あしか祭り
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あらすじ
玄関のベルがカンコンと鳴り、ドアを開けると、そこにあしかが立っていた。「僕」は何がなんだかよくわからないままにあしかを部屋に通し、冷えた麦茶を出した。
「でもなんですねえ、高校野球も終わっちゃったし、プロ野球も巨人の優勝は決まっちゃったようなもんだし、何かこうもうひとつ盛りあがりませんねえ」[1]とあしかは言い、部屋をぐるぐる見回した。
「失礼ですが、ずっとお一人で?」と訊かれ、「いや、家内がしばらく旅行に出ているもんですから」と答えると、あしかはクックッと楽しそうに笑った。
要するに、すべては自分の責任なのだ。たとえどんなに酔っ払っていても、新宿のバーで隣りに座ったあしかに名刺なんて渡すべきではなかったのだ。あしかは言った。「まあいわばあしかという存在に対する先生の象徴的援助を頂ければ、という程度のことなんです」
あしかという動物は相手のことをたいてい先生と呼ぶ。あしかは名刺を差し出した。「僕」は「あしか祭り実行委員長」と肩書きを読みあげた。