前述の例のように、n次方程式の求解のためには、n - 1次の項を消去することが有効であるが、適切な一次の多項式
を選ぶことで、チルンハウス変換によってn - 1次の項を消去することができる。
一般に、n次多項式

のn - 1次の項を消去するためには、

としてチルンハウス変換を行えばよい[3]。
まず、
とし、求めたい方程式
の解を
とすると、定義より、チルンハウス変換によって得られる終結式
は、

となる。
n - 1次の項の係数について考えると、根と係数の関係と二項定理を用いて、

となり、これが0となるためには、

であればよい。
したがって、
とすれば、n - 1次の項を消去することができる。
その後、n - 1次の項が消去された方程式
の解βを求め、

とすることで、元の方程式の解が求められる。
終結式による定義ではなく、代入による定義を用いても、同様の結果が得られる。
を代入することで、同様にn - 1次の項を消去することができ、この場合の
は、終結式で用いた
の解
と対応する。
なお、n - 1次の項を消去する変換のみを指してチルンハウス変換と呼ばれることもある[3]。
より高次のn次方程式の求解のためには、さらなる項の消去が必要であるが、n - 1次の項の消去と同様の方法では、再びn - 1次の項が非零となってしまうため、別の手法が必要であった。
チルンハウスは、n ≧ 2次の多項式に対してチルンハウス変換を用いることで、n - 1次とn - 2次の項を消去できることを発見した[4]。具体的には、代入に似た方法で、変換後の多項式、および変換前と変換後の解の関係を仮定し、ニュートンの恒等式を用いて変換後の多項式および解の関係の係数についての連立方程式を解く方法を用いる[5]。
n - 1次とn - 2次の項を消去したいn ≧ 2次の多項式

について、n - 1次とn - 2次の項が消去された次の多項式を仮定する。

ここで、方程式
と
の解をそれぞれ
とし、それらの関係を次のように仮定する。

次に、解のm乗和をニュートンの恒等式を用いて係数で表す。根と係数の関係より、解
の
番目の基本多項式を
とするとき、

となるため、ニュートンの恒等式により、解
の
乗和
を
とするとき、

が成り立つ。これを用いて、
を
の係数を使って表し、関係式
によって左辺を変形し
の係数を使って表すことにより、
の係数および
を
の係数を使って表すことができる。(
の係数および
はn個あるので、解の1乗和から解のn乗和まで立式すれば、n個の連立方程式を用いてそれぞれを求められることがわかる。)
したがって、方程式
の解を代数的に求められれば、解を関係式
によって変換することで、元の方程式の解を求める(
の係数を使って表す)ことができる。
また、チルンハウス変換によってn - 1およびn - 2の項が消去されたn次方程式の形を、主標準形(英語版)という。
五次方程式の解の公式を求める中で、1786年にE.S.ブリング(英語版)は、任意の五次方程式がブリング-ジェラードの標準形(英語: Bring–Jerrard normal form)
の形に変換できることを証明した[4]。
さらに、1834年にG.B.ジェラード(英語版)は、n ≧ 3次の多項式に対してチルンハウス変換を用いることで、n - 1次、n - 2次、およびn - 3次の項を消去できることを証明した。n - 1次とn - 2次の項を消去する場合と同様に、解の関係式を仮定する方法が使われ、

のように四次式が用いられる[5]。
なお、任意の五次方程式をブリング-ジェラードの標準形にまで簡略化することができるものの、その後一般の五次方程式には代数的な解の公式が存在しないことがルフィニ、アーベルによって証明され(アーベル・ルフィニの定理)、ガロアによって方程式が代数的に解ける条件が示された(ガロア理論)。代数的な方法でなければ、楕円積分や楕円モジュラー関数、超幾何関数などの特殊関数を用いることで解くことができる[5]。また、特定の形の五次方程式は代数的に解くことができることも知られている。