いつか、無重力の宙で
2025年の日本のテレビドラマ
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『いつか、無重力の宙で』(いつか、むじゅうりょくのそらで)は、2025年9月8日から10月30日まで、NHK総合の「夜ドラ」枠で放送されたテレビドラマ。脚本家・武田雄樹のオリジナル脚本で、主演は木竜麻生[1]。
| いつか、無重力の宙で | |
|---|---|
| ジャンル | 連続ドラマ |
| 脚本 | 武田雄樹 |
| 演出 |
佐藤玲衣 盆子原誠 押田友太 |
| 監修 | 戸梶歩(人工衛星考証) |
| 出演者 |
木竜麻生 森田望智 片山友希 伊藤万理華 奥平大兼 田牧そら 上坂樹里 白倉碧空 山下桐里 鈴木杏 生瀬勝久 |
| ナレーター | 柄本佑 |
| 音楽 | 森優太 |
| エンディング | 吉澤嘉代子「うさぎのひかり」 |
| 国・地域 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 時代設定 |
2008年 - 2010年(回想) 2023年 - 2025年 |
| 製作 | |
| 制作統括 | 福岡利武 |
| プロデューサー | 南野彩子 |
| 撮影地 | 関西近郊 |
| 制作 | NHK大阪放送局 |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | NHK総合テレビジョン |
| 映像形式 | 文字多重放送 |
| 音声形式 | ステレオ放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2025年9月8日 - 10月30日 |
| 放送時間 | 月曜 - 木曜 22:45 - 23:00 |
| 放送枠 | 夜ドラ |
| 放送分 | 15分 |
| 回数 | 全8週・32話 |
| 公式ウェブサイト | |
| 番組年表 | |
| 前作 | 藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ(シーズン3) |
| 次作 | ひらやすみ |
特記事項: 第11話(9月24日)は23:15 - 23:30に放送[注 1]。 第26話(10月21日)は22:50 - 23:05に放送[注 2]。 | |
平凡な人生を生きている30代の女性たちが、かつて高校の天文部で語り合っていた宇宙への夢と再び向き合い、二度目の青春の日々へと進み始める様子を通じて、その喜びや葛藤を描く作品である[2]。
製作
本作は、30代女性が日々の仕事の中で夢を再び追いかける姿を描くことを意図して企画された[3]。プロデューサーの南野彩子によれば、従来の30代女性を主人公としたドラマは、結婚や出産、キャリアといった既存のテーマに偏りがちであり、「好きなことに挑戦する30代女性」を描く作品は少ないと感じたことが企画の背景にあるという[3]。南野は、主人公たちが互いに自信を与え合いながら困難に挑む姿を描くことで、視聴者自身も前向きな気持ちになれるヒロイン像を目指したと述べている[3]。
演出の佐藤玲衣もまた、自身と同世代の登場人物たちのように「周囲の期待や環境に流される中で、本当にやりたいことが分からなくなる瞬間」を経験しており、その感覚を作品で表現することで、主人公たちがかつて抱いた「この人がいれば何でもできるかもしれない」という思いを取り戻す姿を描きたかったと語っている[3]。佐藤は、主演の木竜と森田が等身大の演技で役を体現してくれたことを高く評価している[3]。
タイトルの『いつか、無重力の宙で』には「大人になることで感じる重力から解放されたい」との思いが込められている[4]。
宇宙に関する描写
放送時期の2025年は、NHKが放送開始から100年の節目を迎えることから、「放送100年 NHK 宇宙・未来プロジェクト」として「宇宙・未来」をテーマに掲げている。本作は、このプロジェクトの一環として、宇宙を題材として放送される番組の一つである[5]。
演出の佐藤は2023年、アメリカの有人宇宙飛行計画であるアルテミス計画により、近い将来、女性の宇宙飛行士が月面に降り立つ可能性を知った。それをきっかけに、民間の人工衛星開発団体であるリーマンサット・プロジェクトと出会い、一般の人々が人工衛星を作り、宇宙へ打ち上げるという趣旨にドラマ性を感じ、本作の世界観が形作られた[4]。
人工衛星の製作の描写には、実際に人工衛星の開発に携わっている大学研究者や取材先の技術者たちが協力し、彼らの製作・開発のプロセスが取り入れられた[4][6] 。作中で製作された超小型人工衛星は、NHK大阪放送局一階に展示されている[7]。
主要人物の高校時代は2008年から2010年に設定されており、2009年の皆既日食など、当時の天文ニュースが脚本に織り込まれている[4]。また、月を象徴的に扱った描写、アポロ計画の宇宙飛行士にまつわる会話、NASAの実写写真、人工衛星の開発パーツを用いた小道具、オープニングのタイトルバックではモールス符号が流れるなど、作中の随所に宇宙の要素が散りばめられている[4]。
タイトルバックのモールス符号は、アスカ、ヒカリ、アマネ、ハルコ(元天文部の4人)やケイケイ(大学生の彗)など登場人物の名前に因んだものや、ワカレ(別れ)、ユメ(夢)、ミライ(未来)などのキーワードが流されたことを[注 3]、本作の人工衛星考証を担当した戸梶歩が明かしている[8][9]。
撮影
撮影は2025年5月から関西近郊で行われた[10]。
主人公たちが青春時代を過ごした土地は大阪府池田市と設定されており[11]、実際に天体観測に用いられている池田市の茶臼山古墳公園が、主人公たちが天体観測や国際宇宙ステーションを観測するシーンのロケ地として用いられた[4]。
このほか、猪名川河川敷や大阪府立渋谷高等学校など池田市内の各所[12]、大阪市立科学館[13]が飛鳥とひかりが訪れたプラネタリウムとして、堺市の大阪公立大学中百舌鳥キャンパス[14]や神戸学院大学[15]が和泉教授の研究室のある大学として、ロケ地に用いられた。
ロケ地に関連して、30名を超える大阪府立渋谷高等学校の生徒[16]や、大阪公立大学の小型宇宙機システムセンター所属の学生がエキストラとしてドラマに出演している[14]。
主人公たち4人が集まる天文部の部室には、星や宇宙をモチーフとした小道具が随所に飾られ、まるで秘密基地のような雰囲気が演出されている[4]。また、4人が定期的に訪れるファミリーレストランも、照明を惑星を思わせる球体にするなど、宇宙を意識したインテリアで統一されている[4]。
あらすじ
2023年、広告代理店の大阪支社に勤務する望月飛鳥は、高校時代に天文部の仲間たちと「一緒に宇宙へ行こう」と約束し合ったものの、仕事に忙殺され本当にやりたいことを見失いつつあった[17][18][19]。
そんなある日、飛鳥のもとに、天文部の仲間だった日比野ひかりが13年ぶりに姿を現す[18]。ひかりは現在でも宇宙への夢を追いかけていたが、宇宙飛行士選抜試験の直前に、その夢に破れたことを明かす[18]。落ち込むひかりに対し、飛鳥は新たに宇宙を目指す手段として超小型の人工衛星を打ち上げることを提案する[10]。飛鳥は天文部の仲間であった水原周、木内春子にも呼びかけて、人工衛星の製作に取り組み始める[18]。
しかし知識も資金もなく宇宙への道は遠く、行きつけのレストランの店員の金澤彗からも呆れられる[18][20]。それでも4人は、高校時代の友情を再び確かめ合い、かつての自分たちの夢に背中を押される形で再び宇宙を目指し、二度目の青春の日々へと進み始める[10][21]。
キャスト
主要人物
元・大隅高校天文部の4人の女性たち
- 望月 飛鳥(もちづき あすか)〈30→31〉
- 演 - 木竜麻生[1](高校時代:田牧そら[22])
- 主人公[10]。広告代理店「HINODE CREATE OFFICE」デジタルマーケティング部の入社9年目のOL[22]。
- 社員代表のように扱われているが、実際には上司や部下の肩代わりで、仕事に忙殺されている[21][23]。
- 日比野 ひかり(ひびの ひかり)〈30〉
- 演 - 森田望智[1](高校時代:上坂樹里[22])
- 飛鳥の高校時代の親友[24]。周囲に惑わされることなく、常に自分の好きなことを追い続けている[19]。
- 「宇宙から地球を見る」夢を叶えるためJAXAのエンジニアとなり宇宙飛行士を目指すが、健康診断で血液のガンの再発が判明する。
- 水原 周(みずはら あまね)〈30〉
- 演 - 片山友希[19](高校時代:白倉碧空[22])
- 食品メーカーの営業職。自由奔放に観られがちだが、実は繊細で傷つきやすい[19]。
- 木内 晴子(きうち はるこ)〈30〉
- 演 - 伊藤万理華[19](高校時代:山下桐里[22])
- 地元の市役所に勤めるシングルマザー。堅実派だが、興味を抱いたことには熱心に突き進む一面もある[19]。
周辺人物
ゲスト
- 第1週(第1話 - 第4話)
- 古賀(飛鳥の上司)- 行澤孝[25](1-3・5・7・9・10・13)
- 浜野 虎太郎(飛鳥の後輩)- 佐藤優太[26](1・5・7・9-11・13-15・17・21・25・26・28・31)
- 工藤(HINODE CREATE OFFICE 営業部) - 角真也[27](1・15・25・28)
- 奥田 華(飛鳥の後輩) - 鄭梨花[28](1・2・10・14・15・17・25)
- ニュースキャスター(宇宙関係のニュースを伝える) - 村田匡輝[29](1・20・22)
- ナレーター(天文部の宇宙飛行士選抜を伝える) - 吉田真由[30](1)
- 女子高生(飛鳥の同級生たち) - 道北陽菜[31](2・23)、末永紗彩[32](2・23)
- 翠(HINODE CREATE OFFICE 新卒採用担当) - 立川茜[33](4)
- 矢島(飛鳥に質問する就活生) - 小川さくら[34](4)
- 看護師(ひかりの担当看護師) - 小田ゆりえ[35](4・6)
- 第2週(第5話 - 第8話)
- 投資を勧める男 - 河野雅治[36](5)
- 投資を勧められる男 - 澤田和志[37](5)
- 店長(ファミレス「ロメット」の店長) - 杉森大祐[38](5・8・10・18・30)
- 土岡 竜次(イタリアンのシェフ・周の彼氏) - 真丸[39](6・7・14・24・27・30・31)
- 木内 岳(晴子の息子) - 鈴木来希[40](6・8・9・14・17・19・24-27・30-32)
- 第3週(第9話 - 第12話)
- 山名(和泉研究室の学生) - 北野秀気[41](11・14・15・17-21・24・25・27-32)
- 川瀬(和泉研究室の学生) - 中村凜太郎[42](11・14・15・17-21・24・25・27-32)
- 田中(飛鳥たちの担任、古文教師) - 田村ツトム[43](12・16)
- 第4週(第13話 - 第16話)
- 新規ゲストなし
- 第5週(第17話 - 第20話)
- 第6週(第21話 - 第24話)
- ラジオDJ - 大西ユースケ[45](22・28)
- 第7週(第25話 - 第28話)
- 海野 楓(宇宙ベンチャー「サットモア」代表取締役)- 藤谷理子[46](25・26・28・29・31・32)
- 星崎(「サットモア」面接担当) - 山脇辰哉[47](28・32)
- 大沢(摂津大学工学部教授) - 湯浅崇[48](28)
- 第8週(第29話 - 第32話)
スタッフ
エピソードリスト
| 放送週・話数 | 初回放送日 | 演出 |
|---|---|---|
| 第1週(第1話 - 第4話) | 2025年9月8日・9日・10日・11日 | 盆子原誠 |
| 広告代理店の大阪支社に勤める望月飛鳥は、仕事に追われる日々の中で、高校時代に天文部の友人たちと語り合った「宇宙に行く」という夢を忘れかけていた。そんなある日、13年ぶりに天文部の友人・日比野ひかりと再会し、彼女が今もなお宇宙飛行士を目指していたことを知る。しかし、ひかりはある事情から夢を諦めざるを得なくなり、「宇宙から地球を見たかった」と涙ながらに語る。その姿に心を揺さぶられた飛鳥は、自分にできることを模索する。そして高校時代のブログにあった「人工衛星を飛ばす夢」を思い出した飛鳥は、非現実的と思いつつも再びその夢に挑戦しようと決意する。 | ||
| 第2週(第5話 - 第8話) | 9月15日・16日・17日・18日 | 佐藤玲衣 |
| 飛鳥は宇宙飛行士を諦めたひかりに、「人工衛星を作れば夢を叶えられる」と提案し、天文部の仲間を再び集め始める。しかし、最初に声をかけた水原周からは「30歳になって宇宙を目指す余裕はない」と冷たく断られる。さらにシングルマザーとなっていた木内晴子からも同じ理由で参加を拒まれ、飛鳥は意気消沈する。二人が断る背景には、高校時代にひかりが突然姿を消し、天文部が解散した苦い過去があった。周と晴子は「まだひかりを許せない」と告白し、再結集は困難を極める。飛鳥は夢を叶えるには、ひかりが高校3年の夏に姿を消した理由を明らかにしなければならないと気づく。ファミレスに呼ばれ、ひかりと再会した周は怒って席を立とうとするが、ひかりはついに「高校時代、血液のガンで闘病していた」と真実を語り始め、飛鳥、ひかり、周の3人はようやく本音をぶつけ合い、わだかまりを解く。 | ||
| 第3週(第9話 - 第12話) | 9月22日・23日・24日・25日 | 盆子原誠 |
| 息子の岳に伴われファミレスを訪れた晴子は、「余裕がない」と参加を断ろうとする。しかし本当は人工衛星に興味を抱いていることを岳に見抜かれ、仲間たちの集まりに加わる決意を示す。13年ぶりに再集結した飛鳥、ひかり、周、晴子の4人は、知識と資金を得るため動き出し、人工衛星打ち上げ経験を持つ叡明大学の和泉教授を訪ねる。飛鳥はそこで、ファミレス店員で和泉研究室の学生でもあった彗と出くわし、彼から人工衛星開発に挑む無謀さを指摘され気落ちする。だが、飛鳥たちはひかりに誘われ天体観測に出かけ、皆既日食をともに見た高校時代の思い出を甦らせる。無敵だったあの青春の記憶が心を支え、仲間との絆を胸に、4人は人工衛星開発に挑む決意を新たにする。 | ||
| 第4週(第13話 - 第16話) | 9月29日・30日・10月1日・2日 | 押田友太 |
| 飛鳥たちは母校の空き教室を拠点に人工衛星開発に取り掛かる。和泉教授の指導の下、人工衛星開発の第1段階「BBM試作」に挑戦しながら2年半後の打ち上げを目標にするが、仕事と両立しながらチームを率いる飛鳥は重圧に追われる。また周や晴子も生活に忙しく、開発は思うように進まない。ひかりは資金協力の企業を見つけ、和泉研究室の学生たちに協力を仰ぐなどして開発を進めるが、事前に相談せず4人以外のメンバーを交えて開発を進めるやり方を巡り周と対立。晴子も子育てとの両立に悩み、チームの不安は募っていく。開発方針の違いから4人は初めて衝突し、修復できぬまま距離が生まれていく。そして孤独を抱えた飛鳥はファミレスでアルバイト中の彗に弱音を吐き出す。 | ||
| 第5週(第17話 - 第20話) | 10月6日・7日・8日・9日 | 押田友太 |
| 仲間と仲直りできぬまま、飛鳥は一人でストロベリームーンを見に行く。そこでひかりと再会した飛鳥は、高校時代に一緒にペルセウス座流星群を見た思い出を語り合う。飛鳥は再び仲間と話し合い、役割を決めて学生を交えプロジェクトを再開する。そして衛星画像から「地球を最も美しく写した写真」を選ぶプログラムの開発に挑むが、成果が上がらず行き詰まる。そこで飛鳥は彗に協力を頼むが、「群れるのが苦手」と断られる。しかし和泉教授から「研究者を志すならば、仲間と協働すべき」と助言された彗は、飛鳥たちの集まりに加わり、プログラムが動くように修正する。完成に安堵する中、ひかりは高校時代の記憶をもとに「ガガーリンの『地球は青かった』を超える名言を人工衛星から発信しよう」と提案する。こうして宇宙から音声を発信する「デジトーカ」計画が始動するが、電波試験の当日、ひかりは飛鳥に「話したいことがある」と告げる。 | ||
| 第6週(第21話 - 第24話) | 10月13日・14日・15日・16日 | 佐藤玲衣 |
| ひかりは病気療養のため、人工衛星の開発から一時離れることを告げる。飛鳥・周・晴子は寂しさを抱えながらも、彼女の復帰を信じて開発を続け、学生の彗たちと力を合わせて奮闘する。しかし、順調に進んでいた矢先、ひかりが突然この世を去り、計画は停滞。飛鳥たちは再びすれ違い、高校時代、天文部が解散した日のことを思い出し、心を閉ざしてしまう。それでも、彗の励ましと、ひかりとの数々の思い出に支えられ、少しずつ前を向くようになる。そんな折、ひかりの母・朝子が現れ、ひかりが高校時代の闘病中に綴った遺書(天文部への感謝の言葉が綴られた手紙)を渡す。飛鳥たちはそれを読み、仲間との出会いや、高校時代に描いた夢を改めて思い出す。かつて四人で宇宙を目指した情熱が再び胸に灯り、「もう一度、みんなで挑戦しよう」と決意する。再び集結した OSUMI TENMON CLUB は開発を再始動し、第2段階「エンジニアリングモデル」へと進む。停滞していた時間を乗り越え、衛星の形が見え始めたそのとき、飛鳥は人工衛星の名前を「HIKARI」にしようと提案する。 | ||
| 第7週(第25話 - 第28話) | 10月20日・21日・22日・23日 | 押田友太 |
| 飛鳥たちは亡き友・ひかりの思いを受け継ぎ、人工衛星「HIKARI」の開発を進める。彗がリーダーとなり設計を担当し、衛星の形が見え始める中、周の提案でデザインを考えるが、ひかりの記憶が胸をよぎり、切ない日々を送る。開発は安全審査の資料作りの段階に入り、晴子は中心となって奔走するが、息子・岳の体調不良をきっかけに、家庭を顧みなかった自分を責める。一方、周は同棲する恋人の竜次からイタリアへの料理人修行の同行を問われ思い悩み、衝突して飛鳥の家に駆け込む。飛鳥の提案で、晴子は岳を開発現場に連れてくるようになり、岳はプログラミングに興味を持ち彗と交流する。一方、彗はひかりの思いを背負い、大学の課題を犠牲にしてまで衛星開発にのめり込み、和泉はそんな彼を心配する。周は竜次に、人工衛星開発に専念するためイタリアには同行できないが、修業が終わるまで日本で待ち続けると伝える。宇宙ベンチャー「サットモア」の海野楓との仕事を通して、飛鳥はひかりとかつて語り合った「宇宙を仕事にする夢」を勇気や覚悟が足りず選ばなかったことを思い出す。そんな中、飛鳥と彗は衛星開発最後の難関、熱真空試験に挑む。 | ||
| 第8週(第29話 - 第32話) | 10月27日・28日・29日・30日 | 佐藤玲衣 |
| 熱真空試験で、人工衛星のカメラが熱の影響で故障してしまう。打ち上げまで時間がないため、周と晴子はカメラの運用を制限してこのまま進めようと提案するが、彗は「宇宙から地球を見る」というひかりとの約束を守るため、修正を主張する。飛鳥はリーダーとして困難な選択を迫られる中、リスクを承知でカメラを別のものに変更し、再開発することを決断する。打ち上げに間に合わない可能性から、和泉は反対するが、彗が挑戦する意思を示したことでチームは再び団結する。彼らは限られた時間の中で新しいカメラの開発を進めていく。努力の末、完成した人工衛星は、JAXAへ無事引き渡される。2025年10月、打ち上げ当日。飛鳥たちは仲間たちと共に衛星「HIKARI」の旅立ちを見守り、地球の画像が届く日を静かに待つ。その間に飛鳥は、彗が博士号を取った暁には、JAXAへ就職したいという夢を聞く。衛星「HIKARI」は無事に宇宙へ放たれ、ひかりの発案による「宇宙から地球を見た時の名言」を発する特別なミッションが遂行される。宇宙から届く飛鳥たちの名言とともに、彗が生前のひかりから託されていた「みんなが大好き」というサプライズのメッセージが届き、飛鳥たちは胸を熱くする。人工衛星の運用が続く中、飛鳥は「サットモア」への転職に踏み出す。大人になると、世界の重力は少しずつ大きくなる気がする。けれど、踏み出す一歩は強く、確かな足跡をつけて彼女を宙へと近づける。 | ||