ナガミル

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ナガミル(長海松、学名: Codium cylindricum)は、ハネモ目ミル科ミル属に分類される緑藻の一種である。学名の種小名である cylindricum は、ラテン語で「円筒形の」を意味する[1]。藻体は円柱状でややまばらに二叉分岐を繰り返し、大きなものは長さ10メートル以上になる(図1)。表層を構成する小嚢が大きく、肉眼でも確認できる。明緑色で手触りは柔らかい。アジアに分布し、沿岸域の低潮線より下に分布し、ときに海底を覆う。

概要 ナガミル, 分類 ...
ナガミル
1. 海底の藻体
分類
: 植物界 Plantae (アーケプラスチダ Archaeplastida)
亜界 : 緑色植物亜界 Viridiplantae
: 緑藻植物門 Chlorophyta
: アオサ藻綱 Ulvophyceae
: ハネモ目 Bryopsidales
亜目 : ハネモ亜目 Bryopsidineae
: ミル科 Codiaceae
: ミル属 Codium
: ナガミル Codium cylindricum
学名
Codium cylindricum Holmes, 1896[1]
シノニム
  • Codium divaricatum var. inflectum S.Narita, 1914[1]
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特徴

藻体は円柱状で基部では直径 1 cm になり、二叉分岐を繰り返し、大きなものは長さ 10 m 以上に達する[2][3][4][5](図1, 2a)。下部では分岐はまばらであるが、先端付近では密に分岐する[3](図1, 2a)。分岐部で扁平に広がっていることもある[3][4][5]。藻体の色は明るい緑色、手触りは柔らかく、ちぎれやすい[4]。小嚢が大型のため(下記参照)、腊葉標本にすると淡色の縁取りができる[3][6]。紙への付着はあまりよくない[3]

2a. 海底の藻体
2b. 小嚢[2]

藻体表面を構成する小嚢は倒卵形から長楕円形、肉眼でもわかるほど大きく、直径 (250–)400–500(–900) µm、長さは直径の5–6倍、頂端は丸く、肥厚していない[3][4][7][5](図2b)。配偶子嚢は卵形から長楕円形、220–310 × 110–130 µm、小嚢の頂端近くに形成される[3](図2b)。

分布・生態

イラン東南アジアベトナムフィリピン)、東アジア中国韓国、日本、台湾)に分布する[1]。日本では本州太平洋岸中部から瀬戸内海、日本海岸南部、四国九州八丈島小笠原諸島南西諸島から報告されている[4][3][6]タイプ産地は日本の神奈川県三浦市三崎町[3][1][7]

潮下帯低潮線より下)の波の穏やかな砂地に点在する岩や転石、礫に付着しており、藻体は立ち上がらずに海底を這うように生長する[3][4][5](図1, 2a)。

アコヤガイの殻に多数付着して害を与えたとする報告がある[6]

分類

クロミル(Codium)は小型のナガミルに似るが、藻体が濃暗緑色で小嚢がはるかに小さい点で区別できる[2][5][7][8]

脚注

外部リンク

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