デス・ウィッシュ

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デス・ウィッシュ』(Death Wish)は、2018年アメリカ合衆国で公開されたアクション映画である。監督はイーライ・ロス、主演はブルース・ウィリスが務めた。本作はブライアン・ガーフィールド1972年に上梓した小説『狼よさらば』を原作とした映画作品『狼よさらば』(Death Wish)のリメイク作である。

2016年、穏やかな性格で争いごとを好まない救急外科医のポール・カージーはシカゴで妻と娘と一緒に暮らし、妻の昇進や娘の大学進学も決まり幸せな毎日を過ごしていた。ある夜、一家は外出する予定であったがポールが急遽病院に呼び出され、妻と娘が自宅に残っている時に3人組の覆面強盗がへ押し入ってきた。妻は金品を差し出すが強盗のひとりが娘に手を出そうとし、抵抗を試みた二人は銃撃され、妻は死亡、娘は意識不明の重体になってしまう。

ポールは妻の葬儀のためテキサス州にある妻の実家を訪れる。葬儀からの帰り道、農場に侵入した密猟者に気付いた義父は車に積んでいた銃を持ち出し、問答無用で射撃を加えて彼らを追い払う。義父は「警察が来るのは事件が起こった後で手遅れだ。大事な物を守るには自分で行動するしかない」とポールに話す。

シカゴに戻ったポールが捜査の進捗を調べるために警察署の担当刑事を訪れると、執務室の壁一面に貼られた事件リストの多さ、そして解決済みの割合があまりに低いことに驚愕する。刑事との会話で殺人事件に対する市民の無力さを痛感した帰り道、ポールは男たちに絡まれる女性を助けようとして殴る蹴るの暴行を受けてしまう。

ポールは銃砲店を訪れて店員にアドバイスを乞うが、購入申請の後で審査期間を経て初めて入手できると知り、その場は下見にとどめる。ある夜、病院に運び込まれた患者に処置をしようとしたポールの足元に、患者が持っていた拳銃が落ちてきた。ポールはそれをこっそり持ち帰ると自在に扱えるようひそかに訓練を始め、弾薬も購入する。

娘の容態が日に日に心配になっていく中、夜の自警活動を始めたポールは自動車強盗を目撃、被害女性を助けるために暴漢二人を拳銃で撃ち、手を痛めつつも明確な意思を持って殺害する。近隣住民がその様子を撮影した動画がネットに公開されると、世間はポールを「シカゴの死神」と呼ぶようになる。続けてポールは片足を撃たれた少年を診察し、子供たちを手先として使っている麻薬の売人が犯人だと聞き出すと、その売人を白昼訪れて射殺。世間ではその是非を巡って論争が起き始めたが、肯定的な意見が多数だった。「死神」をまねて自警活動を始めたものの、返り討ちで命を落とす市民も現れた。一方警察の刑事たちは「死神」が銃の扱いに慣れていない左利きの人物だと見抜く。

間もなくして、ポールは重体で運び込まれた顔見知りの男が盗まれた自分の腕時計を着けていることに気付いた。彼の持っていた携帯電話から彼がポール一家の住所や外出予定を何者かに流したこと、そして盗品を転売する店の存在を知る。盗品の奪回を図る中で、ポールの素性に気付いた店主に呼ばれてやってきた強盗犯の1人と銃撃戦になり、負傷させて情報を聞き出し殺害。さらにもう1人の犯人を襲い、拷問して情報を聞き出したうえで殺害する。

翌日、ポールの元に強盗犯の最後の1人、ノックスから呼び出しの電話がかかってくる。指定されたナイトクラブで銃撃戦になり、上腕に負傷したポールがその場から逃走して自らの傷を処置する一方、胴に被弾したノックスはポールの勤務する病院に運び込まれていた。

夜中になってポールの自宅を訪れた弟は、ポールが「死神」であることを悟り、そこへ帰宅したポールに娘を大事にするよう迫る。そこへ娘の意識が戻ったとの連絡が入り、病院に駆けつけたポールは、弟からの説得もあって自警活動から手を引くことを決意する。娘が退院する日、ポールと娘が乗ったエレベーターにやはり退院するノックスが入ってきて、そ知らぬふりで二人に声をかける。

数週間後のある夜、ポールの家をノックスとその仲間が襲撃する。屋外の不審な気配に気づいたポールは娘を安全な場所に隠して警察に通報させ、退院の日に正規申請した銃を駆使してノックス達を迎撃し、負傷しつつも全滅させる。駆けつけた刑事はポールが「死神」であると気付きつつも正当防衛として処理し、ポールは病院で入手した不法所持状態の拳銃だけはすぐに手放すことを約束した。

それからしばらくして娘は都心の学生寮に移り、見送りに来たポールと笑顔で別れた。しかしその直後、他人の荷物をこっそり持ち去ろうとした男を見つけたポールは彼を呼び止め、指鉄砲を突きつけて不気味に笑うのだった。

キャスト

※括弧内は日本語吹替声優[3]

製作

2006年シルベスター・スタローンが『狼よさらば』を再映画化し、自ら監督と主演を務めるつもりだと述べた。スタローンは「チャールズ・ブロンソン演じるポール・カージーは建築家でしたが、私はポールを善良な警官―しかも、訓練以外で拳銃を使うことなく生きてきた警官―として描写するつもりです。そうすることで、ポールは復讐を実行すべきか否かという倫理的葛藤に追い込まれることになります。」「1974年版をリメイクをするのではありません。」と語った[4]

2012年1月、ジョー・カーナハンが『狼よさらば』の脚本を執筆し、監督も兼任する予定だと報じられた。カーナハンはリーアム・ニーソンフランク・グリロの出演を希望していたのだという[5]

カーナハンが降板してから4年間、後任の監督が決まらずに企画が迷走した。2016年3月、後任の監督がアハロン・ケシャレス英語版ナヴォット・パプシャド英語版に決定し、ブルース・ウィリスがポール・カージーを演じることが決まった。ポール・カージー役にはラッセル・クロウウィル・スミスマット・デイモンブラット・ピットらも候補に挙がっていたという[6]。5月、脚本の修正を巡りスタジオ側と対立したため、ケシャレスとハプシャドが降板した。6月、2人の後任として、イーライ・ロスが起用されることとなった[7]。8月25日、ヴィンセント・ドノフリオとディーン・ノリスが本作に出演するとの報道があった[8]。10月7日、キンバリー・エリスとカミラ・モローネの出演が決まった[9]。17日、ロニー・ジーン・ブレヴィンスが本作に出演すると報じられた[10]

2016年9月、本作の主要撮影シカゴで始まった[11]。10月にはカナダモントリオールでの撮影が行われた[12]

公開

2017年6月、アンナプルナ・ピクチャーズは本作を同年11月22日に全米公開すると発表した[13]。しかし、同年10月、本作の全米公開日が2018年3月2日に延期され、全米配給をメトロ・ゴールドウィン・メイヤーが手掛けるとの報道があった[14]

興行収入

本作は『レッド・スパロー』と同じ週に封切られ、公開初週末に1500万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが[15]、実際の数字はこれを若干下回るものであった。2018年3月2日、本作は全米2847館で公開され、公開初週末に1301万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場3位となった[16]

評価

本作は批評家から賛否両論であった。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには125件のレビューがあり、平均点は10点満点で3.9点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『デス・ウィッシュ』はオリジナルの単なる焼き直し以上のものであり、オリジナルにあった根性と信念は残っている。ただ、公開時期があまりにも悪かった。」となっている[17]。また、Metacriticには32件のレビューがあり、加重平均値は31/100となっている[18]。なお、本作のCinemaScoreはB+となっている[19]。一方でサンフランシスコ・クロニクルのミック・ラサークは、「本作は、一作目以降の『デス・ウィッシュシリーズ』よりも優れている」と高く評価した。またInternet Movie Databaseでのユーザー評価は84%であった。

本作の全米公開に先立つ2018年2月14日、フロリダ州の高校で銃乱射事件が発生していた。それ故、「人々の記憶に当該事件が焼き付いている状況下で、拳銃を使った自警行為を称賛するかのような作品を公開したのは適切ではない」という主旨の批判が相次いだ[20][21][22]。こうした批判に対し、イーライ・ロス監督は「私は家族について語りたかったのです。『もし自分の家族がカージー家のような目に遭ったなら、貴方はどうしますか』という主題にこだわりたかったのです。(中略)。銃社会を讃えたかったわけではありません。」と釈明している[23]

関連項目

出典

外部リンク

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