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OUT〜妻たちの犯罪〜

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『OUT〜妻たちの犯罪〜』(アウト つまたちのはんざい)は、1999年10月12日から12月21日まで毎週火曜日21:00 - 21:54に、フジテレビ系「火曜9時」枠で放送されたテレビドラマ[1]。主演は田中美佐子と飯島直子。

原作は桐野夏生の小説『OUT』。

あらすじ

深夜の弁当工場でパート勤務をしている主婦・香取雅子は、ろくに会話もない冷え切った家庭に嫌気がさし、感情を押し殺したまま単調な日常を送っていた。唯一の息抜きは、同じく夜勤で働くパート仲間――山本弥生、吾妻ヨシエ、城戸邦子との他愛もない雑談や、ひょんなことから知り合った女刑事・則子とのやり取りであり、彼女たちもまたそれぞれ家庭や金銭、人間関係に問題を抱えながら、かろうじて日常をつなぎ止めていた。

しかしある日、その均衡は唐突に崩壊する。弥生が、ギャンブルに溺れ暴力を振るう夫を衝動的に殺害してしまったと雅子に打ち明けたのである。追い詰められた弥生の懇願を受け、雅子は冷静に状況を判断し、ヨシエ、邦子を巻き込む形で死体の解体と遺棄を実行するという決断を下す。こうして4人は、偶発的な殺人の後処理という一線を越え、「共犯関係」という逃れられない運命共同体へと足を踏み入れることになる。

当初は恐怖と打算によって結びついていた彼女たちだったが、死体解体という極限の体験は、やがてその関係に歪みを生じさせていく。金銭の分配や責任の所在をめぐる軋轢、そしてそれぞれが抱えていた不満や欲望が露わになるにつれ、信頼は次第に疑念へと変わっていく。特に邦子の軽率で自己中心的な行動は状況を悪化させ、仲間内の結束を大きく揺るがす要因となる。

さらに、被害者の失踪をめぐる警察の捜査が進展し、則子もまた事件に接近していくことで、4人は日常と非日常の狭間で追い詰められていく。加えて、被害者と繋がりのある裏社会の人物が介入したことで、事態は彼女たちの手に負えない領域へと拡大する。こうして、互いに支え合うことで成立していたはずの関係は、「誰かを切り捨てなければ自分が危うい」という相互不信の構造へと変質していく。

遺体の隠蔽によって一時の安寧を得たかに見えた彼女たちだったが、警察の包囲網と、事件によって全てを失った男・佐竹の執念が彼女たちの足元を掬う。金銭への執着から暴走した邦子の裏切りが引き金となり、4人の共同体は瓦解。信じ合っていたはずの主婦たちは、自らの生存を守るために互いを切り捨てる猜疑心の檻へと閉じ込められていく。

生活苦と介護に疲弊していたヨシエは、身辺に迫る警察の影と、自分を金としか見ない家族への絶望に耐えきれず、自ら命を絶つ道を選んだ。一方、独断で闇金に関わろうとした邦子も、真犯人を追う佐竹に捕まり、凄惨な拷問の末に命を落とす。殺人の当事者である弥生は、最後まで「自分は悪くない」という被害者意識に固執して雅子に縋ろうとするが、冷徹に突き放されたことで、孤独と恐怖に怯え続ける空虚な日常に置き去りにされた。

唯一、雅子だけはこの極限の闘争を「真の自由」への契機へと変質させていく。廃工場に現れた佐竹との死闘は、支配しようとする男と、それを拒絶する女の魂の激突となった。雅子は佐竹を殺害することで、自分を縛り付けていた家族、名前、そして社会的な役割のすべてを抹消する。彼女は佐竹が遺した大金を手にし、偽造パスポートで海外へと逃亡。もはや何者でもない一人の存在として、絶望の「外(OUT)」へと突き抜けていった。

キャスト

香取雅子(40) - 田中美佐子[2]
東京都多摩地区で、夫と一人息子と共に暮らす主婦。数年前までは信用金庫に勤めるキャリアウーマンだったが、優秀すぎて周囲から煙たがられた末、退職に追いやられた。既に家庭崩壊に陥っており、夫や息子との関係は険悪になっている。現在は深夜の弁当工場でパート勤務をしており、仲間内ではリーダー的存在。
井口則子(30) - 飯島直子[3]
武蔵大和警察署の刑事。雅子の息子、伸樹が逮捕された際に取調べを担当したことが縁で雅子と親しくなる。少年課から念願の刑事課へ異動となったが、男社会の警察組織で、同僚たちから辛く当たられる。伸樹のことを現在も気にかけている。
吾妻ヨシエ(48) - 渡辺えり子
雅子の同僚。夫に先立たれ、都内の借家で寝たきりの姑と、高校生の娘の三人で暮らしている。明るく豪快な性格だが、経済的に困窮しており、生活保護を受けている。雅子とは本音を打ち明け合えるよき友人。年長者で快活な性格のため仲間からは「師匠」と呼ばれる。
山本弥生(26) - 原沙知絵[4]
雅子の同僚。夫と息子がいる。若くて美人だが夫はギャンブル依存症になっており、ことあるごとに暴力を受け冷え切った夫婦生活を送っている。そんな生活に耐えかね、ついに夫を絞殺してしまい雅子に泣きつく。楽観的な性格で不用意な言動をとりがち。周囲からは「山ちゃん」と呼ばれる。
城之内邦子(29) - 高田聖子[5]
雅子の同僚。非常に軽い性格のため、仲間内での信用はほとんどなくたびたび事件の足を引っ張る。[6]外車で通勤し、ブランドのバッグや洋服を次々と購入するなど、一見羽振りが良さそうに見えるが実際は団地暮らしで闇金で多額の借金をしており、やはり金に困っている。男と同棲しているが籍は入れていない。
十文字彬(34) - 哀川翔
邦子が借金をしている闇金業者。雅子たちが死体を解体、遺棄していることを知り、警察に秘密にする代わりに、雅子たちのもとへ次々と死体を運び込んでは解体させ、金を渡している。
上原刑事(26) - なすび
則子の異動先の同僚刑事。周囲の男の刑事たちが辛く当たる中、唯一則子に優しく接する。実は上司に命じられ、則子の動きを監視していた。則子が刑事課に配属されたのは男女雇用機会均等法により、体裁を繕うために女性を一人配属させただけであり則子の配属は「お飾り」だと言い放っている。
柳沢課長(54) - 平泉成
武蔵大和警察署刑事課長。少年課から異動してきた則子に辛く当たる。署内で横行している押収品横流しの黒幕であり、則子に罪をかぶせ、揉み消そうとする。
安娜(あんな)(20) - 小田エリカ[7]
光義が経営するバカラクラブの従業員兼愛人。片言の日本語でしゃべり、光義を「オニイチャン」と呼ぶ。弥生の夫である健司からストーカー被害を受けている。
山本健司(34) - 逸見太郎
弥生の夫。サラリーマンであったが、光義のバカラクラブの常連客で、家の貯金を使い果たすほど熱中し、弥生への暴力を繰り返す。ついには妻に殺害され、バラバラにされてしまう。
曽我(50) - 笹野高史
十文字が懇意にしている暴力団幹部。十文字から雅子の息子、伸樹を紹介され、ある仕事を依頼する。
吾妻千代子(75) - 冨士眞奈美
ヨシエの姑。かつては嫁であるヨシエに辛く当たっており、寝たきりとなり、ヨシエの介助なしには生きていけない状況に陥っても、相変わらず憎まれ口を叩く。
吾妻美紀(17) - 岡本綾
ヨシエの次女。高校2年生。家計が苦しいため、アルバイトをしている。短大への進学を希望しているが、経済的理由から母に反対されており、貧しい家庭にうんざりしている。
香取伸樹(18) - 石川伸一郎
雅子の一人息子。1年前に大麻所持の現行犯で逮捕され、高校を退学。現在はアルバイト生活をしている。事件以降両親とはほとんど口を利いていないが、親身になってくれた則子には心を開く。
吾妻和恵(24) - 逸見愛 
ヨシエの長女。男と駆け落ちしていたが、突然子供(長男)を連れ帰宅する。ヨシエが死体解体の報酬を得たことを察知してその金を持ち逃げするが、そのことがヨシエを更に追い詰めることとなる。
山本貴志(5) - 泉澤祐希
弥生と健司の息子。
真山努(30) - 細川茂樹
則子の恋人で、サラリーマン。則子の栄転を喜ぶが、実は結婚を考えており、本心では、警察を辞めて欲しいと思っている。
宮森カズオ(26) - 伊藤英明
雅子の弁当工場に勤める日系ブラジル人。雅子と言葉を交わすことはほとんどないが、密かに思いを寄せている。ヨシエや邦子からは「ブラジルさん」と呼ばれる。
香取良樹(44) - 段田安則
雅子の夫。最近リストラに遭ったが、雅子には言えないでいる。無口で口下手な性格であり、本当は妻を愛しているのだが、うまく愛情表現ができず、すれ違いがちになり、夫婦仲が冷えてしまう。
佐竹光義(45) - 柄本明
バカラクラブ経営者。健司を殺した疑いをかけられ、取調べを受ける。釈放後、真犯人である雅子たちを追い詰めていく。殺人の前科があり、その時殺したのは、雅子によく似た女だった。猟奇的性格の持ち主。

スタッフ

放送日程

さらに見る 各話, 放送日 ...
各話放送日サブタイトル 演出視聴率
第1話1999年10月12日出口 星田良子16.1%
第2話1999年10月19日解放 平野眞12.5%
第3話1999年10月26日亀裂 星田良子12.6%
第4話1999年11月02日発覚11.3%
第5話1999年11月09日逮捕 平野眞11.8%
第6話1999年11月16日始動12.6%
第7話1999年11月23日外圧 星田良子11.4%
第8話1999年11月30日死亡
第9話1999年12月07日崩壊 平野眞12.8%
第10話1999年12月14日終焉 星田良子13.0%
最終話1999年12月21日自由13.8%
(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)
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脚注

外部リンク

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