ILLBLEED
2001年の日本のホラーゲーム
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概説
最も売れた“バーチャルお化け屋敷ゲーム”とされている。3D空間で展開するホラーゲームということから「バイオハザード系」「バイオに似ている」などと形容されることがある[注釈 2]が、ストーリー・システム・操作性・ビジュアル面において大きく差別化されており「とにかく怖いB級ホラー作品」というテーマに徹した[1]作風となっているため、ゲーム性において類似しているといえる点は少ない。具体的には、バイオハザードが「敵との戦闘」を主軸としているのに対し、本作では「ゲーム内のトラップを回避しダメージを極力抑えつつ先に進むこと」が主軸となっているという点があげられる。
「ハイスクールのホラー映画研究会に所属する若者4人が“クリアすれば賞金1億ドル”というふれこみのお化け屋敷「イルブリード」へと赴き、想像を絶する目に遭う」という設定のゲームで、様々なホラー映画のパロディ要素が多量に含まれている他、販売元であるセガにまつわるブラックなネタ要素も存在する。
ストーリー
プロローグ
映画史上、もっとも上映禁止を多発させた問題映画プロデューサー、マイケル・レイノルズが、入場者を恐怖のドン底に叩き込む為だけに造ったホラーアトラクション「イルブリード」。そこは「生還できれば賞金1億ドルが手に入るが、失敗すれば死あるのみ」という、情け容赦ない恐怖の施設だった。
ハイスクールの生徒会長エリコ・クリスティは、移動型お化け屋敷を運営する父親にホラー映画ばかりを見せられた挙句、出し物の実験台にされた末にトラウマから恐怖という感情を喪失するという痛ましい過去を負っていた。それでもホラーそのものには思い入れが強く、ホラー映画研究会の部長も兼任して様々な活動を行っていた。
そんなある日、部員のミシェルがイルブリードのチケットを手に入れてくる。同じく部員のケヴィン、ランディは意気揚々と挑戦しようとするが、エリコはあまりもの賞金の莫大さをいぶかしみ、誘いを断る。しかし他の3人は賞金を本気にせず、ただの大きなお化け屋敷だろうという楽観的な考えからエリコの分のチケットを残してイルブリードに向かってしまう。その後、いつまでも帰ってこない仲間の安否が気になったエリコは、チケットを手に単身イルブリードへと向かう。仲間の行方を聞くだけのつもりがそのまま施設に招き入れられてしまい、世にも恐ろしい惨劇の舞台に足を踏み入れる羽目になるのだった。
1度目の挑戦
恐怖を感じないエリコは、次々と襲い来る情け容赦のない心理的・物理的な攻撃に耐え、かわしながらイルブリードを進み、仲間を救出していく。そしてとうとう全てのアトラクションを制覇し、賞金を獲得してイルブリードから生還するのだった。
ホラー映画研究会の面々は手にした大金でバカンスを楽しんでいた。しかし浮かない顔で膝を抱えていたエリコは、突如何かを思い出したかのように、もう一度イルブリードに向かうと言い出した。
2度目の挑戦
悪夢のようなアトラクションを再び制覇するエリコだったが、たった一人で過酷な道のりを越えた[注釈 3]ことで施設の最奥に到達した時には服はボロボロに破れ、ほとんど裸になっていた。その姿に興奮したイルブリードの創造者、マイケル・レイノルズは初めてエリコの前に姿を見せる。宇宙人のお面のような奇妙なマスクをかぶったレイノルズをエリコは「パパ」と呼び、彼はエリコを「娘」と呼んだ。
幼少期のエリコを実験台にし続けて娘の恐怖の感情を奪ったレイノルズだが、その結果、5歳の頃のエリコが自分が作った恐怖の仕掛けに驚きもしなかったことにプライドを傷つけられた。それ以来、エリコを再び驚かせるためだけに全てを擲ち、犯罪にすら手を染めてこのイルブリードを作り出したのだという。そしてエリコは、イルブリードを訪れた際にこんなテーマパークを作る人間は父しかいないと察しており、失った恐怖心を取り戻すべく、それを実現させられる唯一の人物である父に再会するために、再びイルブリードに戻ってきたのだった。
そのエリコに父は最後の試練として最恐のアトラクションを仕掛けるも、エリコは容易くクリアしてしまい、動揺する。エリコは進歩がないと言い放ち、逆にマスクの仕掛けで父を驚かし返す。自分が驚かされたことなど無かった父はショックのあまりに心臓発作で苦しみ悶え、灰色の粘液になって溶け去ってしまう。その直後、灰色の粘液から異形と化した父が現れ、その光景にエリコはイルブリードに来て初めて恐怖し、腰を抜かした。父はマスクを被っていたのではなく、元より人外だったのだ。
恐怖に震えながらも父を倒したエリコは、愚かにも自分で自分の身を滅ぼした父への複雑な思いを抱きつつ、「今のは怖かった」と呟いた。
父との対立を乗り越えたエリコは、トラウマを克服して恐怖心を取り戻したものの、その反動であるかのように極端に怖がりな性格になってしまう。そんな彼女のナイトとして、エリコと親密な関係になったケヴィンのモノローグで物語は幕を閉じる。
システム
命を危機に晒すトラップが大量に仕掛けられた全7つのお化け屋敷を探索し、命を落とすことなくゴールにたどり着くことがプレイヤーの目的となる。
ステータス
キャラクターには、「心拍数」「体力」「アドレナリン」「出血量」のステータスが設定されている。ダメージを受けたり特定のアクションを行うことで増減し、それらが規定値に達すると「ショック死」「心停止」「衰弱死」「失血死」を引き起こす。出血が一定量を超えると心拍数が下がっていくなど、各ステータスは相互に連動している。
| 標準値 | 上限 | 増加条件 | 減少条件 | 死亡条件 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 心拍数(回/分) | 50 | 255 | ショックイベント発生、ステップ使用(戦闘時) | 立ち止まる、大量に出血 | 上限もしくは0に達する |
| 体力 | 上限 | キャラクターにより異なる | - | 外傷を負う、大量に出血 | 0に達する |
| アドレナリン | 上限 | キャラクターにより異なる | トラップ解除、戦闘に勝利(例外あり) | ホラーモニター起動、警戒 | なし |
| 出血量(cc/分) | 0 | 100 | 外傷を負う、一定量以上の状態で動き回る | 立ち止まる | 上限に達する |
※アイテム使用による増減、ERでの治療、ステージクリアによるリセットは省略。
ステータスの増減にはキャラクターごとに設定された以下のパラメータが関連している。ERでこれらのパラメータを強化することによってステータスの変動を抑えることができる(腰抜け状態から立ち直るまでの時間など、キャラクターの本質的な特性を変えることはできない)。
| ステータスとの関係 | 初期値 | 上限 | |
|---|---|---|---|
| 強心度 | 心拍数の上がりにくさ | キャラクターにより異なる | 100 |
| 体力 | 体力の多さ | キャラクターにより異なる | 500 |
| アドレナリン量 | アドレナリンの多さ | キャラクターにより異なる | 900 |
| 止血力 | 出血量の上がりにくさ | 1 | 10 |
アトラクションシアター
「アトラクションシアター」と呼ばれる映画館の形をしたお化け屋敷は全6ステージ。それぞれ“史上最も上映禁止を多発させたホラー映画プロデューサー”という映画監督マイケル・レイノルズ[注釈 4]のホラー映画がモチーフになっており、まずその作品を観てからアトラクションに挑戦するという設定。プレイヤーはストーリーに沿った行動をとりながらゴールを目指す。
- 4感センサーとショックイベント
ステージには「ショックイベント」と呼ばれるトラップが仕掛けられており、これにひっかかることでキャラクターは様々なダメージを受ける。プレイヤーは画面上部に表示されている「4感センサー」の反応を頼りに、これらのトラップを回避しなくてはならない。4感センサーは「視覚」「聴覚」「嗅覚」「第6感」で構成されており、トラップの属性によって異なった反応を示す。
| 反応するトラップ | |
|---|---|
| 視覚 | 出現場所が目に見えているもの |
| 聴覚 | 音で驚かせるもの、発動に音が伴うもの |
| 嗅覚 | 汚物などの臭いを伴うもの |
| 第6感 | アイテムもしくはエネミー |
センサーが反応したら「ホラーモニター」という特殊なゴーグルを装着し、「警戒ポイント」と呼ばれる“怪しげな場所”をマーキングする(これを「警戒」と呼ぶ)。このときアドレナリンが消費されるので、警戒できるポイントは制限される。警戒した場所が正しければトラップは発動せず、一定量のアドレナリンが回復する(これを「トラップの解除」と呼ぶ)。トラップのないポイントを警戒した場合はアドレナリンが無駄になる。また、トラップの配置場所はプレイ毎にランダムで変化するため、暗記は通用しない。
第6感に反応したポイントがエネミーであった場合は戦闘となる。警戒せずに突入するとキャラクターは腰を抜かし、立ち上がるまで移動以外の行動が取れず一方的に攻撃を受けてしまう。心拍数が高い状態では気絶してしまう。戦闘はプレイヤーかエネミーのどちらかが倒されるまで続くが、ヘリポートが存在する場合は助けを求めれば脱出可能[1][注釈 5]。ボスキャラクターのみ画面上部に体力ゲージが表示されるが、ゲージに無限大のマーク(∞)がついている場合はダメージを与えられず、特定のイベントを発生させる必要がある。
- クリア賞金
それぞれのステージには高額なクリア賞金が用意されているが、クリア時の状況次第で変動するようになっており、満額手に入れるためにはスタート開始時点に掲示された5つの条件全てを満たさなくてはならない[注釈 6]。一度エンディングを迎えた後は強化手術のステータスのみ、2周目以降に引き継いで周回プレイが可能。
- 救出と脱落
アトラクションには主人公の仲間が迷い込んでおり、一定の条件を満たすことで救出することができる。救出した仲間は次のステージから使用可能となる。使用キャラクターが死亡した場合、脱落した地点付近から別のキャラクターでプレイを再開できるが、その時点で生存している仲間がいない場合はゲームオーバーとなる。全面クリアした時点で仲間が1人でも脱落している場合、強制的にバッドエンドとなる。
アクション
- 通常時
キャラクターがとるアクションは通常、アナログ方向キーによる移動とAボタンによる調査、Xボタンによるジャンプのみ。Rトリガーを引けばカメラアングルが一人称視点になり、マップ上の細かいオブジェクトを眺めることができる(ホラーモニターを所持している場合はホラーモニターを起動・終了する)。ジャンプを駆使する場面はあまり無いが、一部シビアなジャンプアクションを要求されるステージもある。
- 戦闘時
敵と遭遇すると戦闘画面に移り、攻撃とバックステップを駆使して戦う。Yボタンで近距離用武器、Rトリガーで遠距離用武器を使用し、武器を持っていない場合はYボタンで素手攻撃のみ可能。バックステップ(レバー入力中はサイドステップ)はAボタンで行い、ステップ中は無敵となるが心拍数が上昇するため、乱用はショック死の危険性を高める。前述の通り、戦闘エリアにヘリポートがある場合のみBボタンの連打で脱出可能。ただし、ヘリを呼んでいる間は無防備になる。
エンディング
マルチエンドとなっており、仲間を全員救出できたか否かでエンディングの内容がグッドエンドとバッドエンドの2種類に分岐する。2周目以降のプレイで一定の条件を満たすと「真のエンディング」を迎えることができる(条件のヒントは通常エンディングの中で暗示されている)。真のエンディングの後にはあるキーワード[注釈 7]が表示されるが、これはソフト発売時のキャンペーンに利用されたものである。[注釈 8]。
ステージ
アトラクションシアター
各ステージはそれぞれ、マイケル・レイノルズ監督の(架空の)ホラー映画をテーマとしている。
ステージ1
| シアター | ミネソタヘルシネマ(MINNESOTA HELL CINEMA) |
|---|---|
| 映画名 | 『死を呼ぶホームラン』(原題:THE HOMERUN OF DEATH) |
| ストーリー | 「いくぞジミー、こんどは内角高めだ!」 ミネソタの大自然を背景に生まれた、父と息子の野球魂!
|
ステージ2
| シアター | シネパニック(CINEPANIC) |
|---|---|
| 映画名 | 『女王ミミズの復讐』(原題:THE REVENGE OF QUEEN WORM) |
| ストーリー | おまえとの思い出は忘れないよ、レイチェル…
|
| 補足 | ホラーモニターが敵に奪われる演出上、戦闘以外のショックイベントはほぼ存在せず、クリア時に解除トラップ数を問われることもない。 |
ステージ3
| シアター | ブギーズファンムービー(BOOGIE'S FUN MOVIE) |
|---|---|
| 映画名 | 『材木人間』(原題:WOODPUPPETS) |
| ストーリー | よく皮をむき、脳髄をきれいに取り除く。最後に全身を木の皮でコーティング。出来上がったら、なま温かいうちに斧でバラバラに粉砕する。
|
| 補足 | ステージの途中でプレイヤーが材木人間と化す場面が存在する。ジャンプが不可能になるが戦闘では特殊なアクションが可能になる。 |
ステージ4
| シアター | ショックショックシアター(SHOCK SHOCK THEATER) |
|---|---|
| 映画名 | 『殺人デパートの恐怖』(原題:KILLER DEPARTMENT STORE) |
| ストーリー | いらっしゃいませ。お帰りは地獄でございます
|
| 補足 | 満額与えられたクリア賞金が、トラップにかかることで減額されていくという変則ルール。
賞金として明示されないボーナスがキャッシュマンの隠し金庫という形で用意されている。 |
ステージ5
| シアター | ホールオブリセントメント(HALL OF RESENTMENT) |
|---|---|
| 映画名 | 『キラーマン』(原題:KILLERMAN) |
| ストーリー | キラーマン…それは正体不明の、ただ殺す男
|
| 補足 | 導入部の映画館からバックステージに迷い込んでしまうという特殊な設定。
事件の犯人を推理し、正解すると特別ボーナスが賞金に加算される。 仲間を救出せずにクリアするとペナルティとして獲得賞金は0となる。 |
ステージ6
| シアター | チャイルドパレス(CHILD PALACE) |
|---|---|
| 映画名 | 『トイハンター インダくん地獄へ行く』(原題:TOY HUNTER INDA GOES TO HELL) |
| ストーリー | 超人気シリーズ最新作! こんどは地獄のファンタジーだ!
|
| 補足 | 序盤にプレイヤーキャラが「インダくん」に姿を変えられる。
通常のトラップに紛れた「STORY」トラップにわざとひっかかりながら進むという特殊ルール。 |
その他の施設
- 共同墓地
- 脱落したビジターが眠る墓地。墓石のデザインは選べない。ゲームのチュートリアルを行う場所。
- 記念写真館(DUMMYMAN'S PHOTO STUDIO)
- セーブポイント。人生最後の思い出を写真に収めることができる。撮影・現像・修正・遺族への発送まですべて無料(一部地域を除く)。アトラクション内でのセーブはインスタントフォトボックスで行う。
- 緊急治療室(ER)
- 体力を回復する回復手術、ステータスを強化する強化手術、死亡した仲間を生き返らせる蘇生手術を受けることができる。一部のアトラクション内にも存在する。
- 脱落者管理センター(VISITOR BANK)
- 脱落したビジターのデータが管理されている。救出に失敗した仲間を高額な料金と引き換えに救済することができる。
- ドラッグストア(Bloody Mary's DRUG STORE)
- 回復アイテムがなんでもそろう店。ブラッディーマリーがマスコット。ステージ開始前にここでアイテムを揃える事が可能。
- マイケル博物館
- 全てのアトラクションシアターをクリアすると門が開く。イルブリード制覇の賞金1億ドルを受け取るためのステージ。
エネミー
登場するモンスターは大半が機械仕掛けだが、従業員が着ぐるみを着て演じているものも存在する。「クリア失敗すれば死亡の命がけのゲームだけに主人公たちも容赦ないため、従業員にとってもまさ命がけ」である。
- ダミーマン
- 動くダミー人形。数体で現れることが多い。ノーマルタイプとエリートタイプに分かれる。
- ダミーマン(ヒーロー)
- 身の丈はあろうかという巨大スパナを手にしたダミーマン。
- ブラッドマン
- 全身の皮膚を剥がれたような外観の巨漢。
- ゲイル・バンブロー
- ステージ1のボス。全身に大火傷を負ったシャトー・バンブローのオーナー。キャンプグッズを改造した自作の火炎放射器が武器[1]。第二形態では巨大化し、こちらからの攻撃を受け付けなくなる。倒すには攻撃を避けながら奥に進み、そこである行動を取らなければならない。
- ミミズ
- 謎の巨大ミミズ。
- レイチェル(女王ミミズ)
- ステージ2のボス。ミミズ王デビッド・ロドリゲスが育てた巨大ミミズ。ステージ後半から登場するが倒すには特殊な武器が必要であり、それまでは遭遇しても逃げ回るしかない。
- ブラッドウーマン
- ボンデージファッションに身を包んだセクシー系ゾンビ。威力の高い拳銃を所持している。
- モンキラー
- キャンプ・デビッド周辺に生息していた類人猿が凶暴化したもの。鍵爪のついた杖が武器。
- 材木人間
- 一見ただの木の人形だが、自らの意思で動き血も流す。その正体は全身の皮を剥がれて木製人形に加工されてしまった人間の成れの果てである。
- 殺人木こり
- マクラクレン製材所で働く木こり。手にした斧でビジターを執拗に追い回す。
- ジョージ・マクラクレン
- ステージ3のボス。マクラクレン製材所の所長だが、木と一体化している。特殊なギミックは存在せず、実力勝負となる。
- 牛肉、豚肉、鶏肉
- キャッシュマン・デパートの肉売り場で入手できる。回復アイテムだが、後にステーキハウスで襲いかかってくる。
- キューティーマリー(ダーティーマリー)
- キャッシュマン・デパートのおもちゃコーナーでキャンペーン中のピンクのドレス姿の女の子人形。おもちゃ売り場の一角でビジターを3つの死のゲームに誘う。
- 子供のおもちゃらしく無邪気な性格だが本性は残酷で包丁を手に襲い掛かってくる他、激怒すると形相がおぞましく一変しダーティマリーと化す。
- ステージ5の道中でもショックイベントの敵として登場する他、ステージ6のSTORYイベント内のキャラクターとしても登場する。
- ドラッグストアのマスコットであるナース人形ブラッディ・マリーは亜種に当る。
- ドナルド・キャッシュマン
- ステージ4のボス。強盗殺人の現行犯で射殺されたデパート店主の怨霊。巨大な蜘蛛のような姿をしている。体力が「♾️」なので普通に攻撃しても絶対に倒せず、周囲を探索して倒す手段を探す必要がある。
- ゾンビ
- モルグに出現するゾンビ。
- キラーマン
- ステージ5のボス。ニューヨークを恐怖に陥れたという謎の連続殺人犯。スーパーヒーローのような姿をしている。
- タマゴマン
- エッグバーでミュージカルに出演している卵。
- ゾディック
- ステージ6のボス。地獄の悪魔。セガのマスコットキャラクターソニック・ザ・ヘッジホッグがモデルになっている。
- オノマン(OH!NO!MAN)
- レイノルズの映画をモデルにしたラストボスの1人。両手に鎌を持った首無しのマネキン。本名はSADAO。真エンディング以外では、以下の2体を含めた3体からラストボスを選択し、選んだ1体を倒せばクリアとなる。
- ドルァキュラ
- レイノルズの映画をモデルにしたラストボスの1人。ステージ4のキャッシュマンの使い回しだが、小蜘蛛を従えている。
- ブルスティンガー
- レイノルズの映画をモデルにしたラストボスの1人。同社のアクションゲーム『ブルースティンガー』に登場する怪物「ヒューマンディノサイト」に酷似している。
- レイノルズ
- 真エンディングルート到達時のラストボス戦闘終了後に出現する、本作の真のラストボス。正体はエリコの実父であり、彼女から恐怖の感情を奪い去った張本人。
- エリコを驚かすために用意した最高のショックイベントの仕掛けを易々と解かれたことと、エリコからの驚かしの二重のショックで死亡した後、溶解した巨大な頭部、翼の生えた巨大な脳みその2つの形態に変形して襲い掛かってくる。この戦闘のみ、エリコは腰抜け状態からの復帰まで時間が掛かる。
アイテム
非常に多くのアイテムが存在するため、基本的なものだけを表記する。高確率で“おバカ”な要素を含んでいる。
- ハッシー
- 全世界で大人気の栄養ドリンク。同社のゲーム『ブルースティンガー』から引き続き登場している。
- ラーメン
- あつあつのラーメン。カップヌードルの類ではなくどんぶりに入った普通のラーメン。体力を中程度回復できる。
- 懐石料理
- 熟練の仲居さんが出前する懐石料理のフルコース。体力を最大まで回復できる。
- アンプル、注射器、点滴袋
- 自ら後頭部に注入する人工アドレナリン液。アドレナリンを左から小、中、最大と回復できる。
- 深呼吸
- 腹式呼吸法。しかしあくまで消費アイテムである。落ち着いて深呼吸することで心拍数を少し下げる。
- リラックスCD
- 癒し系CD。イルカの鳴き声や樹木の呼吸音などが収録されている。心拍数を中程度下げることができる。
- ニトロ
- ニトログリセリン。狭心症の薬になるが医薬品としての加工はされていないらしく「噛まずに飲み込まないと爆発する」との注意書きがある。心拍数を標準値の50に下げる。
- 月刊エロル
- エロ本。心拍数が上昇する。
- 説明書やゲーム中の説明でも「胸がドキドキする」としか書かれていないため一見罠アイテムのようだが、出血量が増加して心拍数低下を招いた際の回復アイテムである。
- 絆創膏、包帯、凝固剤
- 出血量を下げることができる。凝固剤を使用すると出血が完全にストップする。
- アマゾン
- レイノルズが、少しでも多くのビジターに生き残ってもらおうと開発した薬。すべてのステータスを全回復。非売品。
- ゲボイ
- 心拍数の上昇とひきかえに体力を全回復させてくれる謎の錠剤。非売品。
- 強化心臓
- 強化手術に必要。1つにつきパラメータが10上昇する。
- バイオボディの素
- 体力の強化手術に必要。1つにつきパラメータが50上昇する。
- 人工脳味噌
- アドレナリン量の強化手術に必要。1つにつきパラメータが90上昇する。
- 人工血しょう
- 止血力の強化手術に必要。1つにつきパラメータが1上昇する。
- ER割引券
- ステージ内のERでの手術費用が40%割引になるチケット。
登場人物
- エリコ・クリスティ(Eriko Christy)
- 18歳。主人公。ハイスクールでホラー映画研究会の部長と生徒会長を務める少女。移動お化け屋敷〈ホラー・キャラバン〉を経営する父親に1歳の頃からホラー映画だけを見せられ、新しい仕掛けの実験台にされ続けた末に5歳で恐怖という感情を失ってしまった。以来、お化け屋敷はおろか絶叫マシンすら楽しめない自分の境遇に思い悩んでいる。一方でホラーというジャンルそのものは好きであり、全米ネットワーク「カルトクイズ・アワー」のホラー映画部門に出場し全問正解で優勝したことをきっかけに、ホラー映画『キラーマンVII~キラーマン日本へ行く~』に主演、女優としての第一歩を踏み出した。研究会でイルブリード挑戦の話が持ち上がった際、高すぎる賞金を訝しんで一人だけ参加を拒否したが、彼女を置いて出発した3人が数日経っても帰ってこないことを案じ、単身、イルブリードへ向かう。
- 恐怖を感じないため、不意の敵の出現で腰を抜かしてもすぐに立ち直ることができる。また、心拍数の上がり難さが初期段階で最大になっている。しかし欠如しているのはあくまで恐怖だけで、不安や驚きの感情はあるため、心停止、ショック死しない訳ではない。また、仲間を救出せずステージをクリアする度に服が破れていくが、これが真のエンディングへの伏線になっている。
- ケヴィン・カーツマン(Kevin Kertsman)
- 17歳。ホラー映画研究会の部員。ハマーン・プロの『ドラキュラ』シリーズに傾倒し、クリストリー・ファーを尊敬するゴシックホラーオタク。80年代以降のスプラッターを徹底的に馬鹿にしている。一見軽薄だが、冷静沈着な批評から“K・C・ハマーン”と呼ばれる。中世ヨーロッパの伝説に詳しいことを学業面にも活かしており、歴史の成績が良い。
- ステータスは万能型だが、腰抜け状態から復帰するまでの時間が非常に長い。
- ミシェル・ウォーターズ(Michel Waters)
- 17歳。ホラー映画研究会の部員。霊感が強く、奇病に苦しむ子供たちから悪霊を追い払うボランティア活動をしている。悪霊・死霊もののホラーに関心を持ち、映画の舞台となった町に訪れるなど本格的な研究をすすめる。とくに『エクソシスター』に強い影響を受け、将来は悪魔祓いの職に就こうと考えている。彼女が懸賞でイルブリードのチケットを当てたことが物語の発端となる[注釈 9]
- 高いアドレナリン量を持ち強心度も高めだが、体力が低くトラップ解除時の硬直時間も長い。
- ランディ・フェアバンクス(Randy Fairbanks)
- 16歳。ラグビー部からホラー映画研究会に移籍してきた肉体派。『12日は木曜日』などのスプラッター映画の愛好家で、半裸美女の惨殺シーンさえ映れば映画の出来自体はどうでもいいという典型的なアメリカ人ホラーマニアである。自宅はジェインソやプレディなどの殺人鬼フィギュアの山で、『あくまでいけにえ』で実際に使用されたチェーンソーを1万ドルでローン購入した。
- 体力が高い反面、アドレナリン量が極端に少ない。また、救出する前にあるアイテムを入手したか否かで以降の立ち振る舞いが変化する。
- ヨーグ・S・ベイカー(Jorg S Baker)
- 21歳。殺人お化け屋敷の噂を聞いてイルブリードを訪れた記者。ゲーム開発中、クレイジーゲーム社を取材に訪れた外国人記者がモデルになっている。仲間になるタイミングが遅いためステージ6とラスボス戦でしか使用できない[注釈 10]。
- ケヴィン並みの体力とミシェル並みのアドレナリン量を持つ。
- マイケル・レイノルズ(Michael Reynolds)
- 史上最も上映禁止を多発させたホラー映画プロデューサー。55億ドルもの巨費を投じてイルブリードを建設したということ以外は全てが謎に包まれた人物。
その他
体験キャンペーン
発売に先がけて2度の体験キャンペーンが行われた。内容は開発中のステージ1を制限時間内にクリアすれば賞金10万円が与えられるというもので、実際に獲得者が出ている。会場では限定パンフレットが配布されたほか、第2回の会場で製品を予約した者にはオリジナルQUOカードが贈呈された。
- 第1回(2000年9月24日):東京ゲームショウ クライマックス・グラフィックスブース
- 第2回(2001年2月24日):渋谷「bit TOUR's」(閉店)
仕様
- 初回限定版
ドリームキャストダイレクト上でエリコのフィギュアつき初回限定版が販売された。
- 海外版
ほぼ同じ内容の北米版がAIA Gamesから販売されている。テキストが英語になっている他、日本的な部分が北米向けにアレンジされている。
- 「ラーメン」「懐石料理」など日本色の強いアイテムがそれぞれ「サラダ」「ステーキディナー」に変更されている。
- 謎解きが英語圏向けに変更されている。例えばステージ3に登場する「ひとごろし=1564」というダジャレは、「wood= 9663(電話でwoodと押す際のナンバー)」となっている。
- ステージ5の犯人探しにおいて、「プレイヤー=こんなゲームを買う異常な神経」と表記されている部分が「プレイヤー=あなたがステージ5に来なければ殺人事件は起きなかった」に変更されている。
- 海外版はMATURE(残虐表現・性的表現・暴力表現)でのレイティングがかけられている。
評価
Metacriticの集計では賛否両論にあたる61/100だった[2]。ファミ通のクロスレビューは28点(満40点)を付けた[7]。
多くのレビュアーは戦闘やパズルの要素を省き、罠の発見と回避を優先するシステムを、当時の典型的なサバイバルホラーから逸脱する意欲として称賛した。エレクトロニック・ゲーミング・マンスリーは「死にかけのサバイバルホラーのたいまつを拾い上げ、ガソリンをかけて、笑いながらツリーハウスに投げ込む」と表現し、「狂気的にゴージャス」で「とんでもなく奇妙」と評価[5]。Next GenerationやGameSpyも独特のゲームプレイやユーモアによる独自性を評価し、従来のサバイバルホラーからうまく差別化していると称賛した[14][12]。IGNは「マンネリ化したホラーアクションジャンルに刺激を与えようとしたことは称賛に値する」とした[13]。
特に称賛されたのは、B級映画風のスタイルにブラックユーモアだった。GameSpotは「飛び散る血の惜しみない使用により、B級映画の雰囲気が完璧に醸し出されている」と評し[11]、エレクトロニック・ゲーミング・マンスリーとNext Generationはどちらも、本作の低予算感がインスピレーションの源となったB級映画と同じような雰囲気を感じさせると書いた[5][14]。
一方でゲームデザインと操作性は批判された。ぎこちないジャンプ、カメラワークなどがフラストレーションの原因になっているとも評され[12][14]、IGNはこれらの問題に気を取られていると楽しむのは難しいと述べた[13]。先に進む前に部屋に入るとトラップがないか立ち止まってスキャンする必要があるゲームデザインも批判を受けている[12]。GameSpotは本作が楽しめるかは「ドタバタホラーへの嗜好」と「退屈さへの耐性」次第だと綴った[11]。
これら批評についてプロデューサーの西垣は生前、「『イルブリード』は高度な知性を必要とするゲームで、多くの謎やホラー要素(新旧問わず)が詰まっている。ジェームズ・キャメロン、スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、宮崎駿、黒澤明といった著名な映画監督の初期のビジョンを融合させようと試みた、多くの人が理解できないようなエンターテイメントの融合だった」とし、自身は否定的なレビューには全く影響されなかったとして、「ただ未来を見据え、ビジョンを描いているだけ」と語っており、本作を成功作だと認識していた[17]。
ドリームキャスト生産終了時期と重なったなどの要因から売り上げ自体は振るわず、前作『ブルースティンガー』の10分の1にあたる5万本程度に留まった。純粋なサバイバルホラーとして期待した各ゲーム雑誌が本作を平凡に評価した点も誤解を招き、事態を悪化させたとされる。また、社名変更により、欧米で大ヒットした『ブルースティンガー』の会社だと気付かれにくくなった可能性が指摘されている[17]。
しかし後年には再評価によってカルト的人気を集めており[17]、ドリームキャストの最高のゲームの1つ[18]、レトロホラーゲーム全体で最高のゲームの1つと評されることもある[19]。2015年にはAUTOMATONにて「DC本体ごと購入して余るほどの恐怖と笑いの体験が待っているはず」とも紹介されており[20]、2020年代に入っても「リブートされるべき、忘れ去られたドリームキャストゲーム」[21]、「誰も覚えていない、ドリームキャストの隠れた名作」[22]などの特集に度々取り沙汰されており、ゲームラントでは「間違いなく史上最も奇妙なホラーゲームの1つであり、入手がますます困難になるのは残念だ」と綴られている[23]。また、ダンガンロンパシリーズの小高和剛は自身に影響を与えたゲームとして『killer7』と共に本作を挙げており、「こんなに自由でいいんだ」と考える切っ掛けになったとしている[24]。