クロバナロウバイ

From Wikipedia, the free encyclopedia

クロバナロウバイ学名: Calycanthus floridus)は、ロウバイ科クロバナロウバイ属に分類される落葉低木の1種である。北アメリカ東部原産であり、世界各地で観賞用に栽培されている。対生し、花期は4–7月、多数の赤褐色の花被片がらせん状についた直径5センチメートルほどの花が咲く(図1)。葉柄や葉裏に毛が多く花の芳香が強いニオイロウバイ(C. f. var. floridus)と、葉柄や葉裏に毛が少なく花の匂いが弱いアメリカロウバイC. f. var. glaucus)の2変種に分けられている。「クロバナロウバイ」の名は、ニオイロウバイやアメリカロウバイの別名とされることもある。

落葉低木であり、高さ 0.5–3.5 m ほどになる[4][5][6][7](図2a)。枝を削ると芳香がする[1]腋芽は、葉柄の基部に部分的に覆われている[4]対生し、葉柄は長さ 3–10 mm、有毛から無毛、葉身は楕円形から卵形(最大幅は中央付近から基部より)、5–15 × 2–6 cm、基部は鋭形から切形、先端は尖鋭形から鈍形[4][5][1][7](図1, 2b)。葉表(向軸面)は光沢がある濃緑色[5](図2b)。葉裏(背軸面)は緑色または灰白色、有毛または無毛[4]。葉はふつう芳香をもち、秋に黄葉して落葉する[5]

2a. 樹形
2b. 枝葉

花期は4–7月(日本では5–6月)、枝の先端に直径 3–6 cm ほどの赤褐色のがつく[5][8](図1, 3a, b)。しばしば強い芳香(イチゴパイナップルに例えられる)がある[5][1][7][8]花被片は長楕円形から倒卵状披針形、20–40 × 3–8 mm、先端は鋭形[4](図3a, b)。雄しべは10-20個、長楕円形[4]果実痩果、多数の痩果が発達した花托に包まれて集合果となる[7](図3b)。集合果は円筒形から梨形または球形、2–6 × 1–3 cm[4](図3c)。少なくとも一部は無配生殖(無融合種子形成)が可能であることが報告されている[9]アルカロイドであるカリカンチン(calycanthine)を含み、有毒である[8]染色体数は 2n = 22、33[4]

3a. 花
3b. 花
3c. 集合果(右)とそれに含まれる痩果(左)

分布

北米東部(ペンシルバニア州からミシシッピ州フロリダ州)の温帯域に分布する[4]

世界各地で観賞用に栽培されており[5]、日本へは、明治中期から大正期に導入された[8][2]

人間との関わり

4. ‘ハートレージワイン (Hartlage Wine)’

観賞用に庭木などとして栽培される[5][6][8]。また、切り花として利用されることもある[5][8]。クロバナロウバイの栽培品種も作出されており、‘Michael Lindsey’、‘Edith Wilder’、‘Athens’などがある[10]。また、クロバナロウバイとナツロウバイCalycanthus chinensis)の交配によって‘ハートレージワイン (Hartlage Wine)’[11][6](図4)、‘Solar Flare’[10]、‘Dark Secret’[10]が、クロバナロウバイ、ナツロウバイ、Calycanthus occidentalis の3者の交配によって‘ホワイトドレス (White Dress)’[12]、‘Venus’[10]が作出されている。

栽培には、水はけがよく、夏に極端には乾燥しない、腐植質に富んだ日向から半日陰の場所が適する[5][6]。夏の高温期には朝か夕方に水やりをする[6]。2月上旬から3月下旬、および開花後の6月上旬から下旬に施肥する[6]。特に問題となる病虫害はない[5][6]挿し木や株分け(吸枝)によってふやす[5][6]

北米先住民は、樹皮を薬用とし、また樹皮香辛料として利用していた[5]

分類

脚注

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI