FBXW11

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FBXW11(F-box and WD repeat domain containing 11)またはβTrCP2(beta-transducin repeat containing protein 2)は、ヒトではFBXW11遺伝子によってコードされているタンパク質である[5]

記号FBXW11, BTRC2, BTRCP2, FBW1B, FBXW1B, Fbw11, Hos, F-box and WD repeat domain containing 11, NEDJED
染色体5番染色体 (ヒト)[1]
終点172,006,873 bp[1]
概要 識別子, 記号 ...
FBXW11
識別子
記号FBXW11, BTRC2, BTRCP2, FBW1B, FBXW1B, Fbw11, Hos, F-box and WD repeat domain containing 11, NEDJED
外部IDOMIM: 605651 MGI: 2144023 HomoloGene: 76444 GeneCards: FBXW11
遺伝子の位置 (ヒト)
5番染色体 (ヒト)
染色体5番染色体 (ヒト)[1]
5番染色体 (ヒト)
FBXW11遺伝子の位置
FBXW11遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点171,861,549 bp[1]
終点172,006,873 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
11番染色体 (マウス)
染色体11番染色体 (マウス)[2]
11番染色体 (マウス)
FBXW11遺伝子の位置
FBXW11遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点32,592,724 bp[2]
終点32,696,816 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 protein dimerization activity
ubiquitin protein ligase activity
血漿タンパク結合
ubiquitin-protein transferase activity
細胞の構成要素 細胞質
SCF複合体
細胞核
中心体
ubiquitin ligase complex
細胞質基質
生物学的プロセス NIK/NF-kappaB signaling
Wntシグナル経路
周期的プロセス
細胞周期
SCF-dependent proteasomal ubiquitin-dependent protein catabolic process
G2/M transition of mitotic cell cycle
protein dephosphorylation
stress-activated MAPK cascade
protein destabilization
positive regulation of circadian rhythm
proteasome-mediated ubiquitin-dependent protein catabolic process
positive regulation of transcription, DNA-templated
protein ubiquitination
positive regulation of proteolysis
negative regulation of transcription, DNA-templated
protein polyubiquitination
翻訳後修飾
interleukin-1-mediated signaling pathway
negative regulation of NIK/NF-kappaB signaling
stimulatory C-type lectin receptor signaling pathway
Fc-epsilon receptor signaling pathway
T cell receptor signaling pathway
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)
NM_012300
NM_033644
NM_033645
NM_001378974
NM_001378975

NM_001378976
NM_001378977
NM_001378978
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NM_001378980

NM_001271347
NM_001271348
NM_001271349
NM_134015
NM_001363353

NM_001363354
NM_001363355

RefSeq
(タンパク質)
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NP_387449
NP_001365903
NP_001365904

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NP_001365909

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NP_001258277
NP_001258278
NP_598776
NP_001350282

NP_001350283
NP_001350284

場所
(UCSC)
Chr 5: 171.86 – 172.01 MbChr 5: 32.59 – 32.7 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
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FBXW11はFボックスタンパク質ファミリーに属し、このファミリーはFボックスと呼ばれる約40残基の構造モチーフによって特徴づけられる。Fボックスタンパク質はSCF複合体と呼ばれるユビキチンリガーゼ複合体の4つのサブユニットのうちの1つを構成し、必ずではないものの多くの場合、基質をリン酸化依存的に認識する。Fボックスタンパク質は、WD40リピートを有するFbxw、ロイシンリッチリピートを有するFbxl、他の相互作用モジュールを有するか識別可能なモチーフを持たないFbxoの3つのクラスに分類される。FBXW11はFbxwクラスに属し、Fボックスに加えて複数のWD40リピートを有する。このタンパク質はツメガエルのβTrCP、酵母のMet30、アカパンカビのScon2、ショウジョウバエのSlimbと相同である。哺乳類にはβTrCP1(FBXW1)と呼ばれるパラログが存在するが、両者の機能は冗長的であり区別されていないようである。

発見

ヒトのβTrCP(βTrCP1とβTrCP2を合わせてこう呼ぶ)は、もともとHIV-1Vpuタンパク質が細胞のCD4タンパク質をタンパク質分解装置と連結して除去するために結合するユビキチンリガーゼとして同定された[6]。その後、βTrCPはさまざまな標的の分解を媒介し、複数の細胞過程を調節していることが示された[7]細胞周期の調節因子は、βTrCPの基質を構成する主要なグループの1つとなっている。S期の間、βTrCPはホスファターゼCDC25A英語版の分解を促進することでCDK1の抑制状態を維持しているが[8]G2にはβTrCPはキナーゼWEE1英語版を分解標的とすることでCDK1の活性化に寄与する[9]有糸分裂の序盤には、βTrCPはAPC/Cユビキチンリガーゼ複合体の阻害因子であるEMI1英語版の分解を媒介している[10][11]。APC/Cは、セキュリンの分解の誘導によって中期から後期への移行を担い、またCDK1を活性化するM期サイクリンサブユニットの分解を駆動することで有糸分裂の終結を担っている因子である。さらに、βTrCPはRESTを標的化することでMAD2の転写抑制を解除する。MAD2は紡錘体チェックポイントの必須の構成要素であり、全ての染色分体紡錘体微小管に接着するまでAPC/Cを不活性に維持している[12]

機能

βTrCPは細胞周期チェックポイントの調節に重要な役割を果たしている。遺伝毒性ストレスに応答して、βTrCPはCHK1との協働のもとでCDC25Aの分解を媒介することでCDK1の活性をオフにし[8][13]、それによってDNA修復の完了前の細胞周期の進行を防いでいる。DNA複製とDNA修復からの回復時には、βTrCPはPLK1依存的にクラスピン英語版を標的とする[14][15][16]

βTrCPはタンパク質の翻訳、細胞成長や細胞生存における重要な役割も浮上している。分裂促進因子に応答して、翻訳開始因子eIF4Aの阻害因子であるPDCD4英語版はβTrCP、S6K1英語版依存的に迅速に分解され、効率的な翻訳と細胞成長が可能となる[17]。βTrCPはmTORCK1α英語版とも協働してDEPTOR(mTORの阻害因子)の分解を誘導し、mTORの十分な活性化を促進する自己増幅ループを形成する[18][19][20]。また、βTrCPはアポトーシス促進タンパク質BimELの分解を媒介し、細胞生存を促進する[21]

βTrCPはリン酸化されたIκBα英語版β-カテニンの分解モチーフ(destruction motif)とも結合し、おそらくNF-κB経路やWnt経路を調節することで複数の転写プログラムにおいて機能している[22][23]

相互作用

FBXW11またはβTrCPは次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

臨床的意義

βTrCPは一部の組織ではがんタンパク質として振る舞う。βTrCPの発現上昇は、大腸がん[35]膵がん[36]肝芽腫[37]乳がん[38]で観察されている。

出典

関連文献

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