イリエワニ
クロコダイル科に分類されるワニの一種
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イリエワニ(入江鰐、Crocodylus porosus)は、ワニ目クロコダイル科クロコダイル属に分類されるワニの一種。
| イリエワニ | |||||||||||||||||||||||||||
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イリエワニ Crocodylus porosus | |||||||||||||||||||||||||||
| 保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
| LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Crocodylus porosus Schneider, 1801 | |||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Salt-water crocodile | |||||||||||||||||||||||||||
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分布 |


分布
形態
生態
主に汽水域に生息し、入江や三角州のマングローブ林を好む。イリエワニという和名も、これに由来する。地域によっては、河川の上流域や湖、池沼などの淡水域にも生息する。海水への耐性が強く、海流に乗って沖合に出て、島嶼などへ移動することもある。
食性は動物食で魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類、甲殻類などを捕食し,多くの地域において頂点捕食者として君臨する。また,インドに位置するスンダルバンス国立公園ではベンガルトラを捕食する場合がある事がわかっている。[5]
ワニの中でも特に攻撃的な性質であり、咬合力の測定値は16,414 N(3,689 lbs)であり、最大級の個体であれば27,531 N~34,424 N (6,187~7,736 lbs)に達する可能性があると推測されている[6]。
大型個体では空腹時に人間や家畜に襲い掛かり捕食した例もある。効率的な餌場を記憶していることが報告されており、それによると一部のイリエワニは、産卵期に浜辺へ集まるヒラタウミガメやヒメウミガメを狙い、波打ち際で成体に急襲をしかけたり、埋められた卵や孵化した幼体を食べたりする[7]。
繁殖形態は卵生。主に雨季に繁殖し、木の枝や枯葉などを積み上げた塚状の巣に60-80個(平均61個)の卵を産む。卵は80-90日で孵化する。幼体は小型のため、鳥や大型魚などに捕食されることも多く、成体まで生き残れるのは少数である。従来メスのみが子育て(卵の保護も含む)を行うと考えられてきたが、2026年の報告でオスも参加することが示された[8]。
人間との関係
開発による生息地の破壊、皮革目的の乱獲などによって生息数は減少している。生息地では法的に保護の対象とされているが、地域によって生息数に変異がある。オーストラリアでは1971年より保護動物に指定されており、以後は徐々に数が増えている[9]。
その攻撃性と貪食さから、しばしば「人喰いワニ」の逸話で知られる。有名なものとしてフィリピン・ミンダナオ島ブナワンで2011年9月に捕獲された「ロロン」は[10]、地元民の12歳の少女と農民の2名の計3名を捕食したとみられる[11]。ロロンは「世界最大の捕獲されたワニ」とギネスブックに認定され、専用の自然公園で2013年2月まで生存した。体長6.17メートル、体重1.075トン[12]。ブナワンではもっと大きな個体の目撃もあるという。太平洋戦争中のラムリー島の戦いにおいて、撤退中の日本軍将兵がイリエワニに襲われ、多数(数百人から千人とも)が犠牲になったとされる。この話は海外ではよく知られており、「Worst crocodile disaster in the world (disputed)」、「Most Number of Fatalities in a Crocodile Attack」などとしてギネスブックにも掲載されていたが、現在は疑問視されている。