ニクロサミド

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販売名 Niclocide, Fenasal, Phenasal, others[1]
ATCコード
ニクロサミド
臨床データ
販売名 Niclocide, Fenasal, Phenasal, others[1]
AHFS/
Drugs.com
Micromedex Detailed Consumer Information
ATCコード
識別子
CAS登録番号
PubChem
CID
DrugBank
ChemSpider
UNII
KEGG
ChEMBL
CompTox
Dashboard

(EPA)
ECHA InfoCard 100.000.052 ウィキデータを編集
化学的および物理的データ
化学式 C13H8Cl2N2O4
分子量 327.119 g/mol g·mol−1
3D model
(JSmol)
融点 225 - 230 °C (437 - 446 °F)
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ニクロサミド(Niclosamide)は商標名のニクロシド(Niclocide)で売られているサナダムシの駆虫に使用される医薬品である[2]裂頭条虫症ヒメノレア症テニヤ条虫症に対して効果がある[2]。その他の蟯虫感染症または線形動物に対しては効果がない[3]。経口薬である[2]

副作用は吐き気、嘔吐、腹痛、便秘、かゆみがあげられる[2]妊娠中でも服用が可能であり、胎児への影響はなく安全とされる[2]。ニクロサミドは駆虫薬に分類される[3]。条虫への糖分の吸収を妨ぐことにより効果がある[4]

ニクロサミドが発見されたのは1958年である[5]。ドイツの製薬大手バイエル社の研究所で発見された歴史がある[6]。バイエルの科学者である Gönnert博士Schraufstätter博士 らによって研究が進められた。1959年には特許が出願され、バイエル社は当時「Yomesan」という名称で商標権を取得し発売した[7][8]世界保健機関の必須医薬品リストに掲載されており、最も効果的で安全な医療制度で必要とされる医薬品である[9]開発途上国での一貫の治療に使われる薬の卸値は約$0.24米ドルである[10]。アメリカでは、一般販売されていない[3]。日本でも販売されていない。他の多くの動物に効果的である[4]

2018年以降、世界各国の研究機関によってニクロサミドの幅広い効能が注目され、研究され始めている。抗寄生虫薬としての効果に留まらず、ウイルス感染症、II型糖尿病非アルコール性脂肪肝炎、動脈狭窄、子宮内膜症神経因性疼痛関節リウマチ、移植片対宿主性強皮症、全身性硬化症等といった全身性疾患の治療に応用できないか検討と研究開発が行われている[11]。しかし間接的に非常に多くの作用が働いている可能性があるため、これらの生体化学反応が重大な副作用を引き起こさないか、作用機構を詳細に解明する必要性が高まっている。特に懸念されるのはミトコンドリア脱共役剤としての効果である。ニクロサミドも化学構造的に「2,4-ジニトロフェノール」と類似したフェノール性プロトノフォアであるとされる[12]。 もし血中濃度が高まり、全身の筋肉や臓器のミトコンドリアで強力にアンカップリングが起きれば、エネルギーがATPではなく「熱」として強く放出され高熱を伴う可能性がある。また肝毒性や催奇形性の再評価が必要である[13][14]

ニクロサミド(化学式: C
13
H
8
Cl
2
N
2
O
4
、分子量: 327.12 g/mol)は、サリチルアニリド誘導体に分類される化合物である[15]。構造的には、サリチル酸骨格とアニリン誘導体がアミド結合で連結されており、2つの塩素原子(-Cl)と1つのニトロ基(NO
2
)が置換している。

  • 酸性度とプロトン放出能
分子内のフェノール性ヒドロキシ基(-OH)は、強力な電子求引基である塩素およびニトロ基の誘起効果を受け、一般的なフェノール化合物よりも高い酸性度(pKa = 6.38 ± 0.10、25℃)を示す[16]
  • 極端な溶解性特性
水に対する溶解度は極めて低い(0.23 mg/L、25℃。モル濃度換算で約 M)一方で脂溶性は約4.48LogPで高い。

薬理作用機序

ニクロサミドは、サナダムシのグルコース取り込み、酸化的リン酸化嫌気性代謝を阻害する[17]。脂溶性が高いため、条虫の体表から吸収され、虫体内の細胞さらにはミトコンドリア膜に入り込みプロトン勾配を消失させる[14]

研究開発

将来への備え

出典

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