ニコライ・パトルシェフ
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| ニコライ・パトルシェフ Николай Патрушев | |
|---|---|
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パトルシェフ(2023年) | |
| 生年月日 | 1951年7月11日(74歳) |
| 出生地 |
レニングラード |
| 出身校 | レニングラード造船大学 |
| 前職 |
KGB・FSB諜報員 ロシア連邦大統領府副長官 |
| 所属政党 |
→ 無所属 |
| 称号 |
上級大将 法学博士 ロシア連邦英雄 |
| 配偶者 | エレーナ・パトルシェワ |
| 子女 |
ドミトリー・パトルシェフ アレクセイ・パトルシェフ |
| 在任期間 | 2024年5月14日(公表日) - 現職 |
| 大統領 | ウラジーミル・プーチン |
| 在任期間 | 2008年5月12日 - 2024年5月12日 |
| 大統領 |
ドミートリー・メドヴェージェフ ウラジーミル・プーチン |
| 在任期間 | 1999年8月16日 - 2008年5月12日 |
| 大統領 |
ボリス・エリツィン ウラジーミル・プーチン |
| 軍歴 | |
|---|---|
| 所属組織 |
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| 軍歴 |
1975年 - 2008年 (KGB・FSB) |
| 最終階級 |
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| 指揮 |
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| 戦闘 | ・第二次チェチェン戦争 |
ニコライ・プラトノヴィチ・パトルシェフ(ロシア語: Никола́й Плато́нович Па́трушев, ラテン文字転写: Nikolai Platonovich Patrushev, 1951年7月11日 - )は、ロシアの軍人、政治家。ソ連国家保安委員会(KGB)と後継組織の一つのロシア連邦保安庁(FSB)に所属しており、FSB長官職やロシア連邦安全保障会議書記などの役職を歴任した。ロシア連邦英雄の称号を持ち、最終階級は上級大将である。
経歴
1951年7月11日、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)に生まれた。父のプラトンは農民出身で1938年からソ連海軍に勤務。大祖国戦争に参加し退役時の階級は大佐であった。母のアントニナは看護師であった。
小学校時代の同級生に、ロシアの内務大臣や国家院議長、プーチン政権与党「統一ロシア」党首を歴任したボリス・グルイズロフがいる[2]。1974年にレニングラード造船大学を卒業し、同大学の設計局でエンジニアとして勤務した[2][3][4][5] [6]。大学卒業後の1975年からKGB要員となり、ミンスクにあるKGB高等学校・特技向上課程を修了し、レニングラード市及び同州のKGB支部において初級作戦係、市班長、地区課副課長、密輸・汚職対策課長として勤務する。
ソ連崩壊後はKGBの解体を受けてロシア保安省に移り、1992年にカレリア共和国保安大臣と同共和国連邦保安庁長官を務めた。1994年から首都モスクワ勤務し、ロシア連邦防諜庁内査局長、ロシア連邦保安庁(FSB)組織・人事業務部組織監察局長、1998年8月にロシア大統領府副長官兼監督総局長、同年10月にFSB経済保安部長を歴任した。
1999年4月16日より、FSB第一副長官、同年8月9日にボリス・エリツィン大統領が、FSB長官兼安全保障会議書記だったプーチンを首相代行(後に首相)に任命したため、同日付でプーチンの後任としてFSB長官代行、8月16日に正式に長官に就任した。以後、プーチン政権発足以来FSB長官として、チェチェンなどに関するテロ事件に対応しており、2001年には「北カフカース地域における対テロ作戦管理作戦本部」長、「スタヴロポリ地方およびカラチャイ・チェルケス共和国における公共の安全強化、テロリズムからの住民保護、テロ行為の被害を受けた市民への緊急支援のための対策本部」長を務め[7]、大将に昇格する。プーチンに対し絶対的な忠誠心を持ち、プーチンから全幅の信頼を寄せられていると言われる。
1999年9月30日には独立国家共同体(CIS)治安機関・特別機関指導者評議会(SORB)議長に選出され、11月14日から2001年4月25日まで、「政治的過激派の対策に関するロシア連邦大統領直属委員会」の委員を務めた。2006年2月からは反テロ委員会委員長を兼務する[8]。
2003年10月20日にはロシア連邦政府付け海洋委員会委員に、2007年3月には、「ロシア連邦と外国との軍事技術協力に関する委員会」委員に就任した。同年9月26日にはロシア連邦大統領直属の 2014年ソチオリンピック・パラリンピックの準備・実施に関する評議会のメンバーに任命された。
2006年頃から政治評論家たちから、プーチンの後継者候補の一人として注目され始めた[9]。2007年1月7日、アルトゥール・チリンガロフら数名とともに、ヘリコプターで南極大陸を訪れた[10]。

2008年5月12日にドミートリー・メドヴェージェフ大統領就任に伴い、SORB議長を解任され、ロシア連邦安全保障会議書記に就任した。
2013年にはロシア連邦安全保障会議書記として、「2020年のカレリア共和国成立100周年記念行事の準備を担当する国家委員会」の委員長に任命された[11]。

プーチンへの大統領交代後も留任し、2022年に始まったウクライナ侵攻をプーチンに進言したと報じられている[12]。
2024年5月14日、プーチンの大統領令により、ロシア連邦安全保障会議書記の職を解任され、大統領補佐官への転任が発表された[13]。6月11日にはロシア連邦軍需産業委員会の委員から解任されたが、ロシア連邦安全保障会議の常任委員の地位は維持した[14][15]。8月13日にプーチンは大統領令により海洋評議会を設立し、パトルシェフをその議長に任命した[16][17]。
人物
妻帯・2児を有する。法学科学博士である。ロシア連邦英雄の称号である「武勲に対する」勲章とメダル7個を有する。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのロシア政治専門家であるベン・ノブルは「パトルチェフこそがロシアのタカ派中のタカ派であり、西側が長年にわたってロシアを追いやってきたと考える人物である」「2022年のウクライナ侵攻における主戦論者であり、プーチンの強硬策を推進した一人である」と分析する。また、ロシアの政策決定コミュニティ内において、プーチンの意思決定に対して大きな影響力を持つと分析されている[18]。ジョージタウン大学教授のサム・ポトリッキオはパトルシェフが事前にウクライナ侵攻をプーチンより知らされていた数少ない側近であり、不測の事態が起きた場合にプーチンより権力を移譲される最有力候補者であると分析する[19]。
パトルシェフはインタビューで様々な自身の陰謀発言を展開させた。その一つに『2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件はCIAが仕組んだ』とか、新型コロナウイルスはアメリカによって人工的に作られ、ロシア・ウクライナ戦争はアメリカの責任であると主張し、ロシアによる侵攻の1か月前には、ロシアがウクライナに侵攻するための軍備を整えているという報道は「まったくの戯言」と発言した[20][21][22]。
2015年には、『アメリカはロシアが存在しないことを強く望んでいる』と発言した。パトルシェフはその証拠として、マデレーン・オルブライト元米国務長官が発言したとされる『ロシアは極東もシベリアも所有していない』という文言を引用した。この「発言」は、陰謀論フォーラムで広められ、2006年にロシア紙「ロシースカヤ・ガゼータ」のインタビューにおいて、ボリス・ラトニコフFSB少将がオルブライト国務長官に「スラブ人に対する病的な憎悪」を見出すことができたと主張した[23][24]。
2024年4月には、NATOがウクライナ紛争の事実上の当事者であると述べた。パトルシェフはNATOが、ロシア領土への砲撃の組織化、新たな武器の供給、反ロシア作戦に参加するための傭兵や破壊工作員の訓練、ロシア国境での軍事力の増強に積極的に関与していると非難し、NATOの戦略的目標は、西側諸国が経済的・政治的競争相手と見なしているロシアを弱体化させることだと述べた[25]。
ロシア版フォーブズの情報[26]によれば、2009年度のパトルシェフの所得は前年度の4倍の1,350万ルーブル(日本円で4,320万円)に達した(比較として安全保障会議副書記と書記補の年収は200万から400万ルーブルに過ぎない)。加えて239.9平方メートルのアパートを有している。また妻は4,541平方メートルの土地を所有している。
制裁
2018年4月6日、アメリカはプーチン大統領に近いロシアの17人の政府高官と7人の実業家を制裁対象に指定し、パトルシェフも対象に含まれた[27][28]。2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、アメリカはパトルシェフとその息子たちに対して新たな制裁を発動した。
2023年3月14日にパトルシェフは欧州連合(EU)全加盟国の制裁リストに追加された。
— パトルシェフは安全保障問題について助言・調整を行う安全保障会議のメンバーとして、ウクライナの領土保全、主権、独立を脅かすロシア政府の政策形成に関与し、ドネツクとルガンスクの独立を公に支持した。また彼は、ロシアのウクライナ侵攻の主要な支持者の一人であり、侵攻を公に正当化し、その目的を宣伝している。
— 「欧州連合公式ジャーナル」、ブリュッセル、2023年3月14日[29]
同様の理由で、2022年3月24日からイギリス [30]、3月25日から日本[31]、カナダ[32][33]、オーストラリア、ウクライナ[34]、スイス、ニュージーランドの制裁対象となっている[35][36]。