USP7

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USP7(Ubiquitin-specific-processing protease)は、ヒトではUSP7遺伝子にコードされる酵素であり、HAUSP(herpesvirus-associated ubiquitin-specific protease)やubiquitin carboxyl-terminal hydrolase 7の名称でも知られる[5][6][7][8]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号USP7, HAUSP, TEF1, ubiquitin specific peptidase 7 (herpes virus-associated), ubiquitin specific peptidase 7, HAFOUS
染色体16番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
USP7
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1NB8, 1NBF, 1YY6, 1YZE, 2F1W, 2F1X, 2F1Y, 2F1Z, 2FOJ, 2FOO, 2FOP, 2KVR, 2XXN, 2YLM, 3MQR, 3MQS, 4JJQ, 4KG9, 4M5W, 4M5X, 4PYZ, 4WPH, 4WPI, 4YOC, 5C56, 5C6D, 4YSI, 5FWI

識別子
記号USP7, HAUSP, TEF1, ubiquitin specific peptidase 7 (herpes virus-associated), ubiquitin specific peptidase 7, HAFOUS
外部IDOMIM: 602519 MGI: 2182061 HomoloGene: 2592 GeneCards: USP7
遺伝子の位置 (ヒト)
16番染色体 (ヒト)
染色体16番染色体 (ヒト)[1]
16番染色体 (ヒト)
USP7遺伝子の位置
USP7遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点8,892,097 bp[1]
終点8,975,328 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
16番染色体 (マウス)
染色体16番染色体 (マウス)[2]
16番染色体 (マウス)
USP7遺伝子の位置
USP7遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点8,507,459 bp[2]
終点8,610,172 bp[2]
RNA発現パターン




さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 cysteine-type peptidase activity
p53結合
転写因子結合
ペプチダーゼ活性
protein C-terminus binding
血漿タンパク結合
thiol-dependent deubiquitinase
cysteine-type endopeptidase activity
加水分解酵素活性
ubiquitin protein ligase binding
deubiquitinase activity
Lys48-specific deubiquitinase activity
細胞の構成要素 細胞質
PML body
核内構造体
核質
細胞核
細胞質基質
染色体
高分子複合体
生物学的プロセス maintenance of DNA methylation
ubiquitin-dependent protein catabolic process
タンパク質の安定化
タンパク質分解
DNA損傷刺激に対する細胞応答
多細胞個体の発生
regulation of DNA-binding transcription factor activity
regulation of telomere capping
transcription-coupled nucleotide-excision repair
viral process
negative regulation of NF-kappaB transcription factor activity
DNA修復
protein ubiquitination
protein deubiquitination
monoubiquitinated protein deubiquitination
histone H2B conserved C-terminal lysine deubiquitination
タンパク質安定性の制御
negative regulation of proteasomal ubiquitin-dependent protein catabolic process
protein K48-linked deubiquitination
positive regulation of DNA demethylation
regulation of circadian rhythm
周期的プロセス
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_003470
NM_001286457
NM_001286458
NM_001321858

NM_001003918

RefSeq
(タンパク質)

NP_001273386
NP_001273387
NP_001308787
NP_003461

NP_001003918

場所
(UCSC)
Chr 16: 8.89 – 8.98 MbChr 16: 8.51 – 8.61 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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機能

p53の調節

USP7(HAUSP)はユビキチン特異的プロテアーゼ脱ユビキチン化酵素)であり、基質からユビキチンを切断除去する[9]。一般的にユビキチン化(ポリユビキチン化)は細胞のタンパク質の安定性と分解と関係しているため、HAUSPの活性は一般的に基質タンパク質を安定化する。

HAUSPはMdm2の直接的なアンタゴニストであることで最もよく知られている。Mdm2はがん抑制タンパク質p53に対するE3ユビキチンリガーゼである。通常はp53のレベルは低く維持されているが、その一部はMdm2を介したユビキチン化と分解によるものである。HAUSPは発がん性損傷に応答してp53を脱ユビキチン化し、Mdm2を介した分解から保護する。このことから、HAUSPはストレスに応答して迅速にp53の安定化を行うがん抑制機能を有している可能性が示唆される。

MycアデノウイルスE1Aなどからの発がん性シグナルからのp53の活性化はARFの発現誘導を介して行われると考えられているが[10]、一方でこうしたシグナルによるp53の活性化にはARFは必要不可欠ではないことも一部の研究では示唆されている[11][12]。HAUSPはこうした発がん性損傷に対する安全装置として、p53活性化の代替的経路となっている可能性がある[13]

転写調節における役割

USP7はヒストンH2Bを脱ユビキチン化し、ショウジョウバエではこの活性は遺伝子サイレンシングと関係している[14]。USP7は代謝酵素であるGMPシンターゼ(GMPS)と結合し、この結合はUSP7のH2Bに対する脱ユビキチン化活性を促進する[14]。USP7-GMPS複合体はショウジョウバエのポリコーム領域にリクルートされ、ホメオティック遺伝子エピジェネティックなサイレンシングに寄与する[15]

ヘルペスウイルスとの結合

USP7はもともと単純ヘルペスウイルス(HSV)のICP0タンパク質に結合するタンパク質として同定された[16]。HAUSPという名称はこのことに由来している。ICP0は自身や特定の細胞タンパク質のユビキチン化とその後の分解に関与するE3ユビキチンリガーゼである。USP7はICP0の自己ユビキチン化と分解を調節することが示されている。

より近年になって、USP7がエプスタイン・バール・ウイルス(EBV、他のヘルペスウイルス)のEBNA1タンパク質とも相互作用することが発見された[17]。EBVには発がん性があり、いくつかのヒトのがんと関係していることから、この相互作用は特に興味深いものとなっている。EBNA1はUSP7への結合をめぐってp53と競合する。細胞内でEBNA1はUSP7をp53から隔離してp53の安定化を弱め、細胞をがん化しやすい状態にする。こうしたUSP7の隔離によるp53の機能の低下は、EBNA1がEBVの発がん性に寄与する方法の1つである。さらに、ヒトのUSP7はGMPSと複合体を形成し、この複合体がEBVのゲノム配列へリクルートされることも示されている[18]。ヒト細胞ではUSP7はヒストンH2Bの脱ユビキチン化に重要であり、同様にEBVのゲノムに取り込まれたヒストンH2Bの脱ユビキチン化にも重要である。このようにUSP7はウイルス遺伝子の発現の調節にも重要である可能性がある。

臨床的意義

USP7の機能喪失型変異は神経発達障害と関係しており、その症状には発達遅滞/知的障害、自閉症スペクトラム障害てんかんの有病率の増加、脳のMRIの異常、運動性発話障害が含まれ、一部の患者は完全に発話ができない[19][20]

USP7はMdm2をユビキチン化して分解し、p53の活性を増加させるため、老化細胞除去薬としての可能性がある[21]

相互作用

USP7はアタキシン1英語版[22]クラスピン英語版[23]、p53[13]と相互作用することが示されている。ヒトの75種類の脱ユビキチン化酵素の相互作用パートナーのプロテオーム解析により、USP7の新たな結合パートナーが明らかにされている[24]

既知のUSP7/HAUSPの結合パートナーの一部を次に挙げる。

出典

関連文献

外部リンク

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