トゥギャザー (映画)
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アリソン・ブリー
マイク・コワップ
アンドリュー・ミットマン
エリック・フェイグ
ジュリア・ハンマー
ティモシー・ヘディントン
マックス・シルヴァ
アリソン・ブリー
デイモン・ヘリマン
| トゥギャザー | |
|---|---|
| Together | |
|
| |
| 監督 | マイケル・シャンクス |
| 脚本 | マイケル・シャンクス |
| 製作 |
デイヴ・フランコ アリソン・ブリー マイク・コワップ アンドリュー・ミットマン エリック・フェイグ ジュリア・ハンマー ティモシー・ヘディントン マックス・シルヴァ |
| 出演者 |
デイヴ・フランコ アリソン・ブリー デイモン・ヘリマン |
| 音楽 | コーネル・ウィルチェック |
| 主題歌 |
ゴールデン・スーツ 『Another One』[1] |
| 撮影 | ジャーメイン・マクミッキング |
| 編集 | ショーン・レイヒフ |
| 製作会社 |
タンゴ・エンターティンメント ピクチャー・スタート 30ウエスト プリンセス・ピクチャーズ 1.21 |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 102分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $17,000,000[2] |
| 興行収入 |
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『トゥギャザー』(原題:Together)は、2025年のオーストラリア・アメリカ合作のホラー映画。田舎町に引っ越してきた未婚の30代カップルが、恐ろしい力に飲み込まれる恐怖を描く。日本では2026年に公開された。
日本公開時のキャッチコピーは「私たちは もう始まっている。」。
本作はオーストラリアの映画監督マイケル・シャンクスの長編デビュー作である。主人公カップルのティムとミリーを演じるデイヴ・フランコとアリソン・ブリーは、実生活上で結婚している夫婦同士。
『トゥギャザー』は2025年1月26日に2025年度サンダンス映画祭で初上映された後、7月30日からネオンの配給でアメリカで公開された。1,700万ドルという控えめな予算で製作された本作は、批評家からはおおむね好評を博し、国内興行収入だけで1,000万ドル、全世界で3,200万ドルもの興行収入を挙げた[2][3]。
中国では2025年9月12日に一部の劇場で先行上映された。中国の公開版は、男性同士の同性婚のシーンで片方の男性が女性の顔に差し替えられ、異性間の結婚式に改変されていた。同性婚を認めておらず、LGBTに関する話題が依然としてタブー視されている中国側の検閲によるものだ。オリジナル版での同シーンのスクリーンショットがネット上に投稿されたことで、この改変に気付いた中国の映画ファンからは苦情が殺到した。男性の同性愛を示唆する他のシーンも本編からカットされており、「ストーリーを捻じ曲げただけでなく、キャラクターの性的指向も否定した許せない改訂だ」という観客の声もあった。中国のSNS“微博”には「映画の外で起きていることは、映画の中で起こっていることよりも恐ろしい」と投稿されていた。『トゥギャザー』の国際配給権を持つネオンは、映画に勝手な加工を施した中国の配給会社ハイショウが、この件について何もコメントを出していないことを批判し、ただちに配給を停止するよう求めた。オンライン上での観客の抗議も高まり、ハイショウはこの映画の上映を中止せざるを得なくなった[4][5]。
全米映画配給協会MPAからは「暴力的ならびに不快な表現、性的内容、露骨なヌード」を理由にR指定を受けた[6]。日本公開時は映倫の審査により、PG12(※小学生以下の鑑賞は保護者の助言・指導が必要)に区分されている[7]。
ストーリー
プロのミュージシャンになる夢を諦めきれないまま30代になってしまったティムと、長年の恋人で小学校教師をしているミリーは、新生活を始めるために都会を離れて田舎町に引っ越した。ミリーは新しい職場で同僚の男性教師ジェイミーと親しくなり、彼が新居の近くに住む隣人だと知る。自宅付近の森にハイキングに出かけたティムとミリーは、変わった模様のついたベルが目印のようにつけられた道を進むうちに、大雨に降られて道に迷ってしまう。地下の洞窟に続く穴に落ちた2人は、雨が止むまで地下空洞の中で過ごすことにする。喉が渇いた2人は地下の窪みに溜まっていた水を飲んで夜を明かした。翌朝、目を覚ましたティムとミリーは、互いのふくらはぎが接着剤で貼り付けたようにくっついていることに気付き、無理に引き剥がす。教会のベンチのように見える朽ちた木材を足場に、2人は穴から脱出した。
ティムは説明できないほどミリーの肉体に惹かれるような症状に苛立ち、地元の医者メンドーサの診察を受けた。メンドーサはティムの症状をパニック発作の一種だろうと言い、筋弛緩薬のジアゼパムを処方した後、最近この近所で行方不明になったカップル、サイモンとケリーの話をする。後日、ミリーの同僚ジェイミーが挨拶に訪れたため、2人は彼を歓迎して夕食を共にする。ミリーたちが森の地下にある空洞に落ちた話をすると、ジェイミーは昔そこにニューエイジの教会があり、人が来なくなったことで潰れたらしいと教えた。ミリーは演奏会を控えたティムを車に乗せて最寄り駅まで送るが、ティムはミリーを求める禁断症状のような本能に突き動かされ、彼女が働いている学校に向かう。急に職場に現われたティムに怒るミリーだったが、身体がミリーを渇望していると話すティムを男性用トイレの個室に連れこむと、立ったままセックスを始める。セックスの誘いを何度も拒まれていたミリーの性的興奮は凄まじく、ティムが膣内で射精を始めると、彼女も声をあげながらオーガズムに達した。ティムの陰茎は彼女の膣から抜けなくなり、2人はパニックになるが、ミリーは彼を突き飛ばして性器の結合を解く。男子生徒の報せでジェイミーがトイレに駆けつけ、個室から出てきた所を見られたミリーは気まずくなった。
トイレでセックスをしていたことを知られたミリーは、ジェイミーの自宅に謝罪に行った。ジェイミーはプラトンの『饗宴』に関する恋愛観を語り、自分の半身であるパートナーを手放さないようミリーに話すと、かつて一緒に暮らしていた結婚相手のことを回想する。ジェイミーの薬指には2つの結婚指輪が付いていた。ティムは行方不明のカップルのSNSアカウントから、最後に投稿した写真のExifファイルを調べ、自分たちが洞窟に落ちた森で撮影したことを突き止める。しかも2人が写っている写真の後方に、あの森の中のベルと同じ物があった。その夜、ミリーとティムは別々の寝室で寝るが、深夜に互いの身体は目に見えない力で引き寄せられ、ティムの左腕とミリーの右腕は融合してしまう。2人はティムが処方された筋弛緩剤を大量に摂取して気絶し、先に目を覚ましたミリーはティムを椅子に拘束し、電動ノコギリで癒着部分を切り離した。病院に行こうとしたミリーは、ジェイミーの家に車のキーを忘れてきたことを思い出し、取りに戻る。その隙にティムはロープと懐中電灯を手に、例の地下洞窟に向かう。
ジェイミーの家に入ったミリーは、男性同士の結婚式を映し出したビデオ映像を見つける。ビデオの中で男性らは教会地下の洞窟に入り、そこで融合する儀式を執り行なう。教会の壁には2体の身体が繋がった人間の絵が描かれていた。ミリーの前に現われたジェイミーは、挙式した男性が融合した完全体であり、彼はミリーとティムも完全な存在になるべきだと話す。ジェイミーは拒絶したミリーの腕に深い切り傷をつけた。一方、地下の洞窟に降りたティムは、そこでおぞましい姿に融合した行方不明のカップルに遭遇する。首にナイフが刺さったサイモンは死亡しているらしく、ケリーは泣いて助けを求めていたが、恐怖に駆られたティムはその場から逃げ出した。真相に気付いたティムは、もっと早くこうすべきだったと、自宅付近で再会したミリーの目前で自殺しようとするが、それを静止するミリーも失血で死にかけている。ティムは彼女の傷口に自分の手を癒着させることで止血した。融合の運命から逃れられないことを悟ったティムは、若い頃のミリーが好きだったスパイス・ガールズのレコード「2 Become 1」をバックに、共に全裸になって踊りながら肉体を融合させる。
キャスト
スタッフ
- 監督/脚本 - マイケル・シャンクス[8]
- 製作 - デイヴ・フランコ[8]、アリソン・ブリー[8]、マイク・コワップ[8]、アンドリュー・ミットマン[8]、エリック・フェイグ[8]、ジュリア・ハンマー[8]、ティモシー・ヘディントン[8]、マックス・シルヴァ[8]
- 撮影 - ジャーメイン・マクミッキング[8]
- 編集 - ショーン・レイヒフ[8]
- 音楽 - コーネル・ウィルチェック[8]
- 美術 - ニコラス・デア[8]
- 衣裳デザイン - マリア・パッティソン[8]
- 特殊メイク - ジュリアン・ディマーゼ[9]、ブライディ・ストーン[9]
- 義肢デザイナー - ラリー・ヴァン・デュインホーベン[9]
- 特殊効果 - アルロ・マルカントナトス[9]
- 視覚効果スーパーバイザー - ジェネヴィエーヴ・カミレリ[9]
- 視覚効果コーディネーター - ジョネル・クリステンセン[9]、クリストファー・チャバー[9]
- キャスティング・ディレクター - アリソン・テルフォード[9]、ケイト・レナード[9]
- スタントダブル - アダム・デイビス(フランコ役)[9]、モニーク・ドーズ(ブリー役)[9]
- 字幕翻訳 - 小寺陽子[10]
製作

最初にマイケル・シャンクスがこの話を考え付いたきっかけは、実生活のパートナーとの関係からだった。10年ほど一緒に暮らしている人生のパートナーとの深い関わり合いを考察し、結びつきが強いあまり、互いの身体が絡み合う人間がいたらどうだろうか? と思ったのが発端だった[11]。脚本に取り組む前に、古い文献で神話について調べ始めたところ、プラトンの『饗宴』に出会った。太古の昔、ヒトはひとつの身体に4本の腕と足、2つの頭と2つの性器を持っていたが、ゼウス神によって分離されて現在の人間の姿になった。そのために人間は一生をかけて人生の伴侶、つまり自分の片割れを探し求める運命を背負わされたという話だ。『饗宴』を読んだシャンクスは感銘を受け、このアイデアを脚本に採り入れることにした[11]。ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(1982年)が人生で最も大好きな映画で、デヴィッド・クローネンバーグも敬愛していたシャンクスは、肉体が変貌するボディ・ホラーの脚本を書き進めた[12]。
長年連れ添った男女の肉体が融合する話のアイデアを、シャンクスが自分のパートナーの女性ルイ・マクナマラに話した時、彼女は少し引いてしまったようだが「妙な話だとは思うけど、でもあなたが書くべきだわ」と言って、脚本作りにあたって色々なアイデアを出してくれた。 “倦怠期カップルの彼氏が強く欲情しているのを知った女性は、この機を逃すまいと彼を近くのトイレに連れ込み、自ら下着を脱いでセックスを始める。長年セックスレスだった反動で彼女は挿入されると数分で絶頂に達し、彼もまた「中に出して」と懇願する恋人の性器の中で果てるが、射精し終えたペニスは何故か抜けなくなる”。このブラック・ユーモア漂うシチュエーションはルイの発案で、話を聞いたシャンクスは「生々しくて、ちょっとやり過ぎじゃないかな」と思ったが、すぐに考え直して「いや待てよ、セックスを終えても2人の性器が離れないって、よく考えたら怖いよね。どういう風に見せたら良いんだろう? これは面白いかも知れない」と、彼女の案を採用した[13][14][15]。
映画の序盤に、ティムが子どもの頃のトラウマをミリーに語るシーンがあるが、照明器具の内側からネズミの腐乱死体が出てきたという話は、幼少期のシャンクスが実際に体験した恐怖エピソードである[16]。このようにティムのキャラクター造型は、シャンクス自身の実生活から出た部分をモデルに書かれているが、もう少し情けなさと哀れみを感じさせる性格を加味している。ティムがミリーから遠ざかって駅に着くと、急に不安を感じて気分が悪くなるシーンは、長年にわたり慢性的なパニック発作に悩まされたシャンクスの体験が反映された[17]。ティムがFacebookで、行方不明になり、おそらく死んだであろうカップルの最期の投稿を見つけるシーンも同様だ。昔シャンクスの自宅近くで恐ろしい事件が起き、亡くなった犠牲者の名前を調べていたらFacebookの公開アカウントを発見し、故人は割と近くに住んでいた人で、しかも共通の友人が2人いたことを知って怖くなったという [18]。
俳優のデイヴ・フランコが初監督し、フランコの妻アリソン・ブリーが出演したホラー映画『サイコハウス 血を誘う家』(2020年)をとても気に入っていたシャンクスは、当時フランコとホラー談議に花を咲かせて親交があったため、書き上げたばかりのホラー映画の脚本を読んで感想を聞かせて欲しいとフランコに頼んだ。後日、シャンクスのエージェントが「デイヴ(フランコ)が、この脚本を気に入って映画に出たいと言っていますよ。奥さんのアリーも一緒に参加したいと言ってるそうですが、どう思いますか?」と伝えてきた。内心ではフランコに出演して欲しいと思いながら脚本を送っていたシャンクスは、心の中でガッツポーズを取りつつも、平常心を装って「へぇ、そうなの? そりゃいいね。考えておくよ」とエージェントに返事をした[12]。
2024年2月6日、デイヴ・フランコとアリソン・ブリーが、共依存の恐怖を描くホラー映画『Together(原題)』に出演すると『バラエティ』誌が報じた。映画の内容については伏せられているが、フランコとブリー夫妻は製作にも関与すると発表されている[19]。タンゴ・エンターティンメント、ピクチャー・スタート、30ウエストが資金提供を担当し、プリンセス・ピクチャーズと1.21が製作に加わることも同日報道された[20]。フランコとブリーは、自分たちが夫婦であることが『トゥギャザー』のセールスポイントになることを認識していた。フランコはシャンクスを「史上、最も自信に満ちた新人監督」と評し、低予算で納期が短いインディペンデント映画の本作にプロデューサーとしても参加することで、シャンクスをくだらないロジスティクスのストレスから守ろうと考えたのだ[21]。
ブリーはもともと映画好きだったが、フランコの影響でホラー映画への理解が深まった。『トゥギャザー』の脚本を読むよりずっと前、新型コロナのパンデミック期の2020年に、2人はデヴィッド・クローネンバーグの監督作を集中的に観ていた。ブリーはクローネンバーグの映画の中では『戦慄の絆』(1988年)が特にお気に入りで、同時にこれがボディ・ホラーの一番の傑作だと思っていた。そして彼女とフランコは、『トゥギャザー』がクローネンバーグ作品の『ザ・フライ』(1986年)の流れを汲む作品だと考えていた。フランコは以下のように語る。「『トゥギャザー』が『ザ・フライ』に匹敵するとまでは言いませんが、この映画は『ザ・フライ』と同じくロマンスを核としたボディ・ホラーです」[22]。
撮影
映画の舞台はアメリカのワシントン州だが、撮影はシャンクスの自宅から15分ほど離れたオーストラリアのメルボルンで行なわれた[13]。シャンクス自身も、行方不明になったカップルの男性サイモンとして、映画にカメオ出演している[9]。

通常、俳優同士が撮影現場で互いに全裸になったり、セックスをするシーンに配置されるインティマシー・コーディネーターが、本作では必要とされなかった。主演の2人が実生活の夫婦だったためである。長編映画初監督のシャンクスにとっては、チャレンジングな経験だった。ティムとミリーの腕が融合する場面では俳優が特殊造型の義肢を4時間も装着しており、事前に照明とカメラのセッティングを済ませて、2人がスタジオに入ったらすぐに撮影を始めるようにしていた。その準備のため、フランコとブリーそれぞれのスタンドイン(代役)が必要となり、スタンドインの彼らがパフォーマーとなって効率よく撮影を進められた[15]。シャンクスは「デイヴとアリーは、砂利の上を引っ張ったり、壁やガラスに叩きつけたり、しょっちゅう裸にもなってもらいました。でも完璧なパートナーの彼らは、全く不平不満を漏らさずに撮影に協力してくれたのです」と話した[23]。
撮影期間は非常に短かったが、ブリーとフランコは夫婦であることが、他の俳優と組むよりもずっと楽だったことに気付いた。フランコは「一緒に暮らしていることで、僕らは好きなだけリハーサル出来たんだ。撮影現場のテイクは1,2回だけだと分かっていたから、前夜に撮影のことを話し合って本番に備えられた」と話している。ブリーによると、この速い撮影ペースは逆説的に演技を向上させることに役立ったという[22]。また、ブリーは『エンターテインメント・ウィークリー』のインタビューで、何時間も物理的に身体が密着している撮影時間は、彼と一緒にトイレに行くこともあったと話した。「結婚してもいない他人同士だったら、同じトイレの個室に2人で入るなんて、気まずくて耐えられなかったでしょうね」とブリーは語る[24]。また、ブリーはティムとミリーがセックスを終えた後、性器が離れなくなる所は脚本の時点から楽しみにしていた、映画の中で1番好きなシーンだと述べた[25]。
シャンクスが、ミリーの膣内から抜けなくなったティムのペニスを映像で見せる必要がある、と言い出したのは撮影が終盤に差し掛かった頃だった[14]。特殊美術造型に割ける予算が少なかったことから、どのようにセックス直後の男性器を見せるべきか悩んでいたところ、シャンクスの私生活パートナーのルイがセックス・トイの会社の主任デザイナーをしていることが突破口になった。彼女は「ああ、それなら自宅の仕事場の引き出しに、超リアルな性器の玩具がいっぱい眠っているわ。スタッフに渡してあげて」と言って、本物そっくりな女性向けのオナニー用ディルドをいくつか無償で提供してくれた。造型スタッフのラリー・ヴァン・デュインホーベンが、勃起状態の男根の玩具にペイントを施して陰毛を付けた物が撮影に使用されている[15][26][27]。
最後に登場する、ティムとミリーが融合した雌雄同体のキャラクターは、スタッフが「ティリー」と呼んでいた。ティリーはウィッグを被ったアリソン・ブリーが演じている。視覚効果スーパーバイザーのジェネヴィエーヴ・カミレリが合成ソフトウェアNukeで2人の顔を組み合わせた上で、どの要素を取り出すか監督とスタッフが検討を重ね、必要なパーツを考えた。メイキャップ・チームが再現したデイヴ・フランコの眉毛と、フランコの瞳と同じ色のコンタクトを装着したブリーを撮影した後、顔面にマッチムーブ用のマークを付けたフランコを同じ場所で撮影し、彼の顎と唇をブリーにデジタル合成でシンクロさせている[28]。「映画を観た色々な人たちが“最後のアレはA.I.ですか?”と聞いてきます。なぜ短絡的にA.I.で生成したと考えるのか、全く分かりません。A.I.技術は一切使っていませんよ」とシャンクスは不満を漏らす。「この映画は『サブスタンス』じゃないんだから、狂気の怪物がドアを開けるなんてことは有り得ない。町を歩いていても気付かれないぐらい、ごく普通に見える人間でなければいけません」とシャンクスは語った。「これはオーソドックスなメイキャップとデジタル合成を併用しているので、完全なCGIとも呼べませんが、ティリーは合成技術を組み合わせたものです」[28]。映画の冒頭でティムとミリーがパーティに出る時、2人はお揃いのジャケットを着ていることに気付き、ティムは別の服に着替える。これはミリーと距離を置きたいというティムの潜在的願望の表れだが、最後に2人が融合した“ティリー”は、パーティの場面と同じジャケットを着ている[27]。
主演の2人の息がぴったり合っていたことも功を奏し、予算の関係でこの映画は21日間という短期間で撮影を終了した[23]。