イリド
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製法
リンイリド
最もよく用いられるイリドはホスホニウムイリド (phosphonium ylides) であり、カルボニル化合物 (C=O) から C=C 二重結合を生成するウィッティヒ反応 (Wittig reaction) で利用される。
ウィティッヒ試薬の正電荷はリン原子上に存在し、リンに隣接した炭素上に負電荷が存在する。負電荷を持つ炭素原子に電子求引基が結合していると、その作用によってイリドは安定化される。これを安定イリド (stabilized ylides) と呼ぶ。逆にこうした負電荷を安定化させうる置換基を持たないイリドは不安定イリド (non-stabilized ylides) と呼ばれる。不安定イリドは反応性が高いためアルデヒドおよびケトンと速やかに反応するのに対して、安定イリドはアルデヒドのみと反応し、場合によっては加熱などが必要になる。
硫黄イリド

リン以外の原子種の一般的なイリドとしてスルホニウムイリド (sulfonium ylides, R1R2S+−C−R3R4)とスルホキソニウムイリド (sulfoxonium ylides, R1R2S+(=O)−C−R3R4) が知られており、いずれも相当するスルホニウム、スルホキソニウム化合物に強塩基を作用させることで合成される。カルボニル化合物からエポキシドを生成するコーリー・チャイコフスキー試薬の実体である。
