ダルマオトシ属

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ダルマオトシ属(ダルマオトシぞく、学名: Hyalotheca)は、接合藻チリモ目チリモ科に分類される緑藻の一属である。円柱形の細胞が上下で密接して糸状体を形成しており、ふつう厚い粘液鞘で包まれている(図1)。細胞中央にがあり、その上下に星状の葉緑体が存在する。おもに高層湿原のような貧栄養で酸性の淡水域に生育する。15種ほどが知られている。シラタキミドロ属ヒアロテカ属ともよばれる。「ダルマオトシ」の名は円筒形の細胞が積み重なった様子を玩具のだるま落としに例えており、「シラタキミドロ」の名は粘液鞘に包まれた糸状体の様子をこんにゃくの白滝に例えている[2]。学名の Hyalo-theca は、ギリシア語hyalos(透明な)+ thece(鞘)に由来する[4]

藻体は、細胞が一列につながった糸状体(糸状群体)である[1][2][3][5][6](図1, 2)。糸状体は、ふつう厚い粘質鞘に包まれている[1][2][3][5][6](図1)。細胞は円柱形、中央のくびれ(地峡)はわずかか不明瞭、頂面観は円形、上下端は平坦で隣接細胞と密接している[1][2][3][5][6](図1, 2)。細胞壁は平滑または顆粒があり、小孔が輪状に分布する[1][2][3][6]。細胞中央にが位置し、その両側に中軸性の葉緑体が1個ずつ存在し、それぞれ中央にピレノイドが1個存在する[1][2][3][5][6](図1)。

2a. H. dissiliens
2b. H. dissiliens
2c. H. tatrica

二分裂によって糸状体が伸長し、分断によって無性生殖する[1][3][4]細胞質分裂によって分裂面に母細胞と同じ直径の細胞壁が形成され、これと母細胞の半細胞壁の間が伸長することで新たな半細胞が形成される[3]。一部の種では、不動胞子形成が報告されている[1][4]。細胞糸が各細胞に分断し、接合による有性生殖を行う[1][3]。各細胞(配偶子嚢)は幅広い接合管でつながり、その中または一方の配偶子嚢内で原形質(配偶子)が合体し、形成された接合胞子は球形、平滑[1][3][4][5][7]。接合胞子の発芽時に2個の核が融合し、減数分裂を行なって4個の核を形成するが、そのうち2核または1核のみが残って2または1個の娘細胞を形成する[4][7]

生態

世界中に分布し、多くは貧栄養酸性の湖沼や湿原に生育するが、平地の水田などでも見られる[1][2][6][8]

分類

脚注

外部リンク

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