1970年代の日本国内の養豚業界は国際化に対応するため、低コスト化と生産基盤の強化が求められていた[3]。また、神奈川県は都市化が進行しており、養豚農家にとって環境対策は不可欠なものとなっていた[3]。汚水は神奈川型浄化槽等による浄化処理が必要で、堆肥舎や面積に余裕が無い養豚場では糞の処理にコンポストを導入し、維持管理と運転を行う必要があった[3]。そのため、豚1頭の生産に1500円から2000円のコストを要し、経営経費増大につながった[3]。同時に市街化区域の地価高騰によって、養豚場の地価評価額も上昇し、養豚場の地代も豚1頭につき1000円程度のコスト増を招く事となった[3]。
こういった経費増に対して神奈川県内の多くの養豚農家では規模拡大も敷地の関係から不可能で、生産性の改良でも対応できなくなっていた[3]。規模拡大のために移転したくても神奈川県内に養豚適地はほとんどなく、神奈川県外へ移転しての養豚場拡大しか対策はないものと思われた[3]。
その一方で消費者には「多少高くても安心して高品質の豚肉を食べたい」というニーズは存在しており、「高品質の豚肉をコストをかけても生産し、有利販売を追求する」ことを目標とする養豚農家も現れた[3]。そういった養豚農家と神奈川県内の畜産農家の減少から、販路拡大が頭打ちになっていた農協系の資料販売部門とが利益の一致から、飼料の改良と高品質豚肉の有利販売の促進を図っていく[3]。同時に神奈川県の農業改良組織も、特に改良のための素豚の導入と肉豚生産の為の品種組み合わせなどの指導と共に繁殖技術や肉豚評価のための経験と知識、基本技術の教育を養豚農家に行った[3]。
畜産振興事業団(現・農畜産業振興機構)の助成によって神奈川県内の豚肉生産農家3戸が1981年に高品質豚肉生産事業を発足する[1]。神奈川県内のエーコープチェーン店を拠点として、高品質豚肉の生産とブランド化を展開した[1]。
1989年にブランド名を神奈川県の県花であるヤマユリにちなんで「やまゆりポーク」と命名する[2]。
1994年にはかながわブランドに認定登録される[1]。
1995年に「やまゆりポーク生産者協議会」が発足[1]。