PSスコア
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PSスコア(ぴーえすすこあ)とは、パフォーマンスステータス[1]の概念を根拠に、慢性疲労、労作後の極端な消耗、睡眠障害、認知機能障害、筋力低下などの症状を呈する難治疾患筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)など客観的な検査マーカーによる診断方法が開発されていない疾患で、患者の運動困難や動作困難、身体活動の不能などの症状をカテゴリー分けするために使用されているスコア。
パフォーマンスステータスの「健康および障害の評価(WHODAS)」とは異なり、セルフケアや認知機能ではなく、身体の疲労感と労働に焦点を当てている。 近年では筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と類似した病態を持つ、 新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染後後遺症の診断に多用。新型コロナウイルスなどの感染後後遺症の発症の場合は、男性よりも女性に多発[2] [3] [4] [5]するとされる(→「Long COVID」)。
PS(performance status)による疲労・倦怠の程度(PSは医師が判断)
以下の日本診断基準[6]は、米国医学研究所(IOM)診断基準(2015)[7]にもとづく。複数の診断基準が作成されてきた経緯があり、他の診断基準は「国際合意基準」[8]、「カナダ基準」[9]などがある。
- 0 倦怠感がなく平常の社会生活ができ、制限を受けることなく行動できる
- 1 通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、疲労を感ずるときがしばしばある
- 2 通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 全身倦怠感の為、しばしば休息が必要である。
- 3 全身倦怠感のため、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。
- 疲労・倦怠感の具体例(PSの説明):社会生活や労働ができない「月に数日」には、土日や祭日などの休日は含まない。また、労働時間の短縮など明らかな勤務制限が必要な状態を含む。
- 4 全身倦怠感の為、週に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。
- 疲労・倦怠感の具体例(PSの説明):健康であれば週5日の勤務を希望しているのに対して、それ以下の日数しかフルタイムの勤務ができない状態。半日勤務などの場合は、週5日の勤務でも該当する。
- 5 通常の社会生活や労働は困難である。軽労働は可能であるが、 週のうち数日は自宅にて休息が必要である。フルタイムの勤務は全くできない状態。
- 疲労・倦怠感の具体例(PSの説明):「軽労働」とは、数時間程度の事務作業などの身体的負担の軽い労働を意味しており、身の回りの作業ではない。
- 6 調子のよい日は軽労働は可能であるが、 週のうち50%以上は自宅にて休息している。
- 7 身の回りのことはでき、介助も不要ではあるが、 通常の社会生活や軽労働は不可能である。
- 疲労・倦怠感の具体例(PSの説明):1日中、ほとんど自宅にて生活をしている状態。収益につながるような短時間のアルバイトなどは全くできない。介助とは、入浴、食事摂取、調理、排泄、移動、衣服の着脱などの基本的な生活に対するものをいう。
- 8 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、 日中の50%以上は就床している。
- 疲労・倦怠感の具体例(PSの説明):外出は困難で、自宅にて生活をしている状態。日中の50%以上は就床していることが重要。
- 9 身の回りのことはできず、常に介助がいり、 終日就床を必要としている。
対症療法
多くの場合で、漢方や鍼灸による対症療法などが上げられるが、現在標準治療として確立された根治方法やバイオマーカーはまだない。