シッケ
From Wikipedia, the free encyclopedia
- 麦芽粉を湯で溶かし、さらして水分のみを取り出す。この水を据え置いて麦芽かすを自然分離させ、上澄みの水のみをシッケに用いる。
- 炊いたもち米は米粒をつぶさないように扱い、場合によっては冷水に入れて米粒をばらばらにする。この米を磁器や陶器の甕に入れ、1の麦芽水を注ぐ。
- 60~70度で4~5時間保温し、発酵させる。
- 米粒はすべて浮きあがれば、糖化完了である。砂糖やはちみつを入れて短時間火にかけて煮沸した後、冷やして保存する。
3の発酵工程で、温度を一定に保つことが重要であり、金属の器を使ってはならない[1]。伝統的には温かい室内で甕に布団をかぶせて保温したが、近年では炊飯器によって容易に作ることができる[1]。
シッケは発酵飲料であり、他にも水正果(スジョングァ)や花菜(ファチェ)などと呼ばれる飲むデザートがあるが、これらは発酵を必要としないため、シッケとは異なる[3]。
麦芽に含まれるアミラーゼの加水分解作用でもち米のデンプンが分解され、甘味物質に変換される。アルコール分はほとんどない[3]。
飲み方
シッケは口にした瞬間は甘みをあまり感じず、水っぽいが、飲み終えた後味は穀物の深い滋味を感じることができる[2]。薄く氷が張るくらいよく冷やしたシッケに松の実を浮かべて飲むと、腹がすっきりすると言われる[2]。
ナツメ、柚子の皮、あるいは石榴の実を浮かべて飲むこともある[3]。
シッケの隠し味に生姜や柚子茶を入れることもある。地方のバリエーションに、大根と唐辛子粉が入る慶尚道の安東シッケ、江原道の蓮の葉シッケ、京畿道のカボチャシッケ、もち米の代わりにトウモロコシを使ったトウモロコシシッケ、江華島の高麗人参シッケなどがある[3]。
非常にポピュラーな伝統の飲み物であったが、現代の大韓民国では若者離れも進む。缶やビンに入ったものは、日本の韓国食品店でも購入できる。
- シッケの一例
- シッケの一例
- シッケの一例(缶飲料)
文化
大麦を水につけて発芽させ、それを干したものを麦芽といい、韓国料理には多く使用される[1]。冷たいシッケは口腔内をさわやかにし、飽食で疲れた胃腸にやさしく消化を助けるため、食後の飲料として親しまれる[1]。正月の茶菓膳や酒席などの後にデザートとして飲まれる。近年では商品化され、いつでも購入して飲むことができるようになったが、元旦や秋夕などの名節(ミョンジョル)には家庭でシッケを作る風習がある[2]。
諺には、「祭祀を行おうとするとシッケがすえる」というものがあり、シッケをつくるときに温度が低すぎると飯がすえて使えなくなる[1]ことを転じて、“折悪く仕事がダメになる”の意で語られる[2]。シッケは韓国の伝統的な祭祀の膳にも供されるが、実際に祭祀を行おうとしたら、これがすえていて飲めなかったという状況から、予想外にダメになった状況の喩えである[2]。
