アルバ王

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「ラティヌスから月桂樹を授けられるアエネーアース」(フェルディナント・ボイル、1661年-1663年)

アルバ・ロンガ王kings of Alba Longa)は、ローマ神話に登場する君主。

王政ローマの創出者であるロームルスが属したシルウィウス家が中心となった王家で、後期の王の幾人かは実在した者と考えられている。

アルバ・ラテン王」「ローマ・ラテン王」「ローマ・アルバ王」とも呼称されるこの王位はローマ神話に登場する、トロイア人の戦士アスカニウス(アスカニオス)が築き、その父アエネーアース(アイネイアース)とラテン人ラティヌスの娘ラウィニアの間に生まれた異母弟シルウィウスの子孫が継承したアルバ・ロンガの君主を指す。

アイネイアース伝承を含むローマ神話自体がラテン人都市国家を起源とするローマ帝国、及びそれを統治するユリウス氏族の権威を高める為に、帝政初期に生み出された民族神話である事は広く知られている。つまりラテン人とローマとユリウス家に、ギリシャ神話の神々やトロイア文明を結びつける事を意図して創作された訳である。新しい神話は主にそれ以前からあったギリシャ神話(アイネイアース)とラテン神話(ラティヌス)を結びつける形で変革したが、その結果としてトロイア文明の滅亡とローマの建国が時期的に合わなくなってしまった。

アルバ・ロンガの歴代国王の多くはラウィニアとアイネイアースのロマンスから、その末裔ロムルスとレムスの登場までの辻褄を合わせる為に後々から付け加えられたと考えられている。従ってアイネイアース、アスカニウスシルウィウス、ロムルスとレムスなど重要な王を除く人物は伝承によって数や人名が頻繁に変更されている。

通常、アルバ・ロンガ最初の王はアスカニウスと伝承される場合が多い。しかしその後、アスカニウスは自らの子でなく異母兄弟のシルウィウスに王位を譲り、また王家もその子孫に継承されている。こうした側面から最初の王はアスカニウスではなく、祖父ラティヌスなのではないかとする説が存在している。

歴代王の正しい順番や数は不明なものの、アルバ・ロンガ王国自体は(王国最末期の遺跡ではあるものの)その実在が確認されている。同じラテン人国家であるローマ共和国に滅ぼされるまではラテン文明の中心地であった。

王の一覧

ティトゥス・リウィウスの伝承[1]ハリカルナッソスのディオニュシオスの伝承[2]に基く。

肖像在位説明
ラティヌス不明ラテン人の祖。イタケーの王オデュッセウスの子[3]、ラウィニアの父、シルウィウスの祖父。
アエネーアース不明トロイア王家の末裔アンキーセースとギリシャ神話の女神アプロディーテーの子、アスカニウスとシルウィウスの父。
アスカニウスB.C1179-1141アエネーアースとトロイア王女クレウーサの子。シルウィウスの異母兄弟。
シルウィウスB.C1141-1112アエネーアースとラテン王女ラウィニアの子。アエネーアース・シルウィウスの父。
アエネーアース・シルウィウスB.C1112-1081シルウィウスの子。
ラティヌス・シルウィウスB.C1081-1030アエネーアース・シルウィウスの子。
アルバ・シルウィウスB.C1030-991ラティヌス・シルウィウスの子。
アテスB.C991-965アルバ・シルウィウスの子。
カペスB.C965-937アテスの子。
カペートゥスB.C937-924カペスの子。
ティベリヌス・シルウィウスB.C924-916カペートゥスの子。ティベリス川の由来となった人物。
アグリッパB.C916-875ティベリヌス・シルウィウスの子。
アルディウスB.C875-856アグリッパの子。専制的な君主として恐れられ、暗殺されたという。
アウェンティヌスB.C856-819アルディウスの子。七つの丘の一つ、アウェンティヌス丘の由来となった。
プロカスB.C819-796アウェンティヌスの子。ロームルスとレムスの曽祖父にあたる。
ヌミトル不明プロカスの子。ロームルスとレムスの祖父。
ロームルスB.C753-717ローマの建国者。ヌミトルの孫、レムスの兄。

家系図

引用

関連項目

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