シーザムーン
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| シーザムーン | ||||||||||||
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2014年7月6日 ハンブルク競馬場 | ||||||||||||
| 欧字表記 | Sea The Moon[1] | |||||||||||
| 品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||
| 性別 | 牡[1] | |||||||||||
| 毛色 | 鹿毛[1] | |||||||||||
| 生誕 | 2011年4月29日(15歳)[1] | |||||||||||
| 父 | Sea The Stars[1] | |||||||||||
| 母 | Sanwa[1] | |||||||||||
| 母の父 | Monsun[1] | |||||||||||
| 生国 |
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| 生産者 | Gestüt Görlsdorf[2] | |||||||||||
| 馬主 | Gestüt Görlsdorf[2] | |||||||||||
| 調教師 | Markus Klug(ドイツ)[2] | |||||||||||
| 競走成績 | ||||||||||||
| 生涯成績 | 5戦4勝[1][3] | |||||||||||
| 獲得賞金 | 525,000ユーロ[3] | |||||||||||
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シーザムーン(Sea The Moon、2011年4月29日[1][2] - )は、ドイツ生産の競走馬、イギリス供用の種牡馬である。シーザスターズの初年度産駒として活躍し、2014年のドイチェスダービーでは2着馬に11馬身の着差をつけて勝利した。その他勝ち鞍にウニオンレネン、メッツラー銀行フリューヤールス賞。同年のドイツ年度代表馬。
ダービーでの好走から凱旋門賞の有力候補とも目されていたが、前走のバーデン大賞での敗戦後に故障が発覚し引退。イギリスのランウェイズスタッドに繋養された。種牡馬としては、2020年にコロネーションステークスを制したアルパインスターなど複数のG1馬を送り出しており、2023年と2024年にはドイツにおいてリーディングサイアーを獲得している。
2011年4月29日、ドイツのゲルスドルフ牧場 (Gestüt Görlsdorf) で誕生する[2]。シーザムーンの父シーザスターズは2009年に2000ギニー、ダービーステークス、凱旋門賞などを制したアイルランド産馬で[4][5]、同賞の勝利を最後に引退し種牡馬となり[4]、2010年から種付けを開始した[6]。シーザムーンは初年度産駒の1頭である[7]。母Sanwa自身は未出走ながら、全兄にザムム (Samum)[注釈 1]、スキャパレリ (Schiaparelli)[注釈 2]、全姉にサルヴェレジーナ (Salve Regina)[注釈 3]がいる血統であった[6]。
2010年、Sanwaはシーザスターズの仔を受胎したままタタソールズのメアセールに上場[11]。ゲルスドルフ牧場は20万ギニーまで値上げする形で他の入札者を退けていったが、売主が値を20万5000ギニーまで上げた時点で撤退し、セール自体は主取りで終わった[12]。しかし、セール後に売主と交渉がもたれ、牧場は最終的に17万5000ギニーでSanwa、そして胎内の仔を手に入れることに成功した[12]。
1歳となったシーザムーンは2012年のタタソールズ10月イヤリングセールに上場されたが、24万ギニーの希望値を付ける買い手が現れず、結局23万ギニーで牧場が買い取ることとなった[12][13]。
競走馬時代
2013年9月にケルン競馬場にて初陣を迎えると、2着に4馬身差をつける鮮烈なデビューを飾る[12][14]。しかし、勝利後はヴィンターファヴォリテン賞への出走を発熱のため回避したこともあって[15]、8か月間競馬場に姿を見せず[12]、次戦は3歳の時、G3のメッツラー銀行フリューヤールス賞であった[14]。このレースでAbendwindに2馬身の着差をつけ勝利を収めると[15]、続いてG2のウニオンレネンに出走[16]。これも制し、無敗のままドイチェスダービーに駒を進めた[17]。
ドイチェスダービー
ここまでシーザムーンの手綱はアンドレアス・ヘルフェンバインが握ってきたが、ヘルフェンバインの落馬事故もあり、ドイチェスダービー本番は「ホルン[注釈 4]での『月面着陸』の任務に最良の条件をもたらす」ためにクリストフ・スミヨンへと乗り替わった[18]。そして迎えた本番、シーザムーンは最後の直線入り口で突然外へ大きく膨れ、カメラから見切れるほどスタンド側に寄ってしまう[19]。ところがシーザムーンはそのまま突き抜け、最終的に2着に11馬身の着差をつけてこのレースを制覇した[19]。鞍上のスミヨンはその乗り味をオルフェーヴルにたとえており[19]、管理調教師のクルークはゴールの瞬間「生涯の夢、生涯の夢!」と繰り返し叫んだという[注釈 5][21]。
競走直後の暫定レーティングは125ポンドとされ、歴代のドイツ生産馬の中でも高い評価を得た[注釈 6][22]。後に公式発表されたレーティングは124ポンドであったが[23]、2着に入ったラッキーライオン (Lucky Lion) がバイエルンツフトレネンに勝利したために上方修正され[24]、最終的には125ポンドの評価が与えられた[注釈 7][26]。
初黒星からの引退
ダービーでの好走から凱旋門賞の有力候補と目されるようになり、各ブックメーカーの前売りオッズでも一時は1番人気となっていた[27]。しかし、鞍上がクリスチャン・デムーロに替わって挑んだ凱旋門賞前の1戦、バーデン大賞でアイヴァンホウ (Ivanhowe) に直線で交わされ初黒星を喫する[28]。更に、その後故障が発覚し、陣営は凱旋門賞への不出走を表明した[27]。当初は年内休養の後に復帰を目指すとされていたが[27]、オーナーがそれも困難であると判断し、程なく引退が発表された[29]。2015年に実施された投票ではメルボルンカップ優勝馬のプロテクショニスト(Protectionist) を僅差で退け、年度代表馬に選出されている[30]。
種牡馬時代

2015年からイギリス、ニューマーケットのランウェイズスタッドで種牡馬となり、種付料は1万5000ポンドとされた[31]。初年度産駒は2018年にデビューし、6月2日にニューマーケット競馬場でMust See The Docが産駒としての初勝利をあげた[32][33]。そして、同年の9月にはクエストザムーンがツークンフツレネンを制し、初のグループ制競走勝ち馬となった[34]。2020年にアルパインスター(Alpine Star) がコロネーションステークスを制し、産駒初のG1馬が誕生[注釈 8][37][38]。以後、ダーストン (Durston)、ファンタスティックムーン (Fantastic Moon) 、マスコーカ (Muskoka) 、アシステント (Assistent) がG1を制している[注釈 8][39]。2023年と2024年にはドイツにおいてリーディングサイアーを獲得した[39]。
種付料は2020年まで1万5000ポンドに据え置かれたが[40]、その後上昇し、2024年には3万2500ポンドとなった[41]。しかし、翌年は牧場いわくブレグジットの影響もあり2万2500ポンドに値下げされ[42]、さらに翌年の2026年には2万ポンドに再値下げされている[43]。
成績
競走成績
| 出走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 着順 | 騎手 | タイム | 着差 | 1着(2着)馬 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2013.9.22 | ケルン | Preis des Porsche Zentrum Köln | 芝1600m(Soft) | 1着 | A.Helfenbein | 1:38.99 | 4馬身 | (Ninfea) | [44] | |
| 2014.5.11 | フランクフルト | Preis Des Bankhauses Metzler | G3 | 芝2000m(Soft) | 1着 | A.Helfenbein | 2:16.14 | 2馬身 | (Abendwind) | [15] |
| 2014.6.15 | ケルン | ウニオンレネン | G2 | 芝2200m(Good) | 1着 | A.Helfenbein | 2:17.76 | 3馬身 | (Rapido) | [45] |
| 2014.7.6 | ハンブルク | ドイチェスダービー | G1 | 芝2400m(Good) | 1着 | Christophe Soumillon | 2:29.86 | 11馬身 | (Lucky Lion) | [46] |
| 2014.9.7 | バーデンバーデン | バーデン大賞 | G1 | 芝2400m(Good) | 2着 | Cristian Demuro | - | (3馬身) | Ivanhowe | [47] |
種牡馬成績
グループ1勝利馬
- アルパインスター (Alpine Star、2017年生) - 2020年コロネーションステークス[48]
- ダーストン (Durston、2016年生) - 2022年コーフィールドカップ[49]
- アシステント (Assistent、2019年生) - 2024年バイエルン大賞[50]
- ファンタスティックムーン (Fantastic Moon、2020年生) - 2023年ドイチェスダービー、2024年バーデン大賞[51]
- マスコーカ[注釈 9] (Muskoka、2020年生) - 2023年ディアナ賞[53][54]
グレード1勝利馬
- オールマンカインド (Allmankind、2016年生) - 2019年フィナーレジュベナイルハードル、2020年ヘンリー8世ノービスチェイス[55]