デレク・シェリニアン
From Wikipedia, the free encyclopedia
| デレク・シェリニアン | |
|---|---|
|
デレク・シェリニアン(2006年) | |
| 基本情報 | |
| 生誕 | 1966年8月25日(59歳) |
| 出身地 |
|
| ジャンル | |
| 職業 | |
| 担当楽器 | キーボード |
| 活動期間 | 1982年 - |
| レーベル | |
| 共同作業者 |
|
デレク・シェリニアン(Derek Sherinian、1966年8月25日 - )は、アメリカ人キーボーディスト。ヘヴィ・メタル/ハード・ロックの分野で活躍。アリス・クーパー・バンド、ドリーム・シアター、イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジングフォース等で活動し、現在はソロ、ブラック・カントリー・コミュニオン、フーム・ゴッズ・ディストロイ等で活動する他、ヴァージル・ドナティと共にプラネット・エックスを率いている。
カリフォルニア州で、アルメニア人の父親とギリシャ人の母親の間に生まれ、5歳からクラシック・ピアノを始めた。最初に夢中になったのはエルトン・ジョンで、彼の影響でポップス系のレコードを聴くようなる。その後、エドワード・ヴァン・ヘイレンのギターに衝撃を受けてロックに魅了され、中学生の頃は、友人とガレージ・バンドで演奏したり、カバー曲をやったり、タレント・ショーに出たりしていた。高校生の1年目を終えると、バークリー音楽大学の奨学金を得て、一般教育終了証明をもらい、高校を辞めてボストンに移った。学友には、後にメガデス等で活躍するアル・ピトレリや、リビング・カラーのウィル・カルホーンがいた。
ジミ・ヘンドリックスのバンド、バンド・オブ・ジプシーズ」のドラマーだったバディ・マイルスのソロ・ツアーのメンバー、アリス・クーパーのバンド、キッスのツアー・メンバーといった活動をした。アリス・クーパーからは「生まれついてのロック・スター」と呼ばれ、ジーン・シモンズからはロック・ミュージシャンとしてのあり方を学んだという。ケヴィン・ムーアの後任としてドリーム・シアターに加入。新曲とカヴァー曲が混在した企画盤『ア・チェンジ・オブ・シーズンズ』(1995年)と、オリジナル・アルバム『フォーリング・イントゥ・インフィニティ』(1997年)に参加。
ドリーム・シアター脱退後、プラティパスでの活動を経て、ソロ・アルバム『プラネット・エックス』(1999年)発表。このプロジェクトは、後にトニー・マカパインを迎えて、プラネット・エックスというバンドに発展していく。2000年には、プラネット・エックス名義でのデビュー作『ユニヴァース』発表。
2001年から2002年にかけては、キーボーディストでありながらYOUNG GUITARで「GUITAR-NET X」というコラムを連載していた。このコラムではシェリニアンが影響を受けたギタリストを取り上げ、熱い思いを語っている。
イングヴェイ・マルムスティーンのツアー・メンバーに抜擢され、イングヴェイのアルバム『アタック!!』(2002年)にも全面参加。その後、ビリー・アイドルのツアーに帯同する。ビリー・アイドルのアルバム『デヴィルズ・プレイグラウンド』(2005年)にも参加。2017年にはスティーヴ・ヴァイ、ザック・ワイルド、イングヴェイ・マルムスティーン、ヌーノ・ベッテンコート、トーシン・アバシによる超絶技巧ギタリスト・グループ、ジェネレーション・アックスの日本公演を含むアジア・ツアーにおいてキーボードを担当した。
個人名義においてアラン・ホールズワース、アル・ディ・メオラ、スティーヴ・ルカサー、サイモン・フィリップス、トニー・フランクリン、ビリー・シーン、イングヴェイ・マルムスティーン、ザック・ワイルド、スティーヴ・スティーヴンス、ジョー・ボナマッサ、スティーヴ・ヴァイ、ロン・サール、キコ・ルーレイロ、マイケル・シェンカーらと壮絶なバトルを繰り広げたセッション・アルバムをリリースしている。シェリニアンはエドワード・ヴァン・ヘイレンやジェフ・ベックと共演することを一番の夢にしていたが実現しなかった。ただし、エディとは彼のプライベート・パーティで一緒に演奏したことがある。
機材セッティングの特徴として、キーボードを鋭角に設置することがある。これは、「ヴァーティカル(垂直の)・スタンド」と呼ばれ、キーボードを逆スラントの角度で設置して演奏するイェンス・ヨハンソンと共に、新世代のメタル・キーボーディストに影響を与えている。
『キーボード・マガジン』(1995年11月号)のインタビューで、リズムはジョン・ロード、ソロはエディ・ヴァン・ヘイレンとヤン・ハマー、コードはキース・エマーソン的だと自身のスタイルを分析している。また、子供の頃は、ディープ・パープルに傾倒していたほか、エアロスミスやヴァン・ヘイレンのようなバンドもたくさん聴いてきた。その他には、BURRN!(2022年9月号)で、マッコイ・タイナー、オスカー・ピーターソン、チック・コリア、ティグラン・ハマシアンなどを聴いていると発言するなど、日本の雑誌でもジャズの影響を明かしはじめている。しかし、ロック・ミュージシャンとしての態度は一貫していて、かつてロサンゼルス・タイムズのインタビューで、シェリニアンがジャズではなくロックを選んだ理由を尋ねられた際は、「リー・リトナーよりエディ・ヴァン・ヘイレンの方がクールだと思った。(I thought Eddie Van Halen was cooler than Lee Ritenour.)」と発言していた。
評価
『ギター・ワールド』誌はシェリニアン を「キーボードの王」と称し、アリス・クーパーからは「キーボード界のカリギュラ」と名付けられている。また、英語版『キーボード・マガジン』誌は、2011年にシェリニアンを「新世代のキーボード・ヒーロー(Keyboard Hero for a new generation)」と発表した。シェリニアンは、キーボードでありながらギター的なフレージングを多用する演奏スタイルで知られる。ロン・サール は、その演奏について「キーボードを弾いているが、これまでで最高のギタリストの一人」と評している。一方、小川文明 は、「拍子やスケールから逸脱しており、複雑に聴こえる」と指摘している。日本の音楽雑誌では、『BURRN!』の読者人気投票において、キーボーディスト部門で5度1位を獲得している(2020年、2022年 - 2025年)。特に2022年からは4年連続で1位を記録している。
使用機材
デレク・シェリニアンは、シンセサイザーとしてKORGのKronosシリーズや、Nord Lead 3などを使用しているとされる。また、ピアノにはYamahaの9フィート・グランドピアノC9、オルガンにはHammondのB-3およびC-3を用いている。
KORGとは長年にわたりエンドース契約を結んでいるとされ、25年以上の関係があると報じられている。
ピアノについては、アルバム『イナーシャ』以前は所有していなかったが、その後、演奏技術向上の必要性からグランドピアノを導入したと語っている。
このほか、ヴィンテージ・キーボードも多数所有しており、MoogのMemorymoog、Fender Rhodes、Wurlitzer、Hammond、Clavinet D6、Mellotronなどを使用している。
シグネチュア・サウンド
- Monster Lead
- シェリニアンがジャック・ホートップ(コルグUSAスタッフ)と作ったシンセ・リード。コルグ・TRINITYシリーズに収録されているプリセット音色、「Monster Lead」のパラメーターを開くと、ノコギリ波とパルス波を基にエフェクトをかけた音色なことがわかる。プリセット音色のピッチ・ベンド・レンジは、初期設定ではアップ、ダウンともに2度に設定されているが、シェリニアン自身は、ピッチ・ベンドでスライド・ギターのようなサウンドを作ったり、移調したりするために、ダウンを完全4度に変更して演奏している。また、使われているHigh Gain / Wahというエフェクトが特徴的で、日本のキーボード・マガジンでシェリニアンと対談したことのあるKENSOの小口健一や、『キーボード・マガジン』(2013年 Spring)の「ハードロック・キーボード名鑑」でシェリニアンの記事を執筆したGALNERYUSのYUHKIが指摘している。
- Balls
- ハモンド・オルガンとエフェクト・ペダルなどによるディストーションが効いたオルガン。2代目のコルグ・コンボオルガンシリーズには、シェリニアンが作成したディストーションが効いた厚みのあるロック・オルガンの音色「DS Balls!」が収録されている。内蔵のロータリー・スピーカー・シミュレーターの設定は、コルグのスタッフが当時のシェリニアンの自宅スタジオ「レオパルド・ルーム」に出向き、彼のLESLIEスピーカーを実際に研究して作成された。