脱ユビキチン化酵素

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直鎖状ジユビキチンアルデヒド(緑)と共有結合的に連結されたUSP21(青)。ユビキチンのC末端がUSP21の活性部位を通って伸びている(右下)。
幅広いDUBの蛍光基質となるUb-AMC英語版

脱ユビキチン化酵素(だつユビキチンかこうそ、: deubiquitinating enzyme、略称: DUB)は、タンパク質からユビキチンを切断除去するプロテアーゼのグループである[1][2]。他にdeubiquitinating peptidase、deubiquitinating isopeptidase、deubiquitinase、ubiquitin protease、ubiquitin hydrolase、ubiquitin isopeptidaseなどとも呼ばれる。ユビキチンは、プロテアソームリソソームを介したタンパク質分解の調節や、タンパク質の細胞内局在の調整、タンパク質の活性化や不活性化、タンパク質間相互作用の調節のためにタンパク質に付加される[3][4][5]。DUBはユビキチンと基質の間のペプチド結合またはイソペプチド結合を切断することで、ユビキチン化による効果を逆転させる。ヒトには約100種類のDUBの遺伝子が存在し、システインプロテアーゼメタロプロテアーゼという2つの主要なクラスに分類される。システインプロテアーゼグループのDUBは、USP(ubiquitin-specific protease)、UCH(ubiquitin C-terminal hydrolase)、MJD(Machado-Josephin domain protease)、OTU(ovarian tumour protease)ファミリーなどからなる。メタロプロテアーゼグループのDUBは、JAMM(Jab1/Mov34/Mpr1 Pad1 N-terminal+)ドメインプロテアーゼのみが含まれる[2]

システインプロテアーゼ

ヒトには95個のDUB遺伝子があると推定され、システインプロテアーゼとメタロプロテアーゼの2つの主要なクラスに分類される。58種類がUSP、4種類がUCH、5種類がMJD、14種類がOTU、そして14種類がJAMMドメインを含んでいる。そのうち90種類が発現しているが、11種類には活性がなく、残りの79種類が機能的な酵素であると考えられている[6]

システインプロテアーゼ型DUBには4つの主要なスーパーファミリーが存在する[7]

また、近年新たなファミリーが発見されている。

UCH
ユビキチンと複合体を形成したUSP2
識別子
略号 UCH
Pfam PF00443
Pfam clan CL0125
InterPro IPR001394
PROSITE PDOC00750
MEROPS C19
SCOP 1nb8
SUPERFAMILY 1nb8
利用可能な蛋白質構造:
Pfam structures
PDB RCSB PDB; PDBe; PDBj
PDBsum structure summary
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さらに、PPPDE(permuted papain fold peptidases of dsDNA viruses and eukaryotes)スーパーファミリーと呼ばれる、理解は進んでいないもののDUBと推定されるグループも存在し、実際にDUBであることが示されれば7番目のクラスとなる[10]

メタロプロテアーゼ

JAMMドメインスーパーファミリーのタンパク質は、亜鉛を結合するメタロプロテアーゼである[7]

脱ユビキチン化酵素の役割

DUBの機能の模式図

DUBはユビキチン経路でいくつかの役割を果たす。DUBの最もよく特徴づけられている機能は、タンパク質からのモノユビキチンとポリユビキチン鎖の除去である。ユビキチン化は翻訳後修飾(タンパク質の合成後に付加されたもの)であり、基質タンパク質のリジン残基に1つのユビキチンまたはユビキチンの鎖が付加される。ユビキチンは、ユビキチン活性化酵素(E1)、ユビキチン結合酵素(E2)、ユビキチンリガーゼ(E3)からなるユビキチン化装置によってタンパク質に付加され、最終的にはリジン残基にイソペプチド結合で付加されたユビキチンとなる[11]。ユビキチン化は多くの方法でタンパク質に影響を与え、プロテアソームとリソソームを介したタンパク質の分解を調節し、タンパク質の細胞内局在を調整し、タンパク質を活性化したり不活性化したりし、タンパク質間相互作用を調節する[3][4][5]。DUBはユビキチン化修飾を除去することでこれらの作用に対抗する役割を果たし、タンパク質の運命を逆転させる[2]。さらに、あまり理解は進んでいないものの、DUBはSUMONEDD8などのユビキチン様タンパク質の除去にも関与しており、一部のDUBはこれらのタンパク質と基質タンパク質の間のイソペプチド結合を切断する[12]

DUBは、不活性型として発現するユビキチンをタンパク質分解によって活性化する。哺乳類ではユビキチンは、UBA52英語版RPS27A英語版UBB英語版UBC英語版の4つの異なる遺伝子にコードされている。酵母など他の真核生物でも同様の遺伝子セットが発見されている。UBA52RPS27A遺伝子はリボソームタンパク質に融合した形でユビキチンを産生し、UBBUBC遺伝子はポリユビキチン(C末端N末端で連結されたユビキチンの鎖)を産生する[13][14]。DUBはこれらのタンパク質からユビキチンを切断し、活性のあるモノユビキチンを産生する[2]

DUBは、意図せずC末端テールが細胞内の求核性低分子と結合したモノユビキチンタンパク質の切断も行う[2]。こうしたC末端テールで結合したユビキチン-アミドやユビキチン-チオエステルは標準的なE1-E2-E3カスケードによるユビキチン化反応でも形成される場合があり、グルタチオンポリアミンはユビキチンとこれらの酵素の間のチオエステル結合を攻撃する可能性がある。ユビキチンC末端ヒドロラーゼ(UCH)は、こうした意図しない結合を広い特異性で加水分解するDUBの例である[12][15]

またDUBは、遊離ポリユビキチン鎖を切断してモノユビキチンを産生する。こうしたポリユビキチン鎖は、基質タンパク質がない場合でもE1-E2-E3装置によって形成される場合がある。遊離ポリユビキチン鎖の他の発生源は、ユビキチン化基質の切断産物である。DUBがタンパク質に付加されたポリユビキチン鎖をその基部で切断した場合にはポリユビキチン鎖が遊離し、DUBによるモノユビキチンへの再生が必要となる[2]

ドメイン

疾患における役割

出典

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