キリストの嘲弄 (ヴァン・ダイク)

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製作年1628-1630年ごろ
寸法111 cm × 93 cm (44 in × 37 in)
『キリストの嘲弄』
オランダ語: De bespotting van Christus
英語: The Mocking of Christ
作者アンソニー・ヴァン・ダイク
製作年1628-1630年ごろ
種類キャンヴァス油彩
寸法111 cm × 93 cm (44 in × 37 in)
所蔵プリンストン大学美術館プリンストン (ニュージャージー州)

 

キリストの嘲弄』(キリストのちょうろう、: De bespotting van Christus: The Mocking of Christ)は、17世紀フランドルバロック期の巨匠アンソニー・ヴァン・ダイクキャンバス上に油彩で制作した絵画である。現在、米国ニュージャージー州プリンストンにあるプリンストン大学美術館に所蔵されている[1][2]。ヴァン・ダイクがイタリアで直に学んだティツィアーノの様式により、ルーベンスから受けていたバロック的影響が和らいでいた時期の1628-1630年ごろに描かれた[3][4]

ヴァン・ダイク『荊冠のキリスト』(1618-1620年ごろ)、プラド美術館マドリード

本作は、『新約聖書』中の「マタイによる福音書」 (27章27-29) に記述されるイエス・キリスト受難の場面を描いている。ヴァン・ダイクは同主題で多数の人物を描いた『荊冠のキリスト』 (プラド美術館マドリード) も描いている[5]が、本作は2人の拷問者とキリストの間の関りとしてのみ表している。

裏切られた後に逮捕され、ローマユダヤ属州総督ピラトの前に連れ出されたキリストは、衣服を脱がされ、頭部にの冠をつけた姿で表されている[1]。彼は受けた拷問のために赤い目をしており、頭部は左側に傾いている。左側には2人の拷問者がおり、 1人はキリストの結わえられた両手の間にを入れようとしている。「マタイによる福音書」 (27章29) によれば、葦は王笏としてキリストを嘲弄するためのもので、それはキリストへの咎めには自身を王であると主張したことが含まれていたからにほかならない[4]

背後に立っている兵士姿の人物は片手に杖を持ち、もう一方の手でキリストの肩に深紅のマントを掛けている。杖は彼が普通の兵士ではなく、ローマの司令官であることを示す。彼はキリストを凝視しているが、その表情は自ら苦痛を与えている人物が聖なる存在であることに突然気づいたことを仄めかしている。ヴァン・ダイクは、この司令官を通して福音書に記述される別の人物の経験を喚起しようとしたのかもしれない。その別の人物とはケントゥリオ (百人隊長) の聖ロンギヌスのことで、彼は十字架上のキリストを見上げながら、「まさに、この男は神の息子だ」という言葉を口にした。この司令官に類似した人物がルーベンスの何点かの福音書を表わす絵画にも登場する[4]

キリストの拷問者の1人は黒人である。当時、国際的貿易港であったアントウェルペンには、ヨーロッパ外から多数の人々が訪れていた。ヴァン・ダイクも彼の師ルーベンスもアフリカとアジアの人物を前に写生し、後に彼らの姿を物語画に描き入れた。本作の黒人もそのように写生された実人物であったのかもしれない[1]

脚注

参考文献

外部リンク

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