ERATO

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ERATO(えらとー、英:Exploratory Research for Advanced Technology)は、国立研究開発法人科学技術振興機構が実施する戦略的創造研究推進事業の枠組みに属するプログラムである。ERATOは、1981年に創造科学技術推進事業(ERATO)の名称で発足し、その後、2002年度から戦略的創造研究推進事業の総括実施型研究(ERATO)として再編され、現在も研究プロジェクトの公募・支援が行われている制度である。

今後の科学技術イノベーションの創出につながる、社会・産業ニーズに対応した新技術を創出することを目的として、戦略重点科学技術に重点化した分野における課題解決型基礎研究を推進している[1]

能力と先取性のある研究リーダー(研究総括)を選出し、研究総括の所属する既存機関から独立して運営される研究拠点を設置している。機関・分野を超えた幅広い人材を揃えた”「人」中心の研究システム”にて研究が実施されており、プロジェクト名は必ず研究総括の名前を冠している[2]

ERATOでは過去に「加藤核内複合体プロジェクト」「四方動的微小反応場プロジェクト」「伊丹分子ナノカーボンプロジェクト」において研究不正や研究費の不適切使用が発覚した事例がある[3][4]

沿革

  • 1981年 創造科学技術推進事業(ERATO)として発足(当時 新技術開発事業団
  • 2002年 戦略的創造研究推進事業 ERATOプログラムとして再編成

特徴

既存の研究の延長線上や大規模化ではない、新たな視点を盛り込んだ挑戦的なもので、10~15年後に新たな科学技術分野への展開や、新産業の創出が期待できる革新的な科学技術の芽あるいは将来の新しい流れを生み出す研究を実施している。

研究総括と、組織を越えた研究員の参加による人を中心とした時限プロジェクト制であり、研究総括はプロジェクトの研究活動そのものを指揮する。

研究実施場所は、研究総括の所属機関によらず、必要に応じてリサーチパーク、民間研究機関、大学等に新たに設置され、組織や学問領域を越えて研究員を結集し、研究を実施する[5]

過去の問題事例

ERATOにおいて過去に研究不正や研究費の不適切使用が発覚したプロジェクトがある。主要な事例は以下の通りである。

  • 四方動的微小反応場プロジェクト: 研究総括による業者への預け金等、研究費の不正使用 [6]
  • 伊丹分子ナノカーボンプロジェクト: 炭素素材「グラフェンナノリボン」の合成に関する論文が科学誌ネイチャーより撤回された。物質の分子量を調べる「質量分析」の実験結果に不自然な点があった上、基となったデータを確認できなかったたことが理由とされている[7]

プログラムの骨子

以下の骨子をもってプログラムが運営されている[1]

  • 研究期間:約5年間
  • 研究費:15億円を上限とした必要額
  • 推進体制:プロジェクト制。所属機関とは別にプロジェクトを立ち上げる
  • 研究実施場所:大学、リサーチパーク、民間研究機関等から借用
  • 研究領域:戦略目標のもとに科学技術振興機構が研究領域を設定

選考

大学、公的研究機関、民間企業研究開発部門等に所属し研究開発経験のある個人による推薦(推薦公募)を基に選考を行うという、他の競争的資金と比べて非常にユニークな公募方法を実施している。(自薦は不可)

推薦された候補者リストを母集団とし、外部の専門家等による選考審査を実施したうえで研究総括が選定される。なお選考の過程で候補者には研究構想の提案が求められ、提出された研究構想のピア・レビューが行われる[5]

実施されたプロジェクトと研究総括

脚注

外部リンク

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