ぶ複雑なタスクを数時間かけて自律的に実行できる。記憶能力の向上により、「ビデオゲームを24時間以上プレイし攻略ガイドを作成する」といったタスクも可能となる。Anthropicはこれを「アシスタントから真のエージェントへの進化」であると述べた[20]。
Claude Opus 4.1
2025年8月5日、Opus 4.1をリリースした。これにより、Opus 4と4.1では、複数回の拒否後も「継続的に有害または虐待的」な会話を最終手段として終了する機能も追加された[21]。
Claude Sonnet 4.5
2025年9月29日、Sonnet 4.5をリリースした。Claude Sonnet 4.5は、推論・数学・コーディングに大きな進歩を遂げた世界最高水準のモデルで、複雑なエージェント構築や実務での問題解決が強化された。チェックポイントやVS Code拡張、API強化など多数の製品アップデートと共に提供された[22]。
Claude Haiku 4.5
2025年10月15日、Haiku 4.5をリリースした。より高速で安価なアシスタントを必要とする中小企業をターゲットにしており、Claude の Web サイトとモバイル アプリで利用できる点が強調されている[23]。
Claude Opus 4.5
2025年11月24日にOpus 4.5をリリースした。主な改善点はコーディングと、スプレッドシートの作成といった職場でのタスクである。コンテキストウィンドウの制限エラーを排除する「Infinite Chats」という機能を導入した[24]。
Claude Opus 4.6
2026年2月5日にOpus 4.6 をリリースした。コーディングや長時間のエージェント作業、大規模コードベースでの信頼性を強化した。1Mトークンの長文コンテキストにも対応した[25]。
Claude Sonnet 4.6
2026年2月17日にリリース[26]。4.5から全面的なアップグレードが行われ、コンピュータ操作のレベルが向上した[27]。 2026年1月13日、Claude Coworkを発表、PC操作を代替え出来るサービスで当初はMacのみで対応したがその後Windowsにも対応した[28]。 2026年3月17日、PC上で自律的にタスクを実行するAIエージェントのClaude Coworkをスマートフォンから遠隔操作できる新機能Dispatchのリサーチプレビュー版を公開[29]。
Claude Opus 4.7
2026年4月16日にOpus 4.7をリリースした[30]。エージェント型コーディングや指示追従性が向上し、プログラミングのベンチマーク「SWE-bench Verified」で87.6%、「SWE-bench Pro」で64.3%のスコアを記録した[31]。処理可能な画像の最大解像度も従来の1568ピクセル(1.15メガピクセル)から2576ピクセル(3.75メガピクセル)に引き上げられた[32]。価格はOpus 4.6から据え置かれている[32]。
2026年4月17日、AnthropicはOpus 4.7を活用したAIデザインツール「Claude Design」の提供を開始し、オンラインデザインツールCanvaとの連携も発表した[33]。
Claude Code
Claude Codeは、ユーザーのコンピュータ上で動作するコマンドラインインターフェイスである。APIを介してAnthropicのサーバー上でホストされているClaudeインスタンスに接続し、Claudeインスタンスがコマンドを実行したり、ファイルを読み書きしたり、ユーザーとテキストでやり取りしたりできるようにする。Claudeはフォアグラウンドまたはバックグラウンドでコマンドを実行できる。Claude Codeの動作は通常、CLAUDE.md、AGENTS.md、SKILL.mdなどの、ユーザーのコンピュータ上のマークダウンドキュメントを通じて設定される。
歴史
Claude Codeは、開発者がターミナルから直接コーディングタスクを委譲できるエージェント型コマンドラインツールとして2025年2月にリリースされた。当初はプレビューテスト用としてリリースされたが[34]、2025年5月にClaude 4とともに一般提供が開始された[35]。
企業での採用に基づき、Anthropicは7月までにClaude Codeの収益が5.5倍に増加したと報告している[36]。Anthropicは同年10月にウェブ版とiOSアプリをリリースした[37]。
2026年1月時点では、Opus 4.5と組み合わせた場合に最高のAIコーディングアシスタントであると広く考えられており、GPT-5.2も大幅な改善を示している[38][39]。人々が試す時間があった冬休みの間に、Claude Codeの利用は広がり、多くの非プログラマーもバイブコーディングに使用した[40][41][38]。
2026年3月、Claude Codeのソースコードの一部がAnthropicの人為的なミスにより誤って公開され、約51万2千行のコードと2千近いファイルが流出した[42][43]。
機能拡張
2025年8月に、AnthropicはClaude Codeがブラウザを直接制御できるようにするGoogle Chromeの拡張機能である「Claude for Chrome」をリリースした[44]。
セキュリティ問題
2025年8月、Anthropicは「GTG-2002」と呼ばれる脅威アクターがClaude Codeを使用して少なくとも17の組織を攻撃したことを明らかにした[45]。2025年11月、Anthropicは、同じ脅威アクターがClaude Codeを使用して30の組織に対するスパイサイバー攻撃の80〜90%を自動化していたことを9月に発見したと発表した[46][47]。攻撃に関連するすべてのアカウントは禁止され、Anthropicは法執行機関と被害者に通知した[46]。
企業での採用状況
Claude CodeはMicrosoft[48]、Google[49]、およびOpenAIの従業員によって使用されている。2025年8月に、Anthropicは「当社の利用規約の直接的な違反」であるとして、OpenAIのClaudeへのアクセス権を取り消した[50]。
関連ツール
Claude Coworkは、Claude Codeに似ているが非技術系ユーザーを対象とした、グラフィカルユーザーインターフェースを備えたツールである。2026年1月に「リサーチプレビュー」としてリリースされた[51]。開発者によると、Coworkの大部分はClaude Codeによって構築された[52]。
2026年2月に、Anthropicはコードベースをレビューして脆弱性を特定するClaude Code Securityを導入した[53]。
利用事例
Slack
2023年3月30日、Anthropic社はClaudeのSlackアプリをリリースしたことを発表した。「フレンドリーで勤勉な同僚」として、Claudeが企業において生産性を向上させコミュニケーションを助ける「バーチャルチームメイト」としての役割を果たすことができると紹介された[10][54]。
Zoom
2023年5月16日、ZoomはAnthropicと戦略的提携を発表し、同社の製品にClaudeチャットボットが導入されていくことが決まった[55]。また同時に、Zoom Venturesを通じてAnthropicへの出資も行われた[56]。Claudeは顧客サービス職や営業職の役割を担うことも可能であり、文書の解析とそれに関する質問への回答、検索の実行、コーチング、メールの返信支援、更には重要な複数のタスクに優先順位を付けるような管理業務も実行でき、顧客サービス対応改善に利用されつつ、より多くの生成AI機能の導入機会を模索している[55][57]。
Microsoft
2026年3月8日、マイクロソフトはClaudeと提携し、Microsoft 365で利用できるAIツールとなる「Microsoft 365 Copilot」の拡張として「Claude Cowork」採用の「Copilot Cowork」を発表した[58][59]。
軍事転用
2026年1月2日から3日にかけてアメリカ軍が実施した、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を捕獲する電撃作戦(断固たる決意作戦)にもClaudeが使用された。このことが米ウォール・ストリート・ジャーナルによる2月13日の報道により明らかになると[60]、AIモデル製品を制限なく使用できるよう求める米国防総省と、一定の制限を維持するよう求めるAnthropic社で対立が発生。最終的にAnthropic社が2月26日に国防総省の要求を拒否したことを受け[61]、ドナルド・トランプ米大統領は連邦政府機関に対してAnthropic社の技術を使用しないよう指示し、国防総省はAnthropic社をサプライチェーン上のリスクに指定すると宣言した[62]。しかし米国防総省はその後も軍事利用を続け、2026年2月28日に開始したイスラエルとのイラン攻撃でもClaudeを使用したことが報じられている[63]。
2026年2月28日、米国防総省はOpenAIの利用について同意した[64]。
2026年3月9日、Anthropic社が米国防総省を提訴したと発表した[65]。