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カテプシン

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カテプシン(英: cathepsin)は、全ての動物やその他の生物にみられるプロテアーゼである。カテプシンファミリーには10種類以上のメンバーが存在し、その多くはリソソームに存在して低pHで活性化される。こうしたメンバーの活性はほぼ完全にオルガネラ内に限られる一方で、カテプシンKのように細胞外で機能するものも存在し、このタンパク質は破骨細胞によって分泌されて骨吸収(英語版)過程で機能する。カテプシンは哺乳類細胞のターンオーバーに重要な役割を果たしている。

臨床的意義

カテプシンは、疾患への関与が示唆されている生理過程に多く関与している。システインプロテアーゼ型のカテプシンは、薬剤標的として多くの研究が行われている[1][2]。

カテプシンA

カテプシンA(英語版)の欠乏はガラクトシアリドーシス(英語版)と関係している[10]。転移性メラノーマの病変部位では、原発巣と比較してカテプシンAの活性が有意に上昇している[11]。また、筋ジストロフィーや除神経が生じる疾患の影響を受けた筋肉では、カテプシンAが増加している[12]。

カテプシンB

カテプシンB(英語版)はβ-セクレターゼ1と同様に機能し、アミロイドβ前駆体タンパク質を切断してアミロイドβを生成している可能性がある[13]。カテプシンBはペプチダーゼC1ファミリーに属し、その過剰発現は食道腺癌やその他の腫瘍と関連している[14]。また、カテプシンBは卵巣がんなどの腫瘍のプログレッションへの関与も示唆されている[3]。

カテプシンD

カテプシンD(英語版)は、フィブロネクチンやラミニンなどさまざまな基質を切断しているようである。他の一部のカテプシンとは異なり、カテプシンDは中性のpHでもある程度のプロテアーゼ活性を有している[15]。腫瘍細胞におけるこの酵素の高発現は、浸潤性の高さと関連しているようである。

カテプシンK

カテプシンKは、哺乳類において最も強力なコラゲナーゼ(英語版)である。カテプシンKは骨粗鬆症に関与しており、この疾患では骨密度が低下し骨折のリスクが高まる。破骨細胞は体内で骨吸収を行う細胞であり、骨基質におけるミネラル以外の主要なタンパク質構成要素であるコラーゲンを分解するためにカテプシンKを分泌する[16]。また、カテプシンKは他のカテプシンとともに、細胞外マトリックスの分解によってがんの転移にも関与している[17]。カテプシンKをノックアウトしたアテローム性動脈硬化マウスは、アテローム病変のサイズが低下することも示されている[18]。培養血管内皮細胞におけるカテプシンKの発現はずり応力によって調節されている[19]。カテプシンKは関節炎に関与していることも示されている[20]。

カテプシンV

マウスのカテプシンLはヒトのカテプシンV(英語版)と相同である[21]。マウスカテプシンLはアディポジェネシスや耐糖能障害に関与していることが示されている。カテプシンLはフィブロネクチン、インスリン受容体、IGF-1受容体を分解する。カテプシンL欠損マウスは野生型と比較して脂肪組織が少なく、血清グルコース濃度やインスリン濃度は低い。またインスリン受容体サブユニットや、グルコーストランスポーター(GLUT4)、フィブロネクチンは増加している[22]。

阻害剤

5種類の環状ペプチドが、ヒトのカテプシンL、B、H、Kに対する阻害活性が示されている[23]。カテプシンKやSを標的としたいくつかの阻害剤は骨粗鬆症、変形性関節症、慢性疼痛に対する治療薬としての臨床試験段階に到達しているが、カテプシンK阻害剤レラカチブ(Relacatib)、バリカチブ(Balicatib)、オダナカチブ(英語版)は、有害な副作用のためにそれぞれ第I相、第II相、第III相で試験が中止されている[24]。カテプシンS阻害剤SAR114137は、慢性疼痛を対象とした第I相試験を通過しなかった。2022年、カテプシンL阻害剤オルゴトレルビル(英語版)(STI-1558)はCOVID-19治療のための第I相試験開始のFDA認可を受けた[25]。

カテプシンザイモグラフィー

出典

外部リンク

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