キーペルト双曲線

From Wikipedia, the free encyclopedia

キーペルト双曲線
Gは重心、Oは垂心である。

三角形におけるキーペルト双曲線(キーペルトそうきょくせん、Kiepert Hyperbola)とは、三角形の3つの頂点と重心垂心を通る双曲線である。また外接円錐曲線の一種である。名前はドイツの数学者であるルードヴィヒ・キーペルトに由来している。

キーペルト点

キーペルト点は、以下の手順で作図される点である。

  1. 三角形 ABC に対し、 xBC = ∠xCB = θ となる点 x をとる。
    • θ が正の時は xBC に対し A と逆側に取る。 θ が負の時は xBC に対し A と同じ側に取る。
  2. 同様に y, z をとる。
  3. Ax, By, Cz の交点 N がキーペルト点である。

キーペルト点の軌跡がキーペルト双曲線となる。

3線が1点で交わることは以下のように証明できる。

  • AxBC が交わる点を D とする。

x の定義より、△BCxBx = Cx となる二等辺三角形である。三角形の面積公式 S = (1/2)ab sin(C) を用いると、△ABx△ACx の面積は以下のように表せる。

3直線が1点で交わることは、チェバの定理の逆を用いて証明できる。

直線 Ax と辺 BC の交点を D とする。点 AD は直線 Ax 上にあるため、2つの三角形 △ABx△ACx の面積比は、底辺をそれぞれ Bx, Cx と見なした際の高さの比に依存せず、線分 BDDC の比と関連付けられる。この時、点 A を頂点とする △ABD△ACD の面積比は、共通の高さを持つため底辺の比に等しく BD : DC となる。同様に、点 x を頂点とする xBDxCD の面積比も BD : DC となる。

直線 Ax と辺 BC の交点を D とする。頂点 A を共有する △ABD△ACD の面積の比は、それらの底辺の長さの比に等しい。同様に、頂点 x を共有する xBDxCD の面積比も底辺の比に等しい。

したがって、これらの面積の差を用いても比は変わらないため、以下の関係が成り立つ[1]

ここで、三角形の面積公式 Area = 1/2ab sin C を用いると、

  • Area(△ABx) = 1/2 AB · Bx · sin(∠ABx) = 1/2 c · Bx · sin(B + θ)
  • Area(△ACx) = 1/2 AC · Cx · sin(∠ACx) = 1/2 b · Cx · sin(C + θ)

x の定義より △BCx は二等辺三角形であるため、Bx = Cx である。よって、面積比は以下のようになる。

同様に、直線 By と辺 CA の交点を E、直線 Cz と辺 AB の交点を F とすると、

となる。これらの比の積を計算すると、

となり、チェバの定理の逆によって3直線 AD, BE, CF(すなわち Ax, By, Cz)は1点で交わる。

性質

上述のチェバの定理の証明から、キーペルト点 N の重心座標は以下の式で与えられる。

ここで、a = BC, b = CA, c = AB である。

キーペルト双曲線の重心座標による式は以下のようになる。

(a2 - b2)xy + (c2 - a2)xz + (b2 - c2)yz = 0.

キーペルト双曲線の2本の漸近線は、ブロカール軸と外接円との2つの交点におけるシムソン線である[2]。これらの漸近線は互いに直交し、その交点X(115)九点円上にある。この点の重心座標は以下のように表される[3]

((b2 - c2)2 : (c2 - a2)2 : (a2 - b2)2).

三角形が正三角形の場合、a = b = cであるため、キーペルト双曲線の重心座標による方程式は(a2 - a2)yz + (a2 - a2)zx + (a2 - a2)xy = 0、すなわち0 = 0となる。これは特定の曲線を表さず、この方程式は平面上の任意の点によって満たされるため、双曲線は不定となり、平面全体に退化すると解釈される。

線上の主な点

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI