エマメクチン

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エマメクチン
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ECHA InfoCard 100.217.470 ウィキデータを編集
RTECS number
  • CL1203005
UNII
性質
C49H75NO13
モル質量 886.13 g·mol−1
外観 白色または薄黄色の粉末
融点 141 - 146 °C (286 - 295 °F; 414 - 419 K)
30-50 ppm (pH 7)
薬理学
QP54AA06 (WHO)
危険性
GHS表示:
腐食性物質急性毒性(高毒性)急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
Danger
H301, H311, H318, H331, H370, H372, H410
P260, P261, P264, P270, P271, P273, P280, P301+P310, P302+P352, P304+P340, P305+P351+P338, P307+P311, P310, P311, P312, P314, P321, P322, P330, P337+P313, P361, P363, P391, P403+P233, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 2: Intense or continued but not chronic exposure could cause temporary incapacitation or possible residual injury. E.g. chloroformFlammability 2: Must be moderately heated or exposed to relatively high ambient temperature before ignition can occur. Flash point between 38 and 93 °C (100 and 200 °F). E.g. diesel fuelInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
2
2
0
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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エマメクチン(Emamectin)は、土壌放線菌Streptomyces avermitilisが発酵により産生する[1][2]大員環ラクトンであるアバメクチンの4”-デオキシ-4”-メチルアミノ誘導体である。通常は、白色または薄黄色の粉末で[3]安息香酸との塩であるエマメクチン安息香酸塩として提供される。クロライドチャネルを活性化させる性質から、アメリカ合衆国及びカナダでは殺虫剤として利用される[4]

Streptomyces avermitilisにより産生されるエマメクチンは、線形動物節足動物、その他の有害生物に毒性を持つアベルメクチンファミリーに属する。特に安息香酸塩は、アメリカ合衆国環境保護庁により、トネリコの木につくアオナガタマムシの防除に用いることが認可されており、殺虫剤として広く用いられている[5]

エマメクチンは、アバメクチンとして知られるアベルメクチンB1(天然のアベルメクチンB1aとアベルメクチンB1bの混合物)の誘導体である。また、魚の養殖においてウオジラミを根絶する用途も有望視されている[6]。Regina D. Leseota、Pradip K. Mookerjee、John Misselbrook及びRobert F. Peterson Jr.によって開発され、2001年9月25日に特許出願、2002年8月22日に承認された[7]

メルク・アンド・カンパニーによって殺虫剤として開発され、1997年にイスラエル日本で最初に市販された[8]

製造

エマメクチンはアバメクチンの誘導体で、4”-位のヒドロキシル基がエピ-アミノ-メチル基に置き換わっている。エマメクチンはアバメクチンと同様に、C-25側鎖の1つのメチレン基が異なるB1aとB1bの2つのホモログの混合物である。B1aはsec-ブチル基を持つが、B1bはイソプロピル基を持つ。典型的には、B1bが10%、B1aが90%の混合物である[9]

アベルメクチン生合成は、①ポリケチド誘導体の当初のアグリコンの形成、②当初のアグリコンからアベルメクチンアグリコンへの修飾、③アベルメクチンアグリコンのグリコシル化[10]の3つの段階に分けられる。

利用

エマメクチンは、アメリカ合衆国、日本、カナダ及び最近では台湾で、農業生産物につくチョウ目の昆虫を制御するために広く用いられる。少量(~6 g/acre)の使用で済み、効果が幅広いので、農家に広く使われている[9]

キクイムシテーダマツにコロニーを作るのを阻害する大きな効果が示されている。4種類の殺虫剤をボルト注入した2006年の研究では、幼虫の食餌、長さ、卵の数等の面において、最も高い削減効果を示した。エマメクチンを注入した点の周辺の師部及び木部の長い縦の病斑の形成が見られ、ある程度の木への毒性が示唆された[11]

ソルビタン脂肪酸エステルアセトンメタノールでエマメクチンを水溶性化したものは、マツ材線虫病に感染したクロマツの枯死を抑制する効果が示された。これまでのマツ材線虫病への処置は、感染地域のクロマツを切り倒して根絶させるというものであった。

また、養殖業において、タイセイヨウサケへのウオジラミの制御にも成功している[12][13]イギリスチリアイルランドアイスランドフィンランドフェロー諸島スペイン及びノルウェーでは、魚の餌へのエマメクチンの利用を認めている[12]。ウオジラミを除去することで、これらによりもたらされる細菌やウイルスの病気が減り、サケ科の魚の養殖が容易になる。サケジラミ英語版とウオジラミの生活環の全ての段階に効果があるようであり、生殖段階に成熟するのを防ぐ[13]

関連するジヒドロキシアベルメクチンB1化合物であるイベルメクチンは、糞線虫症及び糸状虫症の治療として、ヒトが経口摂取する。イヌ糸状虫の治療のため、イヌに処方することもある[9]

構造と性質

毒性と代謝

出典

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