ザヴァケファレ

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ザヴァケファレ学名Zavacephale)は、モンゴル国ゴビ砂漠から化石が発見された、堅頭竜類に属する鳥盤類恐竜[1]。約1億1000万年前の地層から化石が産出しており、確実な堅頭竜類としては記載・命名時点で最古の例である[1]パキケファロサウルスのような後の時代の堅頭竜類と同じくドーム状の頭部が発達している[1]。2025年に新属新種として命名されたタイプ種ザヴァケファレ・リンポチェZavacephale rinpoche)が知られる[1]

ザヴァケファレの化石は、2019年にモンゴル国で発見された[2]。当時は後のザヴァケファレ・リンポチェの記載論文著者であるチンゾリグ・ツォクトバートルや⾼崎⻯司、吉⽥純輝などが参加する国際発掘調査がゴビ砂漠で実施されていた[2]。産出層準は下部白亜系のKhuren Dukh層であった[3]

化石は断崖に露出していたところを発見された[2]。標本は頭部肩帯上腕骨指骨腰帯後肢胴椎仙椎尾椎が保存されている[2]。特に前肢の指骨と完全な尾椎が保存された堅頭竜類としては世界初の例である[1][2]。また腹部には角ばった胃石が保存されており、堅頭竜類から報告された胃石の例としても初となる[2]

タイプ種であるザヴァケファレ・リンポチェはチンゾリグを筆頭著者として2025年に記載・命名された[3]。属名は堅頭竜類の進化史上における本属の位置を考慮してチベット語で「根」「起源」を意味するZavaラテン語で「頭」を意味するcephaleに由来し、タイプ種の種小名は化石の産状を反映して「尊いもの」を意味するチベット語の語句に由来する[2]岡山理科大学福島県立博物館によるプレスリリースでは、種名全体の日本語訳は「ドーム頭の恐⻯の起源にして、尊い宝」とされている[2]

特徴

ヒトとの大きさ比較

ザヴァケファレは前期白亜紀の後期に生息した極めて初期の堅頭竜類でありながらドーム状の頭部構造が既に発達している[2]。このドーム状の頭骨は前頭部が発達する一方で、後頭部の装飾が後の時代の分類群ほど発達していない[2]。このため、頭部が平坦なタイプの堅頭竜類は初期の形質状態を保存しているのでなく、二次的に当該の形質状態を獲得した可能性が考えられている[2]

ザヴァケファレ・リンポチェのホロタイプ標本の個体は生時において全長約1メートル、体重約6キログラムと推定されている[1]。種を形態的に定義する特徴としては、上顎骨の表面が平滑であること、最前列の歯骨歯が小型であること、尾椎の骨化腱が発達していること、後頭部の装飾が発達しないことなどが挙げられる[1]

個体発生

ザヴァケファレ・リンポチェのホロタイプ標本の個体は、後肢の長骨の断面に見られる成長停止線の数から、2歳以上の未成熟個体であったと推定されている[2]。このためザヴァケファレは骨格が完全に成熟する前にドーム状の頭部を発達させていたことや、またその頭部の発達がステゴケラスなどの他の堅頭竜類と同様に、またスティギモロクとは反対に、前側から開始したことが示唆される[2]

系統発生

古環境

脚注

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