アルバ王
ウィキメディアの一覧記事
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要
「アルバ・ラテン王」「ローマ・ラテン王」「ローマ・アルバ王」とも呼称されるこの王位はローマ神話に登場する、トロイア人の戦士アスカニウス(アスカニオス)が築き、その父アエネーアース(アイネイアース)とラテン人王ラティヌスの娘ラウィニアの間に生まれた異母弟シルウィウスの子孫が継承したアルバ・ロンガの君主を指す。
アイネイアース伝承を含むローマ神話自体がラテン人の都市国家を起源とするローマ帝国、及びそれを統治するユリウス氏族の権威を高める為に、帝政初期に生み出された民族神話である事は広く知られている。つまりラテン人とローマとユリウス家に、ギリシャ神話の神々やトロイア文明を結びつける事を意図して創作された訳である。新しい神話は主にそれ以前からあったギリシャ神話(アイネイアース)とラテン神話(ラティヌス)を結びつける形で変革したが、その結果としてトロイア文明の滅亡とローマの建国が時期的に合わなくなってしまった。
アルバ・ロンガの歴代国王の多くはラウィニアとアイネイアースのロマンスから、その末裔ロムルスとレムスの登場までの辻褄を合わせる為に後々から付け加えられたと考えられている。従ってアイネイアース、アスカニウス、シルウィウス、ロムルスとレムスなど重要な王を除く人物は伝承によって数や人名が頻繁に変更されている。
通常、アルバ・ロンガ最初の王はアスカニウスと伝承される場合が多い。しかしその後、アスカニウスは自らの子でなく異母兄弟のシルウィウスに王位を譲り、また王家もその子孫に継承されている。こうした側面から最初の王はアスカニウスではなく、祖父ラティヌスなのではないかとする説が存在している。
歴代王の正しい順番や数は不明なものの、アルバ・ロンガ王国自体は(王国最末期の遺跡ではあるものの)その実在が確認されている。同じラテン人国家であるローマ共和国に滅ぼされるまではラテン文明の中心地であった。
王の一覧
ティトゥス・リウィウスの伝承[1]とハリカルナッソスのディオニュシオスの伝承[2]に基く。
| 名 | 肖像 | 在位 | 説明 |
|---|---|---|---|
| ラティヌス | 不明 | ラテン人の祖。イタケーの王オデュッセウスの子[3]、ラウィニアの父、シルウィウスの祖父。 | |
| アエネーアース | 不明 | トロイア王家の末裔アンキーセースとギリシャ神話の女神アプロディーテーの子、アスカニウスとシルウィウスの父。 | |
| アスカニウス | B.C1179-1141 | アエネーアースとトロイア王女クレウーサの子。シルウィウスの異母兄弟。 | |
| シルウィウス | B.C1141-1112 | アエネーアースとラテン王女ラウィニアの子。アエネーアース・シルウィウスの父。 | |
| アエネーアース・シルウィウス | B.C1112-1081 | シルウィウスの子。 | |
| ラティヌス・シルウィウス | B.C1081-1030 | アエネーアース・シルウィウスの子。 | |
| アルバ・シルウィウス | B.C1030-991 | ラティヌス・シルウィウスの子。 | |
| アテス | B.C991-965 | アルバ・シルウィウスの子。 | |
| カペス | B.C965-937 | アテスの子。 | |
| カペートゥス | B.C937-924 | カペスの子。 | |
| ティベリヌス・シルウィウス | B.C924-916 | カペートゥスの子。ティベリス川の由来となった人物。 | |
| アグリッパ | B.C916-875 | ティベリヌス・シルウィウスの子。 | |
| アルディウス | B.C875-856 | アグリッパの子。専制的な君主として恐れられ、暗殺されたという。 | |
| アウェンティヌス | B.C856-819 | アルディウスの子。七つの丘の一つ、アウェンティヌス丘の由来となった。 | |
| プロカス | B.C819-796 | アウェンティヌスの子。ロームルスとレムスの曽祖父にあたる。 | |
| ヌミトル | 不明 | プロカスの子。ロームルスとレムスの祖父。 | |
| ロームルス | B.C753-717 | ローマの建国者。ヌミトルの孫、レムスの兄。 | |
