ゼイラム

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脚本
原作 松本肇
製作
  • 千葉善紀
  • 杉澤康一
ゼイラム
監督 雨宮慶太
脚本
原作 松本肇
製作
  • 千葉善紀
  • 杉澤康一
製作総指揮
  • 竹内茂樹
  • 市田裕
出演者
音楽 太田浩一
撮影 木所寛
製作会社
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
公開 1991年12月21日
上映時間 96分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
次作 ゼイラム2
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ゼイラム』(ZËIЯAM)は、1991年平成3年)12月21日に公開された日本映画[1][2][3][4]。製作はギャガ・コミュニケーションズとクラウド、配給はギャガ・コミュニケーションズ[4]雨宮慶太の初劇場公開作品[2][5]。上映時間は96分[4]

ゼイラムとは、作中にて敵役として登場する異形の凶悪犯罪者の呼称にして、"伝説の生物兵器"[3]である。そのゼイラムを追う女賞金稼ぎ「イリア」を森山祐子が演じる[3]

異星人の賞金稼ぎイリアと相棒のボブは、逃走した太古の生物兵器"ゼイラム"を捕獲するため、地球上に制限時間付きの無人密閉空間ゾーンを作る[4]。ところが些細な偶然から、鉄平神谷、二人の地球人がゾーンに入り込んでしまい[4]、さらに"ゼイラム"との戦闘でゾーンの制御装置と転送装置が壊れてしまう。このままではゾーンは制限時間を迎えると、空間の中身ごと消滅してしまう。生還するにはイリアの指示の下、鉄平と神谷だけでゼイラムと戦うしかない。ゾーンの中に取り残された二人と共に敢行されるイリアの"ゼイラム"捕獲作戦と、ゾーンからの脱出は成功するのか[1][2]

登場キャラクター

諸元
イリア
身長163 cm[6]
体重47 kg[6]
出身地マイス星[6]
イリア
ヒロイン。マイス星系の捜索者。賞金稼ぎとして凶悪犯を退治しており、兄を殺したゼイラムを追う[6]
派手な戦いを好む気の強い性格[6]。武器はメティス砲[6]。戦闘時にはプロテクターを装着し、腕部にエネルギーシールドを備える[6]
鉄平
ゾーンに巻き込まれた高橋電機の電気工。
神谷
ゾーンに巻き込まれた高橋電機の電気工、鉄平の先輩。
ボブ
イリアの相棒の人工頭脳。
村田
神谷の飲み仲間。
モモンガのママ
神谷いきつけの飲み屋の女将。
マブチ電材店主
高橋電機の仕入先。

ゼイラム

諸元
ゼイラム
身長2.1 m[6]
体重250 kg[6]
出身地不明[6]

姿を見たものは誰もいないと言われる正体不明の凶悪犯[6]。その正体は凶暴な寄生生物。

第一形態
笠とマントをまとった武士のような姿[6]。マントの下は筋骨隆々で、爬虫類のような皮膚を持つ[6]
武器を多数隠し持っているほか、格闘能力にも優れる[6]
第二形態
イリアに身体を焼かれ、骨だけになった姿[6]。不気味な音を立てながら相手を襲う[6]
第三形態
ゼイラムの本体である笠から出現した姿[6]。白い触手を武器とし、顔が伸びて人肉を食らう[6]
リリパット
カプセルから現れるゼイラムの手下[6]。劇中に4体登場する。知能は低く、強さもあまりない[6]

キャスト

スタッフ

制作

本作品は、外国映画を買い付けてビデオ化をするため、1986年昭和61年)に設立されたギャガ・コミュニケーションズ[7]、邦画作品の自社制作に乗り出したその第1回作品[8]である。

監督の雨宮慶太の語るところによれば、元々本作品の構想は2つ存在したといい、その一つが本作品以前に制作された雨宮の監督作品『未来忍者 慶雲機忍外伝』(1988年)の「劇場版」であるとされる[9]。『金神の風』のタイトルが付されたこの劇場版の企画には、「三度笠を被ったロボット」を登場させるつもりであり、本作品に登場するゼイラム自体がそれに結構近いものであったという[9]。この続編の企画は実現しなかったものの、3,000万円ぐらいの低予算の中で出来る作品を再考し、本作品の制作に至った[10][11][注釈 1]。雨宮は、前出の『未来忍者』の熱烈なファンがギャガにおり、「雨宮にもう一回映画撮らせたら面白いんじゃないか」との働きかけがあったことで、本作品の企画が動き出したとも述懐している[9]。当時の雨宮は、特撮テレビドラマ『鳥人戦隊ジェットマン』の監督も務めており、同作品の第1話・第2話の撮影を終えた後に一旦離脱し、本作品の撮影に入っている[13]

前述の通り、当初から低予算であることが提示されていたため、企画を立ち上げるに当たっては雨宮が以前から構想していた、「宇宙人と地球人の一晩の出来事」のショートストーリーが立脚点となっており、これが前述した2つの構想のうちのもう一つである[9]。当初は実際に完成した映像作品よりもっと軽い、ポップスみたいな感じを想定していたものの、かなりの思い入れが出てきたことで「あれもやりたい」という部分がどんどん膨らみ、だんだんポップスというよりも演歌になってきたといい、企画が通った後にシナリオが変わったりもしたとも振り返っている[9]。また、企画初期の時点では、登場するキャラクターはゼイラムと鉄平のみで、このゼイラムから単純に鉄平が逃げ惑うという、正しく「宇宙人と地球人の一晩の出来事」としてのストーリーが志向されていた[9]。ゼイラムもこの時点では、手に銃みたいなものが付いているロボットというキャラクターとして考案されており、当初のタイトルである『HP9999』(ヒット・ポイント・フォーナイン)もまた、そのぐらいのヒットポイントを与えないと倒せない敵のロボット、すなわちゼイラムのことを指したものであった[9]

このタイトルからも窺えるように、元々はゲームの世界の企画でもあった本作品であるが、その後の企画の変遷につれて、雨宮のやりたいものに固まってきたところでゲームの世界という設定は一切オミットされ、「血の通った人間の出てくる一晩の攻防戦」にしようと考えたところで、登場人物についても若い兄ちゃん(鉄平)と普通のおじさん(神谷)と宇宙人の女の子(イリア)の3人、そしてゼイラムに固まっていった[9]。登場人物を3人に絞った点については、『未来忍者』の登場人物が、それぞれシンプルで記号的な部分があったがゆえに、ドラマとして見た場合ちょっと弱いところがあったという反省を踏まえ、見終わった後にキッチリ印象に残るキャラクターでないとダメだという考えがあってのことであり[9]、それぞれ性格や立場の異なる彼らが、ゼイラムという敵を一緒にやっつけて迎えるラストシーンに至るまでをちゃんとしなくてはいけない、という点が本作品にて一番気を使った部分であると雨宮は語っている[9]

撮影の期間は当初1ヶ月を予定していたが、最終的にはその倍の2ヶ月にまで及んだ[14]。ロケ地としては鹿島リースの羽田工場跡地(東京都大田区)が主に使用されており、工場内にセットや仮設のスタッフルームを組み、毎日場所を変えつつ撮影が行われ、雨宮も本作品が一番あの場所を使い切ったのではないか、とトークイベントにてコメントしている[14]。銃器などの小道具の一部は、『未来忍者』のそれが流用されている。低予算ながら[1]人形アニメーションオプチカル合成などの特撮のみならず、コンピュータグラフィックスも積極的に取り入れられている[2][5][4]。また、竹谷隆之によるゼイラムの造形は後に大きな評判を呼び、彼の海外人気が高まるきっかけにもなった。この他にも寺田克也がデザインワークで参加している[3]。雨宮は、こうした特撮や造形についてはスタッフも皆上手い面々であったことから、全然心配せずできたと、また単にイメージを表現するのではなく、演出で表現するという意味において、本作品はすごく収穫になったと語っている[9]

キャスティング

当初は、『未来忍者』に出演した井田州彦の主演作として企画されていた[11]。井田は、もし雨宮が次に監督をやることがあれば、通行人の役でもいいから出してくれとの意思を示していたとのことで、結構大事な役である鉄平を任せるに当たって、やはり知った人がいいだろうと、また普段の井田が二枚目ながらも、三枚目の部分がオーバーラップするところがあったことから、二つ返事で決まったと振り返っている[15]。神谷役の螢雪次朗は、癖のある人がいいという考えが念頭にあった上で、螢の出演作の一つである『ネットワークベイビー』(1990年、NHK)を視聴したのが起用の決め手となった。螢自身も本作品のストーリーを気に入って「ぜひやりましょう」と快諾しており、雨宮は螢について無骨な顔の中にすごく少年っぽい目をしているのが良かったと評しているほか、神谷というキャラクターと螢とで異なる部分があったことから、脚本についても螢が演じるのを前提として書き直したという[15]

その後、「男ばかりで色気がないから」という理由でヒロインのイリアを登場させることとなり、森山祐子がイリア役に起用された。雨宮自身はこれについて、後に「俗っぽい発想」と述べている[10]。元々、『未来忍者』にてサキ姫役で一番最初にいいなと雨宮が考えていたのが森山であり、彼女にオファーをかけたのもそれを思い出してのことであったという[15]。最初のアポイントの時点では断られたものの、その後「断るのでもいいから本人と会わせてくれ」と、直接対面し説明に及んだのを経て出演の運びとなった[15]。雨宮は、対面の際に森山が「『未来忍者』を見ていないから見てみる」と口にしていたことから、これを見て断るのならいいだろうと考えていたところ、翌日に出演する旨を伝えられて嬉しかったと述懐している[15]。本作品に参加した当初の森山は、自他ともに認めるほど運動神経ゼロに近かったといい、アクションシーンについても森山とスタントマンの半々で撮るつもりであったと雨宮も明かしているが、徐々に森山本人の出番が多くなっていき、最後の方ではほとんど森山が立ち回りしていたとも振り返っている[14]。第三形態のゼイラムは『エイリアン』の影響が色濃いが、物語終盤にてイリアがタンクトップ姿となるのも、『エイリアン』のシガーニー・ウィーヴァーを意識したものと見られる[16]。雨宮は、イリアという役柄について二通りの解釈、すなわち「コスチュームを着れば誰でもイリアになる」という役になるか、「森山祐子でないとイリアじゃない」という役になるか、という解釈があると前置きした上で、森山の場合は後者だと語っており、前述したタンクトップ姿についてもそれが一番強く見える、強さをちゃんと身体で表現しているとの評価を与えている[15]。森山の魅力が好評であったことから、続編の制作にも繋がったとされる[4]

エンドクレジットではカースタントを含めスタントマンが男性ばかり12人も表記される。照明の4人目に泉谷しげるが表記される。

映像ソフト

  • バンダイビジュアルより、ビデオソフト(VHS、BES-958[4])、レーザーディスク(LD)が発売。
  • 2003年にバンダイビジュアルより、DVDソフトが発売[4]。本編97分+映像特典21分。
  • 2016年12月22日にバンダイビジュアルより、『ゼイラム2』とセットになったBlu-ray BOXが発売された[1][5][12]

派生作品

  • 1994年6月に、本作品をアニメーション化したOVA作品『I・Я・I・A ZЁIЯAM THE ANIMATION』が発売され、同年末には続編である『ゼイラム2』も劇場公開されている。
  • 2007年7月には、カプセル兵団により舞台化(脚本・演出:吉久直志)、東京・笹塚ファクトリーにて5日間7ステージ上演。

脚注

参考文献

外部リンク

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