ドンペリドン
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ドンペリドン(英: Domperidone)は、ドーパミン受容体拮抗薬の一つで、制吐薬、消化管機能改善薬として利用されている。商品名ナウゼリン(協和発酵キリン)。
| 臨床データ | |
|---|---|
| 投与経路 | 経口、経直腸 |
| ATCコード |
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| 法的地位 | |
| 薬物動態データ | |
| 生体利用率 | 高 |
| タンパク結合 | 91–93% |
| 代謝 | 肝臓、腸 (初回通過効果) |
| 消失半減期 | 7時間 |
| 排泄 | 乳汁、腎臓 |
| 識別子 | |
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| CAS登録番号 | |
| PubChem CID | |
| DrugBank | |
| ChemSpider | |
| KEGG | |
| CompTox Dashboard (EPA) | |
| ECHA InfoCard | 100.055.408 |
| 化学的および物理的データ | |
| 化学式 | C22H24ClN5O2 |
| 分子量 | 425.911 g/mol g·mol−1 |
| 3D model (JSmol) | |
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抗精神病薬と同様の機序であり、副作用も高プロラクチン血症による乳汁の分泌、無意識的に身体が動く治療法のない遅発性ジスキネジアなどである。
作用機序
副作用
効能・効果
下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)
成人:慢性胃炎、胃下垂症、胃切除後症候群、抗悪性腫瘍剤またはレボドパ製剤投与時
小児:周期性嘔吐症、上気道感染症、抗悪性腫瘍剤投与時
用法・用量
成人では通常、1回10mgを1日3回食前に経口服用する。ただし、レボドパ製剤服用時には1回5~10mgを1日3回食前に経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児では通常、1日1.0~2.0mg/kgを1日3回食前に分けて経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。ただし、1日服用量は30mgを超えてはならない。また、6歳以上の場合は1日最高用量は1.0mg/kgを限度とする。
妊婦について
従来は添付文書での妊婦への使用の記載は「禁忌」であったが、2025年5月に禁忌の記載が削除され、妊婦の項は「妊娠又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」に変更となった[1][2]。禁忌の根拠は200mg/kg/日の用量でのラット胎児の催奇形性だが、1.70mg/kg/日(最大推奨臨床用量の約23倍)では催奇形性が認められなかった、2.日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の「産婦人科診療ガイドライン産科編2023」では「妊娠初期のみ使用された場合、臨床的に有意な胎児への影響はないと判断してよい医薬品」の一覧に記載がある、3.海外の添付文書において妊婦への使用が禁忌とされていないことから記載削除となった[1][2]。厚生労働省に対してドンペリドンの禁忌の適正性を検討し、妊婦禁忌解除妥当の報告書を提出した国立成育医療研究センターに組織されたワーキンググループ(WG)では[3]、服用した女性が、妊娠の判明後にドンペリドンが妊婦禁忌であることを知り、不安から人工妊娠中絶を選択している可能性について指摘していた[1][2]。
日本の国立成育医療研究センターおよび虎の門病院が実施した疫学研究では、奇形発生率はドンペリドンを服用した妊婦(D群)で2.9%(14/485、95%CI:1.6~4.8%)、非催奇形性の薬剤のみを服用した妊婦(C群)で1.7%(27/1,554、95%CI:1.1~2.5%)であり、D群の方が若干高値ではあるものの有意差はなく、高い傾向にあるとも言えない結果となった(調整後オッズ比:1.86、95%CI:0.73~4.70、P=0.191)[4]。
