キイロアメリカムシクイ
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| 保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||
| LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Setophaga petechia | |||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
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| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||
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周年生息地 |
キイロアメリカムシクイ(黄色亜米利加虫喰、学名:Setophaga petechia)は、スズメ目アメリカムシクイ科に分類される鳥類の一種である。キイロアメリカムシクイはSetophaga属における鳥類では最も広く分布する種であり、北アメリカ、カリブ海地域の全土と、南アメリカ北部に生息している。
亜種は3つのグループに分けることができ、それぞれで生態が若干異なる。
キイロアメリカムシクイは1766年にスウェーデンの自然学者であるカール・リンネのSystema Naturaeの第12版に、"Motacilla petechia"として記載された。[1][2]petechiaはイタリア語の"petecchia"に由来しており「肌の小さい赤い斑点」の意味である。[3]リンネは命名について1758年にイギリスの自然学者であるジョージ・エドワーズの著作、Gleanings of Natural Historyにて描かれた"yellow-red pole"という絵画をもとにしている。エドワードは助産師であり標本収集をしていたシドニー・ケノン[4]から標本を入手した。彼はその標本の出所については懐疑的であったが、1935年にオーストリアの鳥類学者カール・エドゥアルト・ヘルマイヤーがバルバドス[2][5]だと突き止めた。キイロアメリカムシクイは現在、Setophagaという属に置かれている。これは、1827年[6]にイギリスの自然学者ウィリアム・スウェインソンが定義した。属名であるSetophagaは、古代ギリシャの「σης/sēs」「σητος/sētos」という「蛾」を意味する語と、「 -φαγος/-phagos」という「食べる」を意味する語を繋げて作られた。[7]
形態
全長13cm。雄の生殖羽と体格を除いて、すべてのWalber亜種は似た形態を持つ。冬にメスと若い個体は皆一様に背中が緑がかった黄色になり、腹側はくすんだ黄色になる。若いオスは早くのうちに胸や、時には頭に鮮やかな色を獲得する。風切羽はすべてが黒っぽいオリーブ色で、端が黄色である。時にこれは、オリーブ色の帯として現れる。目と短いくちばしは暗く、足には個体差があるものの、概してオリーブがかったバフ色である。
繁殖期の雄の頭部の色によって、S.petechiaの35種の亜種は三つのグループに大別できる。これらそれぞれのグループは時折種ごとに分割されたり、あるいは亜種のaestivaグループ(キイロアメリカムシクイ)はS.petechiaとは違う種であると認識されることもある。後者の説は国際鳥類学者連合のWorld Bird Listで受け入れられている説の1つである。
亜種によってキイロアメリカムシクイの体長は10-18cmの間で推移する。翼幅は16-22cmで、重量は7-25gほどであるが、亜種によって異なり、また渡りを行うか否かによっても変わる。平均して16gほどの重さがあるが、アメリカ合衆国の集団の繁殖期の成鳥は9-10gほどしかない。亜種をまたいだ標準的な測定を行った結果、翼長は5.5-7cm、尾長3.9-5.6cm、くちばしは0.8-1.3cmである。夏にはこの種の雄は最も黄色がかる。腹部は鮮やかな黄色、背部は緑がかった金色となる。 通常、胸と脇腹には、広くてやや色あせた錆びたような赤色の筋が数本ある。これらの特徴がこの種の学名がpetechia(老人性色素斑)となった由来である。当該種において、亜種のほとんどがベルクマンの法則とグロージャーの法則に従って体色と体格が変化している。
以下、亜種についての3つのグループについて解説する。
Golden warbler (petechia group)
このグループには17種の亜種が含まれる。主にマングローブ林や西インド諸島に生息する。季節による移動をすることもある。例えば、ケイマン諸島では、1979年11月にそれまで数十年間にわたってよく見かけられてきたS. p. eoaという亜種がグランドケイマンにて大きく減少、ケイマンブラックにておいては明らかに姿を消していた。1972年、1973年の冬にも姿を消していた。これは明らかに鳥が繁殖期になるとどこか別の場所へと散っていることを示していた。 キューバに生息している亜種(S. p. gundlachi)はフロリダキーズにかろうじて到達し、1941年に初めて確認された。20世紀半ばまでに繁殖個体群が定着した。個々の鳥は北方の遠くへと移動しようとしているのだろうが、マングローブ林という彼らの生息地が、その行動範囲を制限しているのである。
また、一般的にこのグループの鳥は小さめで、普通10gかそれ以下の重量しか持たない。時には6.5gほどの個体も存在する。夏の雄は他のキイロアメリカムシクイと異なり、頭部に赤褐色の冠や、フード、マスクと形容される形の模様が現れる。このグループにおける亜種同士の違いは、この頭の模様の範囲や色合いが異なっていることである。
Mangrove warbler (erithachorides group)
このグループには12種の亜種が含まれる。このグループの鳥は他のキイロアメリカムシクイと較べても大きく、平均して体長12.5cm、11gの重量を持つ。これらの鳥は主に中米の沿岸地域や、南米北部のマングローブに生息している。例えば、S. p. aureolaはガラパゴス諸島にて発見された。夏の雄はGolden warblerと同様に頭部に赤色の模様が現れる。
American yellow warbler (aestiva group)
このグループには6種の亜種が含まれる。このグループの鳥は、北は北米の温帯地域全域から南は中央メキシコまでの、開けて湿度が高い、木のある場所に生息している。この鳥は渡りを行い、冬には中南米に移動する。稀に西ヨーロッパや、スカンディナビア半島にも訪れる。
- (Golden warbler)繁殖期の雄のS. p. petechia、ワイングトン・スラグバーイ・ナチオナール公園(オランダ領アンティル)
- (Mangrove warbler)繁殖期の雄のS. p. aureola、プエルト・アヨラ(ガラパゴス諸島)
- 雄のS. p. gundlachi(キューバ)
- 鳴いている雄
行動と生態


American yellow warblerは、北米の大部分で繁殖する。繁殖地はツンドラ地帯から南方に広がるが、南西部とメキシコ湾岸では繁殖しない。彼らの繁殖地の南方、つまり南カリフォルニアからアマゾン地域やボリビア・ペルーにかけての地域にて彼らは冬を越す。mangrove warblerグループとgolden warblerグループはその地域の南方からアンデス山脈の北部にまで分布する。
American yellow warblerは4月や5月の春の終わりごろに繁殖地にやってきて、若鳥の巣立ちの後すぐに、早ければ七月には越冬地へと移動する。しかし、ほとんどは繁殖地にそれより少しだけ長く滞在しており、八月の終わりまでにはそれらの集団のほとんどが南下する。
American yellow warblerグループの典型的な繁殖地は水辺か、そうでなければ柳のような低木が十分に存在する湿地である。他のグループや越冬するAmerican yellow warblerグループは主にマングローブやそれに類似した木本の群生地に生息している。低木地帯や、農地、森林の端などに生息するものはわずかであるが、American yellow warblerグループは低木地帯にやってくることもあり、果樹園や公園といったより木々が散在するような場所にもやってくる。時にはそこで繁殖も行う。繁殖期でない時は、キイロアメリカムシクイはしばしば小さな群れを成す。しかし、繁殖期になると縄張り意識が高まり、侵入した同種個体を追い出そうとする。
食性
彼らの餌料のうちおよそ60%は芋虫であるが、スズメバチ[8]・カゲロウ・蛾・蚊・甲虫・蜻蛉・アブラムシ等の昆虫[9]や、それらの幼虫、蜘蛛をも食す。[10]採集方法は低木や木の枝でのグリーニングと空中でのホーキングの二種類である。他には昆虫以外の無脊椎動物やベリー類、小型の果実なども食す。なお、果実についてはAmerican yellow warblerグループが冬季によく食べることがわかっている。コスタリカのコーヒープランテーションでは、キイロアメリカムシクイを含む食虫性の鳥類がコーヒーノミキクイムシを50%減らした事例が報告されている。[11]幼虫類はキイロアメリカムシクイの雛にとって安定した食料となる。特にシャクガ科の幼虫が好まれている。
捕食者との関係
Yellow warblerグループとmagrove warblerグループにおける捕食者は、同様に小型なスズメ目の捕食者と同じである。例えば蛇、狐、猛禽類などがこれにあたる。大人のAmerican yellow warblerグループが次の年まで生きている確率は50%ほどである。しかし、南側に住んでいる集団ではこれが三分の二ほどまで上昇する。逆にAmerican yellow warblerグループの巣は平均して三分の一に満たない数が捕食者による被害を受けるのに対して、Mangrove warblerグループやGolden warblerグループでは3つに2つが影響を受ける。
アメリカレーサー やガーターヘビなどがキイロアメリカムシクイにとって最も脅威となる捕食者である。彼らは雛やフレッジリングと呼ばれる若い鳥や、時には病気の成鳥や油断した成長を襲う。同様に、アメリカガラスやアオカケスといったカラス科の生物、そしてアメリカアカリスなどの樹上に上ることができるげっ歯類もまた、巣を攻撃する。シマスカンク、オナガオコジョ、アライグマ、アカギツネ、猫といった食肉目の生物たちも時に捕食者として鳥を襲う。ただし、これらの捕食者は巣を持たない俊敏な成鳥には脅威とはならない。しかしこのような成鳥も同様に俊敏な鳥によって捕食される。アメリカチョウゲンボウ、クーパーハイタカ、アシボソハイタカがこの例である。他の食鳥性の捕食者としてはハヤブサ、コチョウゲンボウが存在する。アメリカワシミミズク、アメリカオオコノハズクなどのフクロウ科の生物も夜間にキイロアメリカムシクイを捕食することが知られている。[12]
アメリカムシクイ科の鳥がモビング(天敵への集団敵対行動)を行うことは稀である。ただし、托卵を行うムクドリモドキ科の鳥類に対しては例外である。キイロアメリカムシクイはコウウチョウの主な托卵先の一つであり、40%の巣が托卵先として襲われている。対照的なのは熱帯にいる鳥たちで、テリバネコウウチョウの托卵先となるものの、托卵の被害は全巣の10%程度である。これはテリバネコウウチョウの大きさが、コウウチョウに比べて大きいことに起因しており、アメリカムシクイによる育児では成熟しきれないのである。[12]キイロアメリカムシクイはスズメ目の中でも珍しく、コウウチョウの卵を判別できることがわかっている。別の鳥の卵だと判別したキイロアメリカムシクイは、巣の材料を上からかぶせて巣の中に埋めてしまう。この間、キイロアメリカムシクイは自分自身の卵を保持しようとはせず、代わりに新しい卵を産む。時には巣ごと作りなおすこともある。カッコウ科における托卵とは異なって、コウウチョウはホストの雛を積極的に殺したりはせず、大抵はキイロアメリカムシクイとコウウチョウの両方が若鳥まで成長する。しかし、より大きなコウウチョウを育てるためのコストによって、キイロアメリカムシクイの巣立ちの成功率は下がってしまう。[12]
他の生物からの攻撃以外にキイロアメリカムシクイが死亡する原因はよく知られてはいない。最も長生きした個体は10年ほど生きた記録がある。
