イヌイット語
イヌイットの言葉
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名称について
かつては他称(蔑称)の「エスキモー」が使われたが、現在特にカナダのイヌイットはこの呼び方を嫌い、「イヌイット」というのが普通になっている。「イヌイット」は一民族の名であり、アラスカのユピックなど他の民族は「イヌイット」と自称することは決してない。アラスカでは、イヌイットも他の民族も従来通り「エスキモー」と自称している。
「イヌイット語」はエスキモー・アレウト語族に属し、アラスカ西部やチュコト半島のユピック語に近い言語である。
イヌイット語とエスキモー語は混用されることもあるが、エスキモー語というのはイヌイット語、ユピック語など複数の言語の総称であり、エスキモー諸語とも言う。イヌイット語もいくつかの方言からなり、これらを別の言語とみなすこともでき、イヌイット諸語とも言う。離れた地方では互いに理解できないこともあるが、違いはグラデーションのように連続的で明確に分類できるものではない(方言連続体)。
現状
表記
系統
イヌイット語はエスキモー・アレウト語族に属し、ユピック語と近く、またアレウト語ともやや遠い関係にある。この語族はアメリカ・インディアン諸語とは全く異なり、シベリア方面の言語と関係があるとの説もあるが証明されたものではない。
歴史
性質
母音は基本的には[a]、[i]、[u]の3つ(場合により[e]、[o]の発音になることもある)で、長短の区別がある。音節はCVC型で、長母音は2モーラとして扱われる。
文法的には典型的な複統合語(いわゆる抱合語の一種*)として知られる。これは一つの文に相当する意味が様々な接辞として動詞の中に含まれて表現される性質である。また能格言語である。これらはエスキモー・アレウト語族の基本的性格と考えられるが、アレウト語では複統合性はかなり退化している。複統合語は広義の抱合語に含まれる。狭義の抱合語は、多数の接辞により意味論的な派生を行う言語をいうが、イヌイット語はこれには当てはまらず、あくまで複統合語である。
