Wikiwand AI

ジャック・ディジョネット

アメリカのジャズ・ミュージシャン (1942-2025) From Wikipedia, the free encyclopedia

ジャック・ディジョネット[注 1]Jack DeJohnette1942年8月9日 - 2025年10月26日)は、アメリカジャズ・ミュージシャン、ドラマーピアニスト

来歴

ジャック・ディジョネット・ジュニアは1942年8月9日にアメリカ合衆国イリノイ州シカゴで、エヴァ・ジャネット・ウッドEva Jeanette Woodとジャック・ディジョネット・シニアJack DeJohnette Sr.の息子として生まれた[1]。4歳からピアノを学び、ハイスクール時代にドラムを始めた[2]

1960年代半ばよりR&Bのバンドや幾多のジャズのグループを経て、リチャード・エイブラムスロスコー・ミッチェル英語版をメンバーに迎えた自身のグループを率い、AACMにも核となるメンバーとして参加。サン・ラジャッキー・マクリーンリー・モーガンチャールス・ロイド・カルテットなどのグループでキャリアを構築した。チャールス・ロイド・カルテットではキース・ジャレットと一緒の時期を過ごした。また、ビル・エヴァンスとのピアノ・トリオでの録音も残している[注 2]

1968年トニー・ウィリアムスの後任としてマイルス・デイヴィスのグループに選ばれる。『ビッチェズ・ブリュー』や『オン・ザ・コーナー』などの歴史的名盤に参加、いわゆるエレクトリック・マイルス・サウンドの構築者としてだけではなく白人ヒッピーの聴衆の前でもフィルモアやイギリスのワイト島のフェスティヴァルに参加して演奏の録音をのこしている。

マイルス・デイヴィス・グループを抜けた1970年代前半には、ECMレコードにてデイヴ・ホランドと共にチック・コリアのレコーディングに参加、自己のグループではギタリストのジョン・アバークロンビーと組み、ディレクションズ、ニュー・ディレクションズの2つのグループで活動し、レスター・ボウイデヴィッド・マレイらとのスペシャル・エディション、ジョン・サーマンやまたゲイリー・ピーコックと共にキース・ジャレットとのスタンダーズ・トリオの活動の録音作品等を残している。

ハービー・ハンコックマイケル・ブレッカージョン・スコフィールドら、ジャズ界のトップ・アーティスト達の活動を支えるファースト・コール・ドラマーとして活躍した。

2000年代中頃から、プライベート・レーベル「ゴールデン・ビームズGolden Beams」を運営し、自身の作品をリリースしている。2009年、『ピース・タイムPeace Time』が第51回グラミー賞において最優秀ニューエイジ・アルバム賞を受賞。2012年、ユナイテッド・ステイツ・アーティスツ英語版のフェローに選出された[3]エスペランサ・スポルディングリオーネル・ルエケといった若手奏者とも積極的に共演を行っている[4]

2025年10月26日、ニューヨーク州キングストンの病院で死去[5]。同月27日にガーディアンが訃報を報じた[6]。同日の早い時期にJazzTimesは訃報を発表したが、掲載から約50分後に削除し、SNSで謝罪した[7]。しかし、その後ガーディアンはまた訃報を掲載し、ECMレコードの広報担当者がこの訃報を確認したとした。彼の個人アシスタントによると、死因は鬱血性心不全である[6]

音楽性

Modern Drummer (2004) は、ディジョネットのスタイルについて、自由を物語るソロ、爆発的なスウィング感、非凡なソロといった雄大なスタイルは、比肩するものがいないと評している。1970年代ごろから、のちのドラムンベースのような16ビートのサウンドを演奏していたともされる[4][8]

幼い頃からピアノも学んでおり、鍵盤ハーモニカを演奏した1968年のリリース作品『ディジョネット・コンプレックス』ではロイ・ヘインズに、1974年発表のアルバム『ジャッキーボードJackeyboard』ではジョージ大塚にドラムを任せ、ディジョネットはピアノを担当しており、パット・メセニーからは「マッコイ・タイナーのようなスタイル」であると評されている。また余技としてベース演奏もこなし、かなりの腕前である。

ディスコグラフィ

リーダー作品

1960年代
1970年代
  • 『ハヴ・ユー・ハード?』 - Have You Heard (Milestone, 1970年)
  • キース・ジャレットとの共同名義, 『ルータ・アンド・ダイチャ』 - Ruta and Daitya(1971年録音)(ECM, 1973年)
  • 『タイム&スペース』 - Time & Space (Trio, 1973年)(千代田区「イイノホール」において録音)
  • 『ジャッキーボード』 - Jackeyboard (Trio, 1973年)(千代田区「イイノホール」において録音)
  • Sorcery (Prestige, 1974年)
  • 『コスミック・チキン』 - Cosmic Chicken(1975年4月録音)(Prestige, 1975年)
  • Untitled (ECM, 1976年)
  • Pictures(1976年録音)(ECM, 1977年)
  • 『ダイレクションズ』 - New Rags(1977年5月録音)(ECM, 1977年)
  • 『バイユー・フィーヴァー』 - New Directions(1978年6月録音)(ECM, 1978年)
  • スペシャル・エディション』 - Special Edition(1979年録音)(ECM, 1980年)
  • 『ニュー・ダイレクション・イン・ヨーロッパ』 - New Directions in Europe(1979年録音)(ECM, 1980年)
1980年代
  • スペシャル・エディション名義, 『ティン・カン・アレイ』 - Tin Can Alley(1980年9月録音)(ECM, 1981年)
  • スペシャル・エディション名義, 『インフレーション・ブルース』 - Inflation Blues (ECM, 1982年)
  • スペシャル・エディション名義, 『アルバム・アルバム』 - Album Album (ECM, 1984年)
  • 『ジャック・ディジョネット・ピアノ・アルバム』 - The Jack DeJohnette Piano Album (Landmark, 1985年)
  • 『ゼブラ』 - Zebra(1985年録音)(MCA, 1989年)
  • デヴィッド・マレイと共同名義, 『イン・アワ・スタイル』 - In Our Style (DIW, 1986年)
  • スペシャル・エディション名義, 『イレジスタブル・フォーセズ』 - Irresistible Forces (Impulse!/MCA, 1987年)
  • スペシャル・エディション名義, 『オーディオ・ヴィジュアル・スケイプス』 - Audio-Visualscapes (Impulse!/MCA, 1988年)
1990年代
2000年代
  • ビル・フリーゼルと共同名義, The Elephant Sleeps but Still Remembers(2001年録音)(Golden Beams, 2006年)
  • Music in the Key of Om(2003年8月録音)(Golden Beams, 2005年)
  • Trio Beyond名義, Saudades(2004年11月録音)(ECM, 2006年)(CD 2枚組)
  • The Ripple Effect名義, Hybrids (Golden Beams, 2005年)
  • Foday Musa Susoと共同名義, Music from the Hearts of the Masters (Golden Beams, 2005年)
  • Peace Time(2006年録音)(Golden Beams, 2007年)(第51回グラミー賞(最優秀ニューエイジ・アルバム))
  • ジョン・パティトゥッチ、Danilo Perezと共同名義, Music We Are(2008年録音)(Golden Beams, 2009年)(DVDビデオ入り)
2010年代

コンピレーション

  • 『ECM 24-bitベスト・セレクション』 - Jack De Johnette Selected Recordings (ECM) 2004年

ゲイトウェイの作品

ジョン・アバークロンビーデイヴ・ホランドジャック・ディジョネット

  • 『ゲイトウェイ』 - Gateway (ECM, 1975)
  • 『ゲイトウェイ2』 - Gateway 2 (ECM, 1977 [1978])
  • 『ホーム・カミング』 - Homecoming (ECM, 1994 [1995])
  • 『イン・ザ・モーメント』 - In the Moment (ECM, 1994 [1996])

キース・ジャレットのいわゆるスタンダーズ・トリオの作品

キース・ジャレットジャック・ディジョネットゲイリー・ピーコック

脚注

参考資料

外部リンク

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks