Wikiwand AI

デスモプラキン

From Wikipedia, the free encyclopedia

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号DSP, DCWHKTA, DP, DPI, DPII, desmoplakin
DSP
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

3R6N, 1LM5, 1LM7, 5DZZ

識別子
記号DSP, DCWHKTA, DP, DPI, DPII, desmoplakin
外部IDOMIM: 125647 MGI: 109611 HomoloGene: 37922 GeneCards: DSP
遺伝子の位置 (ヒト)
6番染色体 (ヒト)
染色体6番染色体 (ヒト)[1]
6番染色体 (ヒト)
DSP遺伝子の位置
DSP遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点7,541,617 bp[1]
終点7,586,714 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
13番染色体 (マウス)
染色体13番染色体 (マウス)[2]
13番染色体 (マウス)
DSP遺伝子の位置
DSP遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点38,335,270 bp[2]
終点38,382,553 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能• protein-macromolecule adaptor activity
• scaffold protein binding
• 構造分子活性
• structural constituent of cytoskeleton
• 血漿タンパク結合
• cell adhesive protein binding involved in bundle of His cell-Purkinje myocyte communication
• cell adhesion molecule binding
• protein kinase C binding
• RNA結合
細胞の構成要素• 細胞質
• 膜
• 介在板
• cell-cell junction
• 細胞膜
• 接着斑
• 細胞結合
• basolateral plasma membrane
• 付着筋膜
• エキソソーム
• 細胞骨格
• 中間径フィラメント
• 細胞核
• 細胞外マトリックス
• cornified envelope
• ficolin-1-rich granule membrane
生物学的プロセス• intermediate filament organization
• desmosome organization
• ventricular compact myocardium morphogenesis
• 傷の治癒
• bundle of His cell-Purkinje myocyte adhesion involved in cell communication
• keratinocyte differentiation
• peptide cross-linking
• protein localization to adherens junction
• epidermis development
• intermediate filament cytoskeleton organization
• adherens junction organization
• regulation of heart rate by cardiac conduction
• regulation of ventricular cardiac muscle cell action potential
• 皮膚発生
• keratinization
• 好中球脱顆粒
• cornification
• cell-cell adhesion
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
種ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001008844
NM_004415
NM_001319034

NM_023842

RefSeq
(タンパク質)

NP_001008844
NP_001305963
NP_004406

NP_076331

場所
(UCSC)
Chr 6: 7.54 – 7.59 MbChr 6: 38.34 – 38.38 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
デスモソームにおける細胞接着

デスモプラキン(英: desmoplakin)は、ヒトではDSP遺伝子によってコードされるタンパク質である[5][6][7]。デスモプラキンは心筋と表皮細胞のデスモソーム構造の重要な構成要素であり、隣接する細胞との接着の構造的完全性を維持する機能を持つ。心筋では、デスモプラキンは介在板に局在する。介在板は心筋細胞(英語版)を機械的に共役させ、協調的な合体構造を形成する。デスモプラキンの変異は、拡張型心筋症、不整脈源性右室心筋症(英語版)、線状掌蹠角化症(英語版)、Carvajal症候群(英語版)、腫瘍随伴性天疱瘡(英語版)などに関与していることが示されている。

デスモプラキンには2つの主要なアイソフォームが存在する。1つ目はDPIIと呼ばれ、2272アミノ酸からなり260.0 kDaである。2つ目はDPIと呼ばれ、2871アミノ酸からなり332.0 kDaである[8][9]。これらのアイソフォームは、DPIIはロッドドメイン(rod domain)が短いことを除いて同一である。DPIは心筋で主に発現しているアイソフォームである[10]。DSP遺伝子は6番染色体(英語版)の6p24に位置し、長さは約45 kbで24個のエクソンが含まれる[11]。デスモプラキンは巨大な接着斑板(desmosomal plaque)タンパク質で、ホモ二量体を形成してダンベル型の構造をとる[12]。N末端の球状のヘッドドメインは一連のαヘリカルバンドルからなり、デスモソームへの局在とプラコフィリン1(英語版)のN末端領域、プラコグロビン、デスモコリン、デスモグレインとの相互作用の双方に必要である[13]。この領域はプラキンドメイン(plakin domain)と呼ばれる領域にさらに分割される。プラキンドメインは6つのスペクトリンリピート(英語版)からなり、その1つにはSH3ドメインが挿入されている[14]。プラキンドメインの一部の結晶構造が解かれており[15]、プラキンドメイン全体の構造はX線小角散乱によって明らかにされている[16]。X線小角散乱のデータからは、プラキンドメイン全体はL字型の構造をとることが示された[16]。デスモプラキンのC末端領域は、A、B、Cと名付けられた3つのプラキンリピートドメインから構成され、中間径フィラメントとの結合と共整列[訳語疑問点](coalignment)に必要不可欠である[13][17][18]。最もC末端側に位置する領域のセリンのリン酸化はデスモプラキン-中間径フィラメント間の相互作用に影響を与えることが示されている[19]。デスモプラキンの中央領域はロッドドメインと呼ばれるコイルドコイルで、ホモ二量体化を担う[20]。

機能

デスモソームは隣接する細胞との固い連結を行う、細胞内の接合部である。デスモプラキンは機能的なデスモソームの必須の構成要素であり、中間径フィラメントを接着斑板に固定する。心筋細胞では、デスモプラキンは中間径フィラメントデスミンとともに接着斑板を形成し、内皮細胞ではサイトケラチン(英語版)型中間径フィラメント、クモ膜細胞や濾胞樹状細胞ではビメンチンがリクルートされる[20][21]。どのタイプの中間径フィラメントも、フィラメントの側面でデスモプラキンと接着することで接着斑板は形成される[22]。心筋では、デスモプラキンは介在板のデスモソームに局在する。デスモプラキンのDPIアイソフォームが高度に発現しており、デスモソームの組み立てと安定化の双方に関与していると考えられている。その役割は重要であり、デスモプラキンのノックアウトマウスは胚性致死となる[23]。C末端が変異したデスモプラキンを過剰発現するマウスでは、心筋でのデスモプラキンのデスミンへの結合が破壊されるため、異常な構造の介在板が形成される[24]。デスモプラキンの機能に関する知見の多くは、不整脈源性右室心筋症(英語版)の患者でみられる変異から得られたものである。この疾患の変異では特定の結合ドメインの変異によってプラコグロビンやデスミンへの結合に変化が生じ、細胞死や機能不全が引き起こされる[25]。

臨床的意義

DSP遺伝子の変異は、拡張型心筋症[26][27]、不整脈源性右室心筋症[24][28][29][30][31]など、いくつかの心筋症の原因となる[16]。DSPの変異は、線状掌蹠角化症(英語版)とも関係している[26][30][32][33][34]。Carvajal症候群(英語版)はDSPのフレームシフト(7901delG)による常染色体劣性変異によって引き起こされ、拡張型心筋症、角化症(英語版)、羊毛状毛髪など、上述の疾患でみられる複数の症状が引き起こされる[35]。Carvajal症候群の患者は、10代のうちに心不全を発症することが多い。DSP遺伝子の2つのナンセンス変異の複合ヘテロ接合(英語版)により、致死性棘融解性表皮水疱症(英語版)(lethal acantholytic epidermolysis bullosa)が引き起こされることが報告されている[36][37]。デスモプラキンに対する自己抗体は、自己免疫疾患である腫瘍随伴性天疱瘡(英語版)の特徴である[38][39]。口腔咽頭がん(英語版)や乳がんの患者ではデスモプラキンの発現の低下がみられ、細胞間接着が変化して転移が広がっている可能性がある[40][41]。

相互作用

デスモプラキンは次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

出典

関連文献

外部リンク

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks