デジロHC
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デジロHC(Desiro HC, HCはHigh Capacity = 多定員の意)はシーメンス・モビリティが製造する電車で、デジロ製品群に属する。
| デジロHC | |
|---|---|
|
ライン=ルール・エクスプレス462形電車 | |
| 基本情報 | |
| 製造所 | シーメンス・モビリティ |
| 製造年 | 2017年 - |
| 製造数 |
4両編成:257編成 5両編成:18編成 6両編成:165編成 |
| 主要諸元 | |
| 編成 | 4両編成、5両編成、6両編成 |
| 軌間 | 1,435 mm(標準軌) |
| 最高速度 | 160 km/h |
| 編成長 | 4両編成:105,252 mm |
| 幅 | 2,820 mm |
| 定格出力 | 4,000 kW |
技術的特徴
デジロHCは2014年のイノトランスで公開された。この電車には一階建ての車両と二階建ての車両があり、制御電動車である一階建て先頭車の中央部分と付随車である二階建て中間車の下の階は、階段やスロープなしでプラットフォームからアクセスできる。2両の二階建て客車付きの4両編成列車の場合、長さは約105 mで座席配置によって400 - 420席が用意される。3両の二階建て客車付きの5両編成列車の場合、長さは約131 mで、560席が用意される[1]。
車両は軽量なアルミニウムで製造され、その構造は必要な衝突規定に適合する特性を示している。車両にはSF100形およびSF500形空気ばね式台車と回生制動機能付きの電気ブレーキが装備されている[2]。
車両の種類とプラットフォームの高さによっては、先頭車や中間車の客用扉はバリアフリーとなる。バリアフリートイレと車椅子用スロープの配置も同じく車両の種類により異なる。
シーメンスのクレーフェルト工場では一階建ての先頭車および二階建ての中間車が、グラーツ工場では台車が製造されている。ヴェークベルク=ヴィルデンラート試験場では車両の組み立てと列車の試運転が行われる。2019年初めまではウィーンのジマリング工場で二階建ての中間車が製造されていた。
運用現況
| 投入路線 | 国 | 運行会社 | 4両編成 | 5両編成 | 6両編成 | 型式 | 運用開始 | 車両番号 | 塗装 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ライン=ルール・エクスプレス | ドイツ | ナショナル・エクスプレス | 82 + 2本 | 0462 | 2018年12月 | 0462 001 - 082・084・085 | RRX | ||
| ラインタール路線 | ドイツ | DBレギオ | 15本 | 1462 | 2020年2月[3] | 1462 001-015 | bewegt | ||
| アウクスブルガー・ネッツェ | ドイツ | Go Ahead(現Arverio) | 12本 | 2462 | 2022年12月 | 2462 001 - 012 | |||
| エルベ - シュプレー路線 | ドイツ | ODEG | 14 + 14本※ | 15 -7本※ | 3462 | 2022年12月 | 3462 001 - 015(4両) 3462 116 - 129(6両) |
ODEG | |
| エルサレム - ヘルツリーヤ エルサレム - モディイン レホヴォト - ネタニヤ アシュケロン - ビンヤミナ オファキム - ヘルツリーヤ |
イスラエル | イスラエル鉄道 | 6本 | 135本 | 40xx 60xx |
2022年2月 2024年1月 |
IR | ||
| フランケン=南テューリンゲン路線 | ドイツ | DBレギオ | 18本 | 8本 | 1462 4462 |
2023年12月 2024年6月 |
1462 031 - 048(4両) 001 - 008(6両) |
DB Regio | |
| ドナウ=イザール路線 | ドイツ | DBレギオ | 25本 | 1462 | 2024年12月 | 1462 049 - 073 | |||
| アイン・スクナ - マルサ・マトルーフ アイン・スクナ - アレクサンドリア カイロ - アブ・シンベル ルクソール - フルガダ |
エジプト | DBインターナショナルオペレーションズ | 94本 | 0462 | 2024年12月 | 0462 001 - 094 | |||
| ヴェルデンフェルス・ラント路線 | ドイツ | DBレギオ | 6本 | 2028年12月 | DB Regio | ||||
| RE 1 ミュンヘン - インゴルシュタット - ニュルンベルク (イザール=ノリス=アルトミュール) |
ドイツ | DBレギオ | 7本 | 2028年12月 |
※6両編成を4両編成に組み直す計画が進行中
ドイツ
ライン=ルール・エクスプレス

2018年12月以来4両編成のデジロHCがライン=ルール・エクスプレス (Rhein-Ruhr-Express, RRX) 路線に投入されている[5]。そのために82本の車両が2015年3月シーメンスに発注され、列車の運行会社にリースされた。32年間の列車の補修管理費用も含めた総額は170億ユーロであった[6][7][8]。車両欠陥のため、最終的な使用承認が期日までにできなかったので、シーメンスと関係鉄道会社は追加2編成の無償供給について合意した[9]。総84編成の最初の4両編成が2017年7月12日に製造された。指定された形式称号 (Baureihenbezeichnung) は462形で、試運転はヴィルデンラート試験線で行われた[10]。2017年12月からDBネッツ (DB-Netz) の施設でも試運転が行われている[11]。
列車にはWi-Fi、コンセント、読書灯、折りたたみ式テーブル、インフォテインメントシステムが備えられている。先頭車には一等席および二等席の多目的スペースがある。片方の先頭車には障害者用トイレ付きの多目的空間が配置されている[12]。
シーメンスはドルトムントに車両整備施設を建設した。2018年12月9日以来15本の電車がRE 11系統に導入され、カッセル・ヴィルヘルムスヘーエ - デュッセルドルフ区間で運用を開始した。このときの運行会社はアベリオ・レールNRW社であった。2019年6月からはナショナル・エクスプレス社が12本の列車をRE 5系統のヴェーゼル - コブレンツ区間で運行している。2019年12月のダイヤ改正よりナショナル・エクスプレスはRE 6のケルン/ボン空港 - ミンデン区間でも運行を開始した。2020年からはRE 1系統とRE 4系統にも投入された[13]。アベリオの倒産により、2022年2月からはナショナル・エクスプレスがRRX全路線の運行を担当している。
シーメンス・モビリティは納入した84本に加えて、462形の83番車両を自ら維持管理している。この車両はRRXが発注したものではないが、車両試験、デモ運行および訓練運転に使用される[14]。83番車両は細部を除き84本のRRX車両の規格に従っているため、RRXの予備車としても使用され、必要に応じてナショナル・エクスプレスによって運行される。この車両の外側には車両番号の記載がなく、内側には通常運輸連合のロゴがある場所に「この車両はシーメンスの財産である」と表記されたステッカーが貼られている。
ラインタール路線

DBレギオは2017年2月にミレオに加え4両編成のデジロHCを15本発注した。2020年6月14日から1462形電車としてラインタール線のRE路線で運行されている。列車の外観はバーデン=ヴュルテンベルク州の州旗デザインに従って黄色・白色・黒色で塗装されている[16]。
イスラエル
イスラエル鉄道は同国最初の電化区間であるテルアビブ - エルサレム線で使用するために2017年9月にデジロHCの購入を決定し、60本の二階建て電車を入札した。納入される車両は4両編成と6両編成で構成され、計330両である。先頭車は一階建てで動力付き、中間車は二階建て客車で、駆動機器はない。さらにシーメンスはアシュケロンで車両基地を設置して60本のうち少なくとも24本を整備する[18][19]。2018年3月にシーメンスとイスラエル鉄道が契約を締結した際、60本の電車のうち24本(4両編成6本、6両編成18本)が第一弾として納入されることが発表された。すべての車両が発注された場合、契約金額は車両価格と整備費用を含めて9億7530万ドルとなる[20]。