アンキロネマ属

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アンキロネマ属(アンキロネマぞく、学名: Ancylonema)は、接合藻のホシミドロ目に分類される緑藻の一属である。細胞は楕円形から円筒形で単細胞性または一列につながった短い糸状体(図1)。しばしば細胞内に紫色の色素を大量に溜めている(図1)。極地や高山の万年雪氷河に生育する氷雪藻であり、しばしば氷雪を紫褐色に染める。

特徴

藻体は単細胞性、または複数の細胞(最大で約16細胞)がつながって短い糸状体を形成する[2][3][4](図1, 2)。細胞は楕円形から円筒形で両端は平坦または丸く、長さ 16–40 µm、直径 8–12 µm、中央はくびれない[2][3][4]細胞壁は平滑[2][4]葉緑体は中軸性または側膜性、1–2個のピレノイドを含む[2][3][4](図2)。しばしば紫色から紅色の色素を多く含む[2][3][4](図1, 2)。

二分裂による無性生殖を行う[2][3][4]接合による有性生殖を行い、2個の細胞が接合間でつながり、配偶子は接合管内で合体し、接合子(接合胞子)を形成する[2][3][4]。接合胞子は球形、平滑な厚い細胞壁をもつ[2][3][4]

生態

アンキロネマ属の種は、グリーンランドなど北極圏北米ヨーロッパヒマラヤ南米南極などの高緯度や高標高の万年雪および氷河から報告されており、しばしばこのような環境を紫褐色に染める[2][3][4][5]。このように着色することで氷雪のアルベド(光の反射率)を低下させ、氷雪の融解を早めると考えられている[6][7]

スヴァールバル諸島において、Ancylonema nordenskioeldiiツボカビ類に寄生されている例が報告されている[8]

分類

2025年現在、アンキロネマ属はふつうホシミドロ綱(接合藻)、ホシミドロ目、メソタエニウム科に分類されている[2][3][9]。ただし、メソタエニウム科は非単系統群であることが示されており、ホシミドロ科に含める意見もある[1]

アンキロネマ属には2種が知られている(2025年時点)[2](下表1)。また、メソタエニウム属の Mesotaenium berggrenii (Wittrock) Lagerheim, 1892 はアンキロネマ属の種と同様に氷雪に生育するが、おそらくアンキロネマ属に含まれると考えられている[10]

表1. アンキロネマ属の分類[2]

脚注

外部リンク

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