ハイターブリック (企業)
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1990年代、ドイツ再統一後のライプツィヒの路面電車(ライプツィヒ市電)では、東ドイツ時代に導入された旧型車両(タトラT4D・B4D)の老朽化や、今後のバリアフリーの促進が課題となっていた。当時、ドイツ各都市ではバリアフリーに適した超低床電車の導入が積極的に行われていたが、ライプツィヒ市電の運営組織の予算では多数の旧型車両を置き換えるだけの資金は賄えない状況にあった。また、同時期にはかつての東側諸国に属していた国々でも同様の課題を有する都市が多く存在していた。そこで、ライプツィヒを含めたこれらの都市へ向けた低価格の超低床電車の開発プロジェクトが立ち上がり、2003年にライプツィヒ市電の運営組織であるライプツィヒ運輸会社(LVB)の子会社として、ハイターブリック地区に位置する路面電車の工場を用いるライプツィヒ車両サービス企業会社(Leipziger Fahrzeugservice-Betriebe GmbH、LFB)が設立された。そして同年から2004年にかけて、最初の車両となる「レオライナー」の開発・製造が実施された。当初、このプロジェクトにはシーメンスの参加も計画されていたが、同社が展開した超低床電車(コンビーノ)の欠陥への対応などから後に株式所得の意向を撤回している[1][3][6][2][7]。
- 「レオライナー」の試作車(2005年撮影)
その後、同年にレオライナー・ライプツィヒ車両製造会社(Leoliner Fahrzeug-Bau Leipzig GmbH、FBL)に、2007年に現在のハイターブリック(HeiterBlick GmbH)に社名を変更した後、ライプツィヒ運輸会社の方針のもと、2010年までに同事業者の全株を民間企業(キロウ社、Kirow)へ譲渡した。以降、同社はドイツ各地の路面電車へ向けた車両製造を積極的に実施し、2018年にはドルトムントのシュタットバーン(ドルトムント・シュタットバーン)向けの大規模な車両の製造や更新に関する契約を獲得した他、ライプツィヒを含めた複数都市の合同によるプロジェクト「ザクセントラム(Sachsentram)」向けの車両製造も手掛ける事となり、2023年に最初の契約が結ばれた。だが、2020年代以降多くの契約において数年規模の遅延が生じるようになった事に加え、新型コロナウイルス感染症やロシア連邦のウクライナ侵攻による原材料価格の高騰などの要因により、受注が採算割れを起こす事態となった。その結果、ハイターブリックは2025年に破産手続きをライプツィヒ地方裁判所に申請し、7月から手続きが開始された[1][3][6][8][9][10]。
この影響で前述の複数都市との合同プロジェクト「ザクセントラム」から一部都市(ツヴィッカウ、ゲルリッツ)の路面電車事業者が契約を撤回し、それ以外の発注も滞る事態に陥ったものの、ポーランドの鉄道車両メーカーであるペサ(PESA)が買収を検討し、2026年1月にハイターブリックの再建計画の一環として同社が全株を所得し完全子会社化する条件で合意したことが発表された。これに基づくプロセスは同年3月までに完了する事になっており、以降ハイターブリックが受注した各種契約はペサのもとで遂行される事となる[6][8][5][9][11][12]。