カキフライ

牡蠣を主たる食材としたフライ From Wikipedia, the free encyclopedia

カキフライ表記揺れ: 牡蠣フライかきフライ)とは、牡蠣(カキ)を主たる食材としたフライ洋食日本生まれの西洋風料理[注 1])の一種であり、日本の揚げ物料理の一種、料理の一種である。

カキフライ
茶色いのがカキフライ。レモン一片ひとかけ)、キャベツ繊切タルタルソースが添えられている。

主にマガキ(真牡蠣、学名: Crassostrea gigas)が用いられ、初秋から初春にかけて[2](別資料では、晩秋から夏にかけて[3])がである。一方で、イワガキ(岩牡蠣、イワガキ学名: genus Saccostrea〉、英名: rock oyster)は、5月から8月にかけて[2](春から夏にかけて[4])旬を迎える。そのため、日本では年間を通して食べることができる。

歴史

牡蠣に衣をつけて油で揚げる「Fried Oyster」もしくは「Oyster Flitter」は、19世紀イギリスアメリカの料理書ですでに見られる。

たとえばイギリスのジャーナリストであるユーステス・クレア・グレンヴィル・マレー英語版1861年に執筆した『The Oyster』では、“もっとも一般的”な調理法として、牡蠣にバターチーズを加えてオーブンで焼く、もしくは小麦粉をまぶして油で揚げるという「The Fried Oyster」が紹介されている [5]

日本では、1887年(明治20年)の雑誌『包丁塩梅』に「蠣のフライ」のレシピが掲載されている。これは牡蠣に小麦粉・卵黄パン粉をまぶして油で揚げるものだった[6]

1895年(明治28年)に創業した東京銀座の洋食店「煉瓦亭」は、豚カツを始めとする数多くの揚げ物料理を考案したと主張しており、1901年(明治34年)ごろにカキフライもメニューに入ったと述べている[7]

カキフライは登場以来長らく洋食店だけのメニューであったが、やがて一般家庭にも普及してゆき、日本の家庭料理のメニューにも加わった。また、カキフライ定食などの形で和食店や喫茶店で供されることも多くなっていった。

関連する料理

カキフライにもう一つ手を加えた料理もある。

カキフライ丼(カキフライどん) / 牡蠣フライ丼は、カツ丼のように玉葱たまねぎ)など他の具材とカキフライを割下で煮た後、鶏卵とじご飯の上に載せた料理である[8][9][10]鎌倉丼は、鎌倉市内の特定地域のご当地料理であるが、ここではカキフライ丼もバリエーションの一つになっている。

また、カキフライが他の料理の具材になっているケースもある。

カレーの場合、カツカレーカツと同様、カキフライがトッピング具材として利用されることがある。愛知県では、あんかけスパゲッティのトッピング具材の一つにもなっている。

三重県鳥羽市の与吉屋は、ご当地バーガーの「とばーがー」として、カキフライを挟んだホットドッグ浦村かきドッグ」を提供している[11]

駅弁の具材としては、JR広島駅構内で販売されている「しゃもじかきめし」にカキフライを添えているメニューがある[12][13] ほか、洋風弁当に入れられる例もある。

衛生面

厚生労働省は、2013年(平成25年)10月6日に改正した「大量調理施設衛生管理マニュアル」で、加熱調理食品は、中心部が 75°Cで 1分以上(二枚貝など、ノロウイルス汚染の怖れがある食品の場合は、85~90°Cで 90秒以上。)、または、これと同等以上まで加熱されていることを確認するよう指導している[14][15]

食生活学者・畑江敬子は、ノロウイルスによる食中毒を発生させない中心部温度が 85°Cの条件を超えるためには 3分30秒以上の加熱が必要[16] としている。一般財団法人 環境文化創造研究所は、小山田則孝ら 食品衛生研究、Vol.53(2003)を出典として、油温 170°C以上で 3分以上揚げるという注意喚起している[15]北海道オホーツク総合振興局は、油温 180°C以上で 4分以上揚げるのを目安としている[17]。なお、「4分以上」というのは、冷凍された牡蠣の身を十分に解凍しないまま揚げる場合があることを考慮した数値である[15]。翻して言えば、解凍あるいは冷蔵しておいたカキの身でここまで長く揚げてしまうと、フライの表面が焦げてしまって美味しくは仕上げられない[15]

参考文献

書籍、ムック
  • 菊池武顕『あのメニューが生まれた日』平凡社〈コロナ・ブック 186〉、2013年11月13日、29頁。ISBN 4-582-63486-9ISBN 978-4-582-63486-0OCLC 870403239
  • 山本紀久雄『世界の牡蠣事情 : 世界14カ国、あなたの知らない牡蠣のすべて : 2005-2010』マルト水産、小学館スクウェア、2010年9月1日。ISBN 4-7979-8730-8ISBN 978-4-7979-8730-0OCLC 666231611
  • 近代食文化研究会『お好み焼きの物語─執念の調査が解き明かす新戦前史』新紀元社、2019年1月29日、157頁。ISBN 4-7753-1667-2ISBN 978-4-7753-1667-2OCLC 1086188108
雑誌、広報、論文、ほか

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI