ジャパンラグビーリーグワンの選手カテゴリ
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ジャパンラグビーリーグワンの選手カテゴリでは、ジャパンラグビーリーグワンにおける選手の出場資格を定める「カテゴリー分け」の詳細とその沿革を記述する。
カテゴリーによる選手の人数には、大きく分けて以下の3つの場面で規定がある。
- チーム在籍にかかわる「チーム登録」
- 試合に臨む先発15名・控え8名の計23名による「試合登録」
- プレーする15名の編成に関する「オン・ザ・ピッチ(試合中)」
カテゴリーは、リーグワンが開幕した2022シーズンから3つ(カテゴリA・カテゴリB・カテゴリC)に分かれる[1][2]。各カテゴリの条件はシーズンを経て変更が加えられている。2026-27シーズンからは、4つ(カテゴリA-1・カテゴリA-2・カテゴリB・カテゴリC)に細分化する予定であるが[3]、2026年5月1日現在、後述のように議論を呼んでいる。
リーグワン初年度の2022シーズンは、チーム登録について、猶予期間としてカテゴリA・カテゴリBでは人数制限をつけず、翌2022-23シーズンから制限を設けた[1]。
- カテゴリA:日本代表資格あり。
- カテゴリB:日本代表資格獲得見込み。
- カテゴリC:他国代表の履歴があるなど、上記カテゴリ以外。
当時の日本代表資格は、ワールドラグビーが定めた条件に従い、日本国籍を持つことや、両親または祖父母が日本人であることや、累積で10年間日本に居住しているという条件のほかに、60か月(5年間)継続して日本に在住している外国人にも与えられた[4]。この60か月継続在住条件は2024年8月1日に撤廃され、緩和された。
| カテゴリ | 条件 | チーム登録 | 試合登録(23名) | 試合中(15名) |
|---|---|---|---|---|
| カテゴリA | 日本代表資格あり (「60か月継続して日本に在住」も可) |
人数制限なし | 人数制限なし | 11名以上 |
| カテゴリB | 日本代表資格獲得見込み | 人数制限なし | 任意 | 任意 |
| カテゴリC | 他国代表の履歴があるなど、上記以外 | 3名以下 | 3名以下 | 任意 |
2022-23シーズン
リーグワン2年度目の2022-23シーズンでは、前シーズンの猶予が無くなり、各カテゴリで人数制限が増えた[2]。
| カテゴリ | 条件 | チーム登録 | 試合登録(23名) | 試合中(15名) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| カテゴリA | 日本代表資格あり (「60か月継続して日本に在住」も可) |
80%以上 | 17名以上 | 11名以上 | ||
| カテゴリB | 日本代表資格獲得見込み | BとCの合計で10名以下 または 20%以下 (小さい方) |
BとCの合計で6名以下 | BとCの合計で4名以下 | ||
| カテゴリC | 他国代表の履歴があるなど、上記以外 | Cは3名以下 | Cは3名以下 | |||
2023-24シーズン
2023-24シーズンの カテゴリ および その人数制限は、前シーズンから変更なし[5]。
| カテゴリ | 条件 | チーム登録 | 試合登録(23名) | 試合中(15名) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| カテゴリA | 日本代表資格あり (「60か月継続して日本に在住」も可) |
80%以上 | 17名以上 | 11名以上 | ||
| カテゴリB | 日本代表資格獲得見込み | BとCの合計で10名以下 または 20%以下 (小さい方) |
BとCの合計で6名以下 | BとCの合計で4名以下 | ||
| カテゴリC | 他国代表の履歴があるなど、上記以外 | Cは3名以下 | Cは3名以下 | |||
2024-25シーズン
2024-25シーズンから、ワールドラグビーが定める国代表資格条件変更にともない、大学・リーグワンなど日本のチームに5年間登録していれば、カテゴリAを得られるようになった[6]。年間62日以内としていた国外滞在日数の制限も撤廃され、これら条件緩和により、リーグワンでは「カテゴリA」となる外国出身選手が増加した[7][8]。それぞれの人数制限は変更なし。
2024-25シーズンの終了に近い2025年5月13日、2シーズン先「2026-27シーズン」からのカテゴリ変更が発表され[9]、後述のように議論を呼んだ。
| カテゴリ | 条件 | チーム登録 | 試合登録(23名) | 試合中(15名) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| カテゴリA | 日本代表資格あり (「5年間継続して日本協会に登録」も可) |
80%以上 | 17名以上 | 11名以上 | ||
| カテゴリB | 日本代表資格獲得見込み | BとCの合計で10名以下 または 20%以下 (小さい方) |
BとCの合計で6名以下 | BとCの合計で4名以下 | ||
| カテゴリC | 他国代表の履歴があるなど、上記以外 | Cは3名以下 | Cは3名以下 | |||
2025-26シーズン
2025-26シーズンも、前シーズンと同じ。
| カテゴリ | 条件 | チーム登録 | 試合登録(23名) | 試合中(15名) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| カテゴリA | 日本代表資格あり (「5年間継続して日本協会に登録」も可) |
80%以上 | 17名以上 | 11名以上 | ||
| カテゴリB | 日本代表資格獲得見込み | BとCの合計で10名以下 または 20%以下 (小さい方) |
BとCの合計で6名以下 | BとCの合計で4名以下 | ||
| カテゴリC | 他国代表の履歴があるなど、上記以外 | Cは3名以下 | Cは3名以下 | |||
2026-27シーズン
2026-27シーズンは、「カテゴリA」を「A-1」「A-2」に分ける。「A-1」は 旧カテゴリAを踏襲。「A-2」は、「B」「C」とあわせた人数で制限されるなど、旧「カテゴリA」より出場機会が減らされる傾向となった[9]。
- カテゴリA-1: (以下3つのいずれか)
- 他協会の代表歴がなく、小中学校の義務教育9年間のうち、6年以上を日本で過ごした選手
- 他協会の代表歴がなく、本人が日本出生または両親祖父母のうち1人が日本出生している選手
- A-2の選手のうち、日本代表キャップを30以上持つ選手
- カテゴリA-2: 他協会の代表歴がなく、日本協会への継続登録が48か月以上の選手
- カテゴリB: 他協会の代表歴がなく、日本協会への継続登録が48か月未満の選手
- カテゴリC: 他協会の代表歴あり
| カテゴリ | 条件 | チーム登録 | 試合登録(23名) | 試合中(15名) | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カテゴリA-1 | (1)小中学校のうち6年は日本で過ごす (2)日本生まれ または 両親祖父母が日本生まれ (3)A-2のうち、日本代表30キャップ以上 |
A-1とA-2の合計で80%以上 | 14名以上 | 8名以上 | |||
| カテゴリA-2 | 日本協会への継続登録が48か月以上 | A-2とBとCの合計で9名以下 | A-2とBとCの合計で7名以下 | ||||
| カテゴリB | 日本協会への継続登録が48か月未満 | BとCの合計で10名以下 または 20%以下 (小さい方) |
BとCの合計で6名以下 | BとCの合計で6名以下 | |||
| カテゴリC | 他協会の代表歴あり | Cは3名以下 | Cは3名以下 | Cは3名以下 | |||
カテゴリAから「A-2」へ移る選手には、 日本国籍へ変更した「元外国人」の日本人選手や、長年日本で暮らす外国人選手、すでに日本代表として活躍してきた外国人選手がいる。その選手は、出場機会に一定の制限が加えられることになる。また、日本で生まれた日本人であっても義務教育期間を日本で過ごさなかった場合にも、同様に制限を受けることを意味する。
日本代表キャップを30以上持つ選手は、優遇措置としてA-1に分類する[9]。新カテゴリが発表になった2025年5月時点で、これに該当するのは、リーチマイケル(当時87キャップ)とツイヘンドリック(当時47キャップ、後に2025-26シーズン限りで引退発表)だった。
2024-25シーズンでは、試合出場中15人のうち日本国籍取得選手を含めた外国出身者が、10人を超えるチームも現れている。2026-27シーズンからは、日本生まれなどの条件を満たした選手8人以上がプレーすることになり、そうでない選手(カテゴリA-2)はカテゴリB・Cと共に計7名以下しかプレーできない。リーグワンの東海林一専務理事は「小中学生などの若年層に、リーグワンでプレーしたいという意欲を高めてもらい、国内の競技人口増加を目指す」としている[10]。
新カテゴリへの批判
2025年5月13日、リーグワンによる発表直後に、2024-25シーズンでカテゴリAのレメキロマノラヴァ(三重H)は「日本のためにオリンピック出てワールドカップ2回出て日本国籍をとったけどカテゴリA-2になった!」と、X(旧Twitter)で不満を表明した[11][12]。
2025年5月15日、スポーツライターの大友信彦は中日スポーツで、「日本人選手と同条件でプレーする外国出身選手の権利を奪うものだ」と主張している。レメキロマノラヴァは日本国籍を取り2016年リオデジャネイロオリンピックで4位、2019年ワールドカップ日本大会ではベスト8と、過去最高レベルとなった日本チームの一員であることを挙げ、「人を大事にしない組織は衰退する」と断じた。「苦労して日本国籍を取得した選手に対する差別であり、国籍差別が大きかったトップリーグ時代よりも差別的である」としている[13]。
同じく2025年5月15日、スポーツジャーナリストの二宮清純は、「日本出身選手の出場機会が増えるのはいいことだ。日本のリーグだから、日本国籍を持つ選手が優遇されるのは理解できる。それならば、海外出身でも日本国籍を取得した選手も、同様に扱う(A-1とする)のが筋だ」と述べた[14]。
2025年5月29日、ラグビーライターの吉田宏は、日本代表30キャップ未満となる多くの海外出身選手へのリスペクトがないことを指摘。さらに、日本国籍を取得したカテゴリA-2の選手に対し、日本国憲法で保障された職業選択の自由を侵害しているのではないか、と問題視している[15]。
2026年4月20日、海外出身で日本国籍を取得したラグビー選手27人が、リーグワン2026-27シーズンから導入される選手登録の新制度見直しを求めて、公正取引委員会への申告と東京地方裁判所に差し止め仮処分の申し立てを行った。朝日新聞によると、「義務教育期間を日本で過ごしていないという理由で、他の日本生まれの日本人選手と差を設けられ、出場機会にも影響が及ぶことは、独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)に違反すると考える」と選手側の弁護士がコメントしたという。NHKによると、選手の代理人弁護士は「すでに契約交渉で不利益が生じている」と、A-2カテゴリになる選手は 出場回数が減ることを理由に 契約金が減らされることを訴えているという[16][17][18][19][20][21][22][23]。
2026年4月30日、ジャパンラグビーリーグワンは記者会見を行い、「一定の影響があることは想定している」が、「今回の制度変更は国籍に関連して選手を差別したり、出場機会を奪ったりすることを意図するものではない」と、予定通りに登録区分を変更することをあらためて示した。また、「(公正取引委員会や東京地方裁判所から)仮処分であったり和解勧告であったり、そういう判断があれば、当然ながら真摯に受け止める」と述べた[24]。