キラット・ライ文字 (Unicodeのブロック)

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範囲 U+16D40..U+16D7F
(64 個の符号位置)
主な言語・文字体系
キラット・ライ文字 (Unicodeのブロック)
Kirat Rai
範囲 U+16D40..U+16D7F
(64 個の符号位置)
追加多言語面
用字 キラット・ライ文字
主な言語・文字体系
未使用 6 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
16.0 58 (+58)
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キラット・ライ文字(キラット・ライもじ、英語: Kirat Rai)は、Unicodeブロックの一つ。

ネパール東部のヒマラヤ東部丘陵地帯、インドシッキム州及びブータンで話される、シナ・チベット語族チベット・ビルマ語派キランティ諸語に属するバンタワ語英語版などを表記するため、1920年代ダージリンのMahaguru Tika Ram Raiによって典礼書の記述のためリンブー文字を元にして作られたスフムン(Sumhung)文字から更に派生した文字体系であり、現在は主にインドで用いられている[1]キラット・ライ文字を収録している。

なお、バンタワ語は本文字体系のほか、カンブ・ライ文字(Khambu Rai)や、デーヴァナーガリーが用いられており、特にネパールにおいては通常はデーヴァナーガリーで書かれている[2]

文字名のキラット(Kirat)とはキランティ民族の総称を表しており、ライ(Rai)はその更に下位区分にあたる部族の姓を表している[1]

キラット・ライ文字は音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、単語毎に分かち書きをする。

加えて、アラビア文字タイ文字などと同様に独自の数字体系(キラット・ライ数字)を有している。

符号位置の順序はおおむね伝統的なキラット・ライ文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン16.0において初めて追加された。

収録文字

ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。

コード 文字 文字名(英語) 用例・説明 ラテン文字転写
各種記号
U+16D40 𖵀 KIRAT RAI SIGN ANUSVARA アヌスヴァーラ

直後に音節が後続する子音字に付き、直後の子音と同じ調音点鼻音が挿入されることを表す。日本語における「」に相当する。

U+16D41 𖵁 KIRAT RAI SIGN TONPI 母音字や母音記号に付き、母音を鼻母音で発音することを表す[1]
U+16D42 𖵂 KIRAT RAI SIGN VISARGA ヴィサルガ

音節末に[ʔ][1]を伴うことを表す。

独立母音字
U+16D43 𖵃 KIRAT RAI LETTER A 短母音[a]を表す。 a
子音字
U+16D44 𖵄 KIRAT RAI LETTER KA 子音[k]を表す。 k
U+16D45 𖵅 KIRAT RAI LETTER KHA 子音[kʰ]を表す。 kh
U+16D46 𖵆 KIRAT RAI LETTER GA 子音[ɡ]を表す。 g
U+16D47 𖵇 KIRAT RAI LETTER GHA 子音[ɡʱ]を表す。 gh
U+16D48 𖵈 KIRAT RAI LETTER NGA 子音[ŋ]を表す。
U+16D49 𖵉 KIRAT RAI LETTER CA 子音[c]を表す。 c
U+16D4A 𖵊 KIRAT RAI LETTER CHA 子音[cʰ]を表す。 ch
U+16D4B 𖵋 KIRAT RAI LETTER JA 子音[ɟ]を表す。 j
U+16D4C 𖵌 KIRAT RAI LETTER JHA 子音[ɟʱ]を表す。 jh
U+16D4D 𖵍 KIRAT RAI LETTER NYA 子音[ɲ]を表す。 ñ
U+16D4E 𖵎 KIRAT RAI LETTER TTA 子音[ʈ]を表す。
U+16D4F 𖵏 KIRAT RAI LETTER TTHA 子音[ʈʰ]を表す。 ṭh
U+16D50 𖵐 KIRAT RAI LETTER DDA 子音[ɖ]を表す。
U+16D51 𖵑 KIRAT RAI LETTER DDHA 子音[ɖʱ]を表す。 ḍh
U+16D52 𖵒 KIRAT RAI LETTER TA 子音[t]を表す。 t
U+16D53 𖵓 KIRAT RAI LETTER THA 子音[tʰ]を表す。 th
U+16D54 𖵔 KIRAT RAI LETTER DA 子音[d]を表す。 d
U+16D55 𖵕 KIRAT RAI LETTER DHA 子音[dʱ]を表す。 dh
U+16D56 𖵖 KIRAT RAI LETTER NA 子音[n]を表す。 n
U+16D57 𖵗 KIRAT RAI LETTER PA 子音[p]を表す。 p
U+16D58 𖵘 KIRAT RAI LETTER PHA 子音[pʰ]を表す。 ph
U+16D59 𖵙 KIRAT RAI LETTER BA 子音[b]を表す。 b
U+16D5A 𖵚 KIRAT RAI LETTER BHA 子音[bʱ]を表す。 bh
U+16D5B 𖵛 KIRAT RAI LETTER MA 子音[m]を表す。 m
U+16D5C 𖵜 KIRAT RAI LETTER YA 子音[j]を表す。 y
U+16D5D 𖵝 KIRAT RAI LETTER RA 子音[r]を表す。 r
U+16D5E 𖵞 KIRAT RAI LETTER LA 子音[l]を表す。 l
U+16D5F 𖵟 KIRAT RAI LETTER VA 子音[ʋ]を表す。 v
U+16D60 𖵠 KIRAT RAI LETTER SA 子音[s]を表す。 s
U+16D61 𖵡 KIRAT RAI LETTER SHA 子音[ɕ]を表す。 ś
U+16D62 𖵢 KIRAT RAI LETTER HA 子音[h]を表す。 h
母音記号
U+16D63 𖵣 KIRAT RAI VOWEL SIGN AA 長母音[aː]を表す。 ā
U+16D64 𖵤 KIRAT RAI VOWEL SIGN I 短母音[i]を表す。 i
U+16D65 𖵥 KIRAT RAI VOWEL SIGN U 短母音[u]を表す。 u
U+16D66 𖵦 KIRAT RAI VOWEL SIGN UE 短母音[ɨ]を表す[1] ü[1]
U+16D67 𖵧 KIRAT RAI VOWEL SIGN E 長母音[eː]を表す。 e
U+16D68 𖵨 KIRAT RAI VOWEL SIGN AI 長母音二重母音[ai̯]を表す。 ai
U+16D69 𖵩 KIRAT RAI VOWEL SIGN O 長母音[oː]を表す。 o
U+16D6A 𖵪 KIRAT RAI VOWEL SIGN AU 二重母音[au̯]を表す。 au
各種記号
U+16D6B 𖵫 KIRAT RAI SIGN VIRAMA ヴィラーマ。殺母音記号。母音/-a/を発音せず子音のみが読まれることを表す。

語中・語末の子音字に付くときに用いられる[1]

他の多くのブラーフミー系文字とは異なり、特殊な合字の形成などはせず目に見える記号として機能する[1]

U+16D6C 𖵬 KIRAT RAI SIGN SAAT U+16D6B 𖵫 KIRAT RAI SIGN VIRAMAと機能上は同一で、暗黙の随伴母音/-a/を発音しないことを表す[1]

語頭の子音字に付く場合に用いられる[1]

U+16D6D 𖵭 KIRAT RAI SIGN YUPI 省略記号。直前の文字列が略語であることを表す[1]
約物
U+16D6E 𖵮 KIRAT RAI DANDA ダンダ句点やラテン文字などにおけるピリオド(.)に相当する。韻文では半詩節の終わり(パダ)を表す。 .
U+16D6F 𖵯 KIRAT RAI DOUBLE DANDA 段落の終わりを表す記号。韻文においてスタンザ(詩節)の終わりを表す。
数字
U+16D70 𖵰 KIRAT RAI DIGIT ZERO 数字の0 0
U+16D71 𖵱 KIRAT RAI DIGIT ONE 数字の1 1
U+16D72 𖵲 KIRAT RAI DIGIT TWO 数字の2 2
U+16D73 𖵳 KIRAT RAI DIGIT THREE 数字の3 3
U+16D74 𖵴 KIRAT RAI DIGIT FOUR 数字の4 4
U+16D75 𖵵 KIRAT RAI DIGIT FIVE 数字の5 5
U+16D76 𖵶 KIRAT RAI DIGIT SIX 数字の6 6
U+16D77 𖵷 KIRAT RAI DIGIT SEVEN 数字の7 7
U+16D78 𖵸 KIRAT RAI DIGIT EIGHT 数字の8 8
U+16D79 𖵹 KIRAT RAI DIGIT NINE 数字の9 9

小分類

このブロックの小分類は「各種記号」(Various signs)、「独立母音字」(Independent vowel)、「子音字」(Consonants)、「母音記号」(Vowel signs)、「約物」(Punctuation)、「数字」(Digits)の6つとなっている[3]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。

各種記号(Various signs)

この小分類にはキラット・ライ文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。

独立母音字(Independent vowel)

この小分類にはキラット・ライ文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

子音字(Consonants)

この小分類にはキラット・ライ文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

母音記号(Vowel signs)

この小分類にはキラット・ライ文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

約物(Punctuation)

この小分類にはキラット・ライ文字で用いられる句読点などの約物類が収録されている。

数字(Digits)

この小分類にはキラット・ライ文字で用いられる固有の数字が収録されている。

文字コード

キラット・ライ文字(Kirat Rai)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+16D4x 𖵀 𖵁 𖵂 𖵃 𖵄 𖵅 𖵆 𖵇 𖵈 𖵉 𖵊 𖵋 𖵌 𖵍 𖵎 𖵏
U+16D5x 𖵐 𖵑 𖵒 𖵓 𖵔 𖵕 𖵖 𖵗 𖵘 𖵙 𖵚 𖵛 𖵜 𖵝 𖵞 𖵟
U+16D6x 𖵠 𖵡 𖵢 𖵣 𖵤 𖵥 𖵦 𖵧 𖵨 𖵩 𖵪 𖵫 𖵬 𖵭 𖵮 𖵯
U+16D7x 𖵰 𖵱 𖵲 𖵳 𖵴 𖵵 𖵶 𖵷 𖵸 𖵹
注釈
1.^バージョン17.0時点

履歴

出典

関連項目

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